台風、感染症発生…テレワーク&オンライン会議で災害トラブルの回避を/『ビジネスチャット時短革命』⑩
更新日:2020/8/31

ビジネスチャット時短革命 ―メールは時間泥棒 ― メールを48.6%減らす働き方 (できるビジネス)
- 著:
- 越川慎司
- 出版社:
- インプレス
- 発売日:
- 2020/03/16
新型コロナウィルスの影響が拡大する中、在宅勤務を取り入れる動きが広がっています。テレワークやリモートワークの普及により、ビジネスチャット・オンライン会議の導入を進めている企業も急増し、従来のメール中心のコミュニケーションではビジネスが円滑に進まないケースも。新たな時代を生き抜くためのビジネスチャットとオンライン会議を駆使した「新しい働き方」を指南します。
台風や感染症発生時の「会議のため出勤」は不要!
近年、大型台風が全国で甚大な被害をもたらしています。テレビでもしきりに「命を守る行動をしてください!」と呼びかけるほどの危険な状態が身に迫ったのです。また、新型コロナウイルス感染症が世界で蔓延し、中国への出張のみならず出勤を抑制する日本企業も現れています。このような自然災害や感染症は今後も続くでしょうし、昨今の状況を考えるとこの先も異常気象は増えていくと思われます。人命救助やインフラ復旧のために出勤しなくてはいけないのは理解できますが、それ以外の目的で開催される社内会議に、命をかけて参加すべきでしょうか?
台風や大雨、大雪などの緊急時は、通常時よりも多くのことを迅速に行わないといけないはずです。このような自然災害によって移動が困難になったり交通網が乱れたりしたときは、チームメンバー全員が安全な場所からオンライン会議に参加することによって、複数人、複数部門による意思決定がいつもどおりに行えます。
オンライン会議が災害時の対応に活躍
オンライン会議は災害時のトラブル対応にも活用できます。たとえば、スマートフォンのカメラを通じて複数拠点のメンバーに映像を共有するといったことも可能です。最新の情報をスムーズかつ確実に共有できれば、スピーディーに正しい初動をとれます。弊社クライアントのある通信会社も、大型台風が関東エリアに上陸した際に通信設備のアラートを検知し、現地にいた新人スタッフがスマートフォンのカメラで映像をオンライン会議で流し、九州にいたベテラン社員の指示を仰いで正しい処置を迅速に行っていました。社員がオンライン会議に慣れていなければ、けっしてこのようなスムーズな対応はできなかったでしょう。
社員が出社しなくても仕事がまわる体制を!
天気予報で大雨や大雪の可能性があるときは、「前日の15時までに対象の社員に通知を出せるかどうか」が事業継続の観点からも重要です。2019年も関東地方に大雪が降り影響が出ました。「夜間の交通網に影響が出る」という予報が出たのを受け、多くの企業があわてて当日の15時に早期帰宅の指示を出していました。ただしそれは自発的な指示ではなく、ある大手商社が15時帰宅を指示したことがニュースで報道されたのを受けて、そのあとを追って出された帰宅指示です。その結果、主要駅は多くの帰宅ビジネスマンで大混雑となり、電車が遅れるほどの大きな影響が出ました。でもこの大雪の予報は、前日、いや前々日と変わってはいなかったのです。つまり、2日前からわかっていたことなのに、まわりの会社が動くまで動けなかったのです。
オンライン会議やビジネスチャットを使いこなし、通常時でもリモートで仕事がこなせる企業は、大雨や大雪でもテレワークで柔軟に対応できます。交通網が乱れたとしても、社内の関係者や顧客とスムーズにコミュニケーションがとれ、ビジネスにもなんら影響を与えません。
柔軟に対応できるこうした体制があれば、自然災害に影響を受けないだけでなく、プラスの効果も得られます。たとえば、緊急時は取引先も困っていることが少なくないので、そのようなときに迅速かつ確実にサポートできれば信頼感は高まるでしょう。その信頼は未来のビジネスにつながるはずです。
大雨の中をずぶ濡れになって取引先を訪問して自らのガッツをアピールするよりも、スピーディーに問題を解決してあげるほうが取引先の助けになるはずです。仮に初訪問の取引先であっても、災害時などはアポイントの約束を延期するようにしましょう。関係構築ができてない状態での約束なので、きっと相手もこちらに気を遣って無理にでも出社してきてしまうからです。
トラブルのときこそ、会社および人の真価が問われます。おそらく今年も来年も大雨や大雪は来るでしょう。自然災害時は自分自身や家族を守り、それでも余裕があれば最低限の業務をこなしつつ、プラスアルファで取引先支援、災害復旧に対応してください。働き方改革で求められるのは、より少ない時間でより多くのことをすることです。ビジネスチャットやオンライン会議を活用すれば、通勤や移動によるリスクを下げられるので、その時間をほかのことに使えます。
COLUMN 裁判所もオンライン会議を利用
2020年1月、東京地裁など複数の裁判所でオンライン会議を活用していくことが発表されました。Teamsを使って、民事訴訟事件の争点を整理したり、当事者が裁判所に出頭できない場合に裁判官と資料を共有したりすることで裁判の期間短縮を狙うというものです。
複数の訴訟関係者が遠隔地からオンライン会議に参加でき、また資料や契約書などを画面共有したり、同時編集機能を用いて資料を共同制作したりすることで、関係者の出張費用の節約も狙っています。
この記事で紹介した書籍ほか

ビジネスチャット時短革命 ―メールは時間泥棒 ― メールを48.6%減らす働き方 (できるビジネス)
- 著:
- 越川慎司
- 出版社:
- インプレス
- 発売日:
- 2020/03/16
- ISBN:
- 9784295008422
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