『週刊ツリメ』「看護師に聞いた現場の声」

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公開日:2020/5/8

 ゆくゆくは歴史の教科書に載るかも知れない、世界を混沌に招いた悪のコロナウイルス。それをテーマにしたエッセイが、年内は沢山更新されるだろう。かといってそればっかりだと暗い作品が多くなってしまうので、「ツリメの外出自粛中の1日を覗いてみた」とかほんの少しクスッと笑ってもらえる物が必要なのかも知れない。こういうものが読みたい! と思ったならSNSでメッセージ送ってきてね。参考にするけど下ネタはNGで(笑)

 今回は看護師のお友達にコロナウイルスによる被害の実態を伺ってみた。パンデミックが起きかけている状況で咳、熱などの症状が発症した場合、病院に行こうと誰もが考える。しかしコロナの検査を受ける事は条件を満たしていないと許されないと聞いた。となるとそれは陽性の可能性が高い人だ。そんな彼らが行く病院で働いている彼女の心情を知りたいと思ったのだ。だから自分も含め、読者にも医療従事者に感謝する気持ちを忘れないで欲しい。

 それではインタビュー開始。ここでは身バレを防ぐ為、相手の名前をPさんと名付ける。生まれ故郷もパプアニューギニアにしておこう。

 とても緊張しますねぇ。多分、質問責めとかしたことない。しまった! またドS発言をしてしまった。「責め」とかアウトだ。以後、気を付けます。仮に相手が初対面だった時は「どしよ! どしよ!」と頭が真っ白になって質問したい事も聞けずに終了だ。まるで中学卒業まで初恋の人に告白未遂で離れてしまい、やるせない気持ちを抱えながら生きていく少年のようにになっていた所だ。幸いにも相手は僕の知り合いだ。気楽に接しようと思った矢先、

「お、お久しぶりです」

 ツリメさん、開始早々から噛んだ。先が思いやられる。

「久しぶり~」

 と元気な声で返してきたPさん。もし弱々しい唸り声が来た時は果てしない悲しみと無力感に襲われただろう。「大丈夫?」なんて言葉を軽々しくも言えない。僕らYouTuberは人と接触しなくてもある程度の仕事は出来る。安全な場所に居る人間が危険地区で働く者になんて言葉を掛けたらいいのか考え込んだが正解は見当たらない。とりあえずその声色を聞いて少しだけ安心した。

 まず最初に、3月から本格的にコロナウイルスが蔓延してきて仕事の量は増えたのか伺った。

「多くなったねぇ、いくつかあった病棟の一つをコロナ病棟にしたの。そこに入院していた人達が私がいる病棟に移動して来たから担当する患者さんが必然的に増えたの。中にはあまり見たことない疾患を持った患者さんもいるから大変よねぇ。あとは夜勤が多くなったかな」と淡々と職場の現状を述べた。

 基本的にテレビニュースではコロナウイルスにスポットライトが当たり、ウイルスの近くで働く医療者の仕事環境の変化は耳に入ってこない。毎日自分自身を検温し、消毒も徹底的にすると聞いた。またコロナ病棟で働く看護師の中には「私がもし感染していたら」という理由でスーパーに行きたくないと嘆く人もいるそうだ。そんな話を聞いていつ精神が崩壊してもおかしくない、と感じた。しかし彼女らにも生活があり「働なければ収入源も無くなる」と悲痛を呟いた。

 この背景には一部に看護師さんらを排他的に捉える者が少なからず居るのが原因だと個人的には思う。Pさんは被害を受けたことはないが、看護師だからという理由で差別を受ける人も少なからず居ると聞いた。ある病院では「マスクをよこせ!」と恐喝してくるおじさんが現れたと耳を疑う情報を頂いた。彼女が勤めている病院も防護服やマスクが不足して、週に1個しか与えられないらしい。通常は何か作業をする度に取り替える物で、もし飛沫が付着してそこから感染って可能性も0ではないよね。だから毎日ウイルスとともに日直当番の医療従事者から奪おうとするのは不良がやることよ。

 罵倒や差別的な言葉は人を暗くして連鎖を招く。我々に必要なのは優しさと不要な外出をしない事。最前線で戦って働いている者にリスペクトをもって接しないのは不適切だ。日本の医療者全員に感謝致します。毎日御勤めご苦労様です。

 最後にPさんが「第二波の感染が起きたら今度こそ日本は危険。だから不必要な外出はダメ! 自宅待機です!」とのことなので必死に生きていこう。

執筆者プロフィール
ツリメ(byアバンティーズ)
埼玉県出身、年齢は23歳。チャンネル登録者数160万人超の人気グループ「アバンティーズ」のメンバー。
絵心はないがイラストを描くのが趣味で、メンバーからは「画伯」と呼ばれている。
ツイッター:@turime1996
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