「ただ休むだけの時間にだって、十分な価値がある」“健やかな毎日”を送るために…!/繊細だけど戦いたいあなたに贈る わくわくする未来をつくるためのお守り言葉①

暮らし

公開日:2020/5/15

自粛続きで心も体も疲れていませんか? 「なんだか辛い…」「わたし、このままで大丈夫?」気持ちが落ち込んだとき、辛くて未来が信じられないとき、心に寄り添い、強さをくれるメッセージを厳選してご紹介! 未来をわくわくさせるためのヒントがたくさん詰まっています。

『繊細だけど戦いたいあなたに贈る わくわくする未来をつくるためのお守り言葉』(はあちゅう/日本文芸社)

ただ休むだけの時間にだって十分な価値がある

 子どもが生まれる少し前から、家事代行サービスを使い始めました。家事をすべてお願いしているわけではなく、数週間に一度来てもらって、水回りやキッチンの整理整頓などを頼んでいます。大晦日にやるのが大掃除、普段の掃除を小掃除とすると、その中間の“中掃除”を頼む感覚です。

 ちょっと前までは「そうやって得た時間で仕事をして稼いで、元を取ればいいじゃん」と考えていました。でも、“元を取る”ってなんだろう……と思うようになったのが最近の変化です。「元を取らなくちゃ」という考えは、強迫観念のようになって、幸せを台無しにしてしまいかねません。

 ビュッフェスタイルの食事では、よく“元を取る”という表現が使われますが、食事で元を取ろうと思ったら、鉄の胃袋を持っていない限り不可能です。

 けれど、ビュッフェで支払う料金は、普段自分では作れないものを少しずつ食べたり、選ぶ楽しみを味わえたりと、食事そのものだけでなく、調理の手間、サービス、雰囲気など、さまざまなものに対しての対価に他なりません。物理的なものだけでなく、心理的な部分も含めると、十分に元を取ることはできているのだと思います。相手の手間暇や技術を考えずに、相手よりも自分のほうが得するようにという考え方は、わびしい考えのような気がします。

 家事代行で得た時間を「支払ったぶん以上に取り戻さなきゃ!」という考え方も、なんだか、自分には合わなくなってきました。得た時間を仕事に使うのももちろん素晴らしい選択だとは思うけれど、買った時間で少し休んでみることも、自分に許してもいいんじゃないか?最近はそんなふうに考えるようになりました。

「働く時間を買うのはいいけれど、休む時間を買うのはダメ!」なんて、誰が決めたわけでもない、自分で勝手に課していたルールです。でも、そんなふうにひたすら生産性を追求した先に何があるのだろう、とちょっと立ち止まって考えるモードになっています。

 “働く時間を買う”のと同じくらい“休む時間を買う”ことにもきっと価値があるはずです。自由な時間を買って、本が1冊読めたなら、それ自体が私にとってお金に換えられない価値になります。

 そんなふうに“自分が休む時間”の価値を認めてあげるほうが、きっと長く健やかに働けると思います。


<第2回に続く>