ギロチンの開発者がギロチンで処刑されたのは本当?/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

ギロチンの開発者がギロチンで処刑されたのは本当?/毎日雑学

 

 身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!

 今回は「ギロチンの由来・語源」ということで、ギロチンにまつわる雑学を紹介します。

 実は「ギロチン」という名称は、人の名前が由来となっているのはご存じだったでしょうか?

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 また、ギロチンを開発した人間は、自ら開発したギロチンによって処刑されたという都市伝説がありますよね。

 実はこの都市伝説はどうやらウソのようで、そもそもギロチンがいつ開発されたものなのか、正式には判明していないのです。

 

ギロチンの由来や語源

 まずは「ギロチン」という名称の語源や由来についてですが、「ジョゼフ・ギヨタン」という人物に関係しています。

 フランス革命当時、ギヨタンは国民議会議員であり、そして医師でもありました。

 ギヨタンはギロチンの開発者だと思われがちですが、処刑方法としてあくまでギロチンを提案しただけであり、開発者ではないんですね。

 ギヨタンの提案によってギロチンが処刑方法に採用されることとなったため、断頭台はギヨチーヌと呼ばれるようになり、ドイツ語読みで「ギロチン」となったのです。

【斬首刑は裕福な人の処刑方法だった 】

 現代ではギロチンはとても残酷に思えてしまい、ギヨタンも冷徹な人間に見えてしまうかもしれません。

 しかし、ギヨタンは医師だったことからもわかるように、決して受刑者を苦しめようとしてギロチンを提案したわけではないのです。

 そもそも、ギロチンが採用される前のフランスでは、平民の処刑方法は絞首刑が一般的でした。

 そして、斬首刑は貴族などの裕福な階級に対して執行されていた刑なのです。

 斬首刑には斧や刀などが用いられていたため、死刑執行人の腕が未熟だった場合、受刑者は死ぬまでに何度も切りつけられて大変苦しい思いをすることになりました。

 そのため、苦痛を与えずに一瞬で斬首刑を執行できる死刑執行人は重宝されていたんですね。

 もちろん死刑執行人を雇うのにもお金が掛かるので、腕の良い死刑執行人を雇って斬首刑を受刑出来るのは、裕福な貴族だけだったのです。

【ギロチンを提案したきっかけ 】

 ギヨタンがギロチンを提案するきっかけとなった出来事は、フランス革命前の1788年のことだったとされています。

 ある日、公開処刑で車裂きの刑が執行されようとした時、受刑者は自分の無実を民衆に向かって必死に訴えました。

 その際に、フランス革命前で不穏な空気が漂っていたことから、民衆が受刑者の必死の訴えに同調した結果、処刑台を破壊して受刑者を逃がすという事件が発生しました。

 

ギロチンの開発者がギロチンで処刑されたのは本当?/毎日雑学

 

 この事件がきっかけとなり、車裂きの刑などの残酷な刑は廃止となって、苦痛を軽減するための処刑方法が求められるようになったのです。

 そこで、ギヨタンは受刑者に無駄な苦痛を与えずに処刑することが出来る処刑方法として、ギロチンを使った処刑方法を提案したんですね。

 ギロチンは死刑執行人の腕も関係がないことから、身分や貧富なども関係なく平等に死刑が執行されるため、正式に採用されることになりました。

【ギロチン以外の名前の候補】

 実は「ギロチン」という名前が決定する前には、様々な名称がありました。

 ギロチンの設計は外科医アントワーヌ・ルイによって行われ、当初この装置の正式名称は「ボワ・ド・ジュスティス(正義の柱)」とされていました。

 その後は設計者であるアントワーヌ・ルイの名前から「ルイゾン」、または女性形の名前である「ルイゼット」などの愛称で呼ばれている時期もありました。

 しかし、最終的にはこの装置の平等性や人道性を広めて、処刑方法として提案したギヨタンの名前が採用されることになりました。

「ギヨタンの子供」という意味から「ギヨティーヌ」と呼ばれるようになり、やがて「ギロチン」となったそうです。

 ちなみに、ギヨタン本人はこれを不名誉だと考えていたことから強く抗議しましたが、結局は「ギロチン」の呼び名で定着することになりました。

 その後、家族はギヨタンという姓を変えて生活を送ったそうです。

 

開発者が処刑された噂は嘘

 ギロチンを開発した人間がギロチンによって処刑されたという都市伝説がありますが、これは嘘になります。

 ギロチンを提案したギヨテンは感染症で亡くなっていますし、設計を担当したアントワーヌ・ルイも自然死しています。

 そもそも、ギロチンという名称が採用される前から、このような斬首刑の装置は存在していました。

 そして、明確にはいつ頃に開発されたものなのかもわかっていないのです。

 そのため、ギロチンの開発者がギロチンで処刑されたという都市伝説は嘘であることがわかります。

 以上が「ギロチンの由来・語源」についてでした。

 

まとめ

 ギロチンの名前の由来となった人物は「ジョゼフ・ギヨタン」という名前の医師である。

 受刑者に苦痛を与えずに、誰もが平等に受刑することが出来る装置として、ギヨタンがギロチンを提案したのが由来となった。

 正式名称は「ボワ・ド・ジュスティス(正義の柱)」だが、結局は平等性と人道性を広めたギヨタンの名前が採用されることになった。

 また、ギロチンの開発者自らがギロチンによって処刑されたという都市伝説があるが、これは嘘の情報である。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

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