職場でも家庭でも、あらゆる場面で絶大な効果! 周囲が自然と味方になる「笑顔」の大切さ/神トーーク④

ビジネス

公開日:2020/6/16

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『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(星渉/KADOKAWA)

周囲が自然と味方になる「笑顔で反応する」練習

 私たち人間は、基本的には「外部からの刺激」により「感情」が生まれるというメカニズムを持っています。

 そして、私たちが受ける外部からの刺激でもっとも比重が大きいのが「視覚からの情報」になります。視覚から得られる情報量の割合は約87%と言われています。

 つまり、私たちの感情は「目に見えるもの」によって左右されるのです。

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 かわいい動物や赤ちゃんを見るとどこか優しい気持ちになり、殺人事件などのニュースの映像を見ると悲しい気持ちや、暗い気持ちになります。何を目にするかによって、私たちの感情は変化しています。

 このことを“人間関係”に置き換えるとどうでしょうか?

「何を目にするか」で抱く感情が変わるのであれば「相手に何を見せるか」で相手の感情が変わる。そう、相手に見せるものとして重要になるのは「あなたの表情」です。

 人と話をしている時に、あなたはどんな表情をしているでしょうか?

 人から話しかけられた時、あなたはどんな表情で対応していますか?

 どんな表情をして職場を歩いていたり、デスクワークをしているでしょうか?

 当然、「いつも不機嫌な表情」をしている人には安心感を覚えることはありません。

 飲食店に入って注文をする際も、店員さんが笑顔で注文を聞いてくれるのと、無表情で注文を聞いてくれるのとでは、あなたの抱く感情は違うはずです。

 洋服を買った時に、笑顔で「ありがとうございました」と言われるのと、無表情で言われるのとでは、その人に抱く印象も違うはずです。

 人は何を目にするかで感情が変わる。

 人は「どんな表情」を目にするかでその人への印象が変わる。

 指摘されれば当たり前のことですが、そこまで気が回らない人がほとんどなのです。

 さて、ここで1つあなたに正直に考えてもらいたいことがあります。

【質問】  あなたが「もっと自分の表情に気をつけるべき」なのは、日常のどんな場面でしょうか? 書き出してみてください。

 

 たとえば、上司やお客様と話している時には表情に気を配っていたとしても、その他の日常ではどうでしょうか?

 特定の時にしか表情に気を配っていないのであれば、あなたに対する周りからの印象は「人によって態度を変える人」になってしまいます。「話を聞くに値する振る舞いをする人」からは、大きくかけ離れてしまいます。

 答えの書き方としては、「こんな場面ではこんな表情になっているかもしれない。こういう表情にするように意識しよう」という感じで大丈夫です。

 たとえば、職場で忙しい時に話しかけられると、邪魔されたくないから「何?」とぶっきらぼうに反応して無表情気味かもしれない。でも明日からは、「何?」とセットで必ず笑顔を作る、といった感じです。

「自分の日常での表情は大丈夫だろうか?」と不安になってきた人もいるかもしれません。表情がもたらす印象は職場だけに限らず、恋愛、家族関係、友人関係など、すべての場面で効果を発揮します。

 自分自身の印象や評価を上げる方法はたくさんありますが、その中でも表情、特に「笑顔」の効果は絶大です。

 なぜなら、「笑顔」は相手の警戒心を解き、「安心感」を与えるからです。

 比較行動学者のイレネウス・アイブル=アイベスフェルトは、人間の「挨拶」の役割について調査をしたことで有名です。

 アイベスフェルトは、インドネシアのバリ島に住む先住民、パプア人、ワイカ族のインディオなど、文化も宗教も異なるさまざまな人々の「挨拶行動」を観察しました。彼らは「握手」や「ハグ」など、各々の人種や文化、風習等によって形成された独自の挨拶の形を持っていました。

 しかし、そこにはある共通点があることを発見したのです。

 その共通点とは「誰かに出会った際、お互いに見つめ合ってから約0.2秒ほど眉を上げて、その後に微笑む」ということでした。アイベスフェルトは「微笑む」という行為が緊張を解き、互いの攻撃性を弱めることに役立っていると結論づけています。

「挨拶」=「出会いがしらに相手に対して笑顔を見せる」ことは、「私はあなたにとって友好的な存在である」という意思表示であり、安心感を与える役割を担っているわけです。

 逆に、笑顔で始まらないコミュニケーションは、相手に対して不必要な不安や警戒心を与えてしまいます。

 まずは「笑顔」。口角を上げた笑顔は相手に安心感を与えて、あなたのもとに人を集めてくれるのです。

人の心を動かす「神トレ」

1日に5回、意識して笑顔で反応しよう。職場で声をかけられた時、自宅で家族から呼ばれた時、カフェで注文したものを受け取る時……繰り返すことで、意識しなくても笑顔で反応する習慣が身につき、あなたは「自然と応援される安心感」を与えられる人に変わっていきます。

<第5回に続く>