肉眼では見えない宇宙の神秘「ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド」/声に出して読みたい理系用語⑨

スポーツ・科学

公開日:2020/6/16

言うだけで気持ちいい! 説明できたらカッコいい! 理系でも全部は知らない、珠玉の用語を集めました。思わず人に話したくなる、カッコイイ理系用語が満載の1冊から、10の言葉を厳選してご紹介します。

『声に出して読みたい理系用語』(信定邦洋/KADOKAWA)

肉眼では見えない宇宙の神秘
ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド

地学
自慢できる度:8

 思わず叫んでみたくなること請け合いです。「ぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざ」みたいな感じですね。

 ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド(hubble eXtreme Deep Field;XDF)とは、地上約600km上空の軌道上を周回するハッブル宇宙望遠鏡を用いた、ろ座(炉座)付近の宇宙深部探査、およびその探査された領域のことをいいます。

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 ろ座およびその周辺は、2002年から2012年までの約10年間をかけて撮影されました。2003年から2004年にかけてハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(HUDF)と呼ばれる探査が行われましたが、XDFはこのHUDFの中心部の狭い領域を撮影し、宝石のように輝く無数の銀河の写真が話題になりました。

 これまで人類が目にしてきた中で、地球から最も離れた宇宙がXDFです。その写真で輝いているのは星ではなく、1つ1つがすべて銀河です。誕生したばかりの若い銀河から132億年前に生まれた古い銀河まで、約5,500個の銀河が写し出されています。最も暗いものは、肉眼で見える明るさの100億分の1の明るさしかないそうです。



<第10回に続く>