小手先のメソッドは、何をしても痩せなかったデブには必要ない。脂肪の中に隠された「真の敵」をあぶりだせ/痩せない豚は幻想を捨てろ①

健康・美容

公開日:2020/6/19

数々のダイエットで挫折してきたダイエット難民たちへ。ブログとTwitterで話題のテキーラ村上による「テキ村式ダイエット」のすべてがここに! 『痩せない豚は幻想を捨てろ』より、テキーラ村上の魂がこもったダイエットメンタル強化法を紹介します。

『痩せない豚は幻想を捨てろ』(テキーラ村上/KADOKAWA)

はじめに

 こんなタイトルの本書を開いたという事は、お前らはこれまでも幾度となく様々なダイエット法に踊らされ、そして挫折し、金と時間だけがなくなり、その割にはなぜか一向に減らないどころか、むしろ増える脂肪に頭を抱えてきた事だろうと思う。

 これまで俺はブログを通して、痩せたいとは思っているのに痩せる事ができない数多くのデブを葬り去ってきた。しかもただのデブではない、俺が闘ってきたのは百戦錬磨のデブ、デブの中の選ばれしデブ、いわばデブのプロフェッショナルだ。

 俺はテキーラ村上、略して「テキ村」と呼ばれ、俺の提唱するダイエットメソッドはいつからか「テキ村式ダイエット」としてインターネット上で広まるようになった。そして独自のダイエット論をブログに書き殴っては、脂肪に悩む日本の老若男女からニューヨーカー、果てはサバンナの先住民に至るまで、人種の壁を超えて世界中のデブの脂肪という脂肪を焼き払ってきた。

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 …既にダイエットに多大なる時間と労力を費やし一刻を争うお前らのために、前置きはこれくらいにして、単刀直入に言おう。

 甘いんだよ。激甘。

 お前のスイーツな考えはキャラメルフラペチーノの上澄みを超える甘さかもしれん。

 しかし安心してほしい。本書を読み終える頃、お前は人生史上最も痩せる事となるだろう。しかも、それが最後のダイエットとなる。割とマジで。

 本書を読んだが最後、泣いてハンカチを振りながら脂肪に別れをつげることになるし、「ダイエットは明日から」が毎日の口癖だったお前は、数週間後には「ダイエット中にポテチ? ないない、あり得ない。痩せたいのにポテチ食べるとか、基本的に甘すぎるのよね、頭の中に角砂糖かなんかが詰まってるのかしら」と言い放っていることも間違いない。

「一体、どんなダイエット法が書いてあるんだろう? ワクワクする!」だと?

 いや、むしろ本書に「最新のダイエットメソッド」や「究極のラク痩せ、七つの法則」「海外で人気沸騰! 〇〇するだけでみるみる痩せるダイエット」などという、クソの役にも立たない夢物語が書き連なっている事を期待しているのなら、今すぐ本書を棚に戻し、ダイエットコーナーに毎年山のように並べられるいかにも新しげな、魔法のような、バカみたいにラクそうで、運動もいらない、我慢もいらない、めくるめく夢のダイエット本の類いを買ってポテチでも食いながら読んでいてほしい。

 お前にはこの本よりも期待に沿える本があるだろうし、この本にはそのような斬新なダイエット手法は一切書いていない。なにより大切な金と時間を無駄にするのはよろしくない。

 ここに書かれているのは、俺の体験に基づく実に泥くさい「ダイエットのリアル」、ただそれだけである。ダイエットに失敗してきた人間が最も目を背け、最も距離を置いてきた「真実」が書いてある。

 これから俺と歩み進めるダイエットの道は、ただの汗と涙のいばらの道である。巷で流行るいかにもラクそうなダイエットのうたい文句とは180度かけ離れた内容だ。

 本書は、「ダイエットに失敗し続けてきた人間が、いかに確実に痩せるか」、その一点だけにフォーカスされ書かれている。

 そろそろ、目を覚まして頂きたい。

 いいか、自撮りで顔がシャープに見える角度を延々と探している場合ではないんだよ。ついに現実と向き合う日がきた。長年にわたって蓄積してきたお前の脂肪を本気で葬り去ろうという上で、巷にありがちな甘い幻想やファンタジックなお話は一切登場しない。

 食事制限下に置かれたデブは、全裸で寝そべった明日花キララを目の前にした童貞中学生と同じ状態なのだ。

 砂糖をドッサリ使ったお菓子やパン、脂質と糖質たっぷりの弁当、運動いらずで2カ月で10キロ痩せるサプリ広告、などに誘惑される毎日。日々その凶悪すぎる誘惑に打ち勝つのは、当然のごとく容易なことじゃない。

「なーんだ、何か新しいダイエット方法かと思って期待しちゃった。新しいものが書いてないなら、そんな本読む価値ないじゃん」

 とか言うデブの鑑みたいなヤツいるじゃん。そんなに新しいモノが好きなら穿くだけで痩せるタイツで首を絞めあげた後に水素水で水責めするから名乗り出てほしい。

 いいだろうか、「ダイエットメソッドは今までの常識を覆す、新しい切り口で、魔法のようで、そして斬新でなければ読む価値はない」と思っているデブを極めし者こそ、この本を読むべきだ。

 むしろお前だけのためにこの本を書き上げたと言っても過言ではない。ぜひ読んでほしい。いや、読め。読むというまで俺は永遠にこの書棚でお前を待つ。俺にはなんとしても、お前にこの本を読ませる義務がある。

 その代わり、どんなダイエットサプリよりも効く「痩せメンタル」を授ける事を約束する。そして、長らく苦楽を共にしてきたぶ厚い脂肪たちに線香を送り、喪に服すこととなる。もうSNSで、夜な夜なアゴのラインが細く見える絶妙な角度を探し出し、やっと撮れた奇跡の一枚で自分を偽る必要もなくなる。

 俺は知っている。

 デブの脂肪の下には大きな可能性が隠されている事を、俺は知っている。

 そして、その脂肪を減らすためにお前が何度も重い腰を上げようとしては「やっぱ明日からがんばろ。」の一言で片付け、またやる気が出るのを待つ、というお決まりのルーティンをうんざりするほど何百回と繰り返してきたことも、知っている。

 脂肪の中から掘り起こされた真の魅力は、お前ら自身の想像をはるかに超えた可能性を秘めている。それはただ単に「着たかった服が着られるようになった! ハッピー!」だけでは済まず、人生すら変える恐れがある。

 そして日本全国に散らばる屈強なブログ読者たちは、既にデブからメリハリボディへと変貌し自分の新たな人生を謳歌している(彼女らのビフォーアフターについては各種SNSで今この瞬間も投稿されまくっているので、本書を読破した後はただちにツイッターやインスタグラム等にて「#テキ村式ダイエット」で検索頂きたい)。

 ダイエットは、考え方で成否が80%決まる。

 書店やメディアに溢れかえる「○○を食べると痩せる」「毎日1分間だけ○○をすれば痩せる」「私は〇〇を実践して痩せた」、など、一部分だけを切り取った知識はダイエットにおいて意味を持たない(ごく少数を除いた、おおむねは)。

 存在しない「自分に合うダイエット方法」を探して右往左往し続けてきたお前たちには、本書が主題としているたった一つの事を実践してもらえればいい。

 それは、ダイエットの幻想を捨て、リアルと向き合う事である。

 お前らは早く痩せたいがために、小手先のダイエットメソッドに走りすぎる。小手先のメソッドは、何をしても痩せなかったデブには必要ない。それが必要となるのはダイエットの終盤、最後に残ったしぶとい脂肪を絞る時だけである。

「そんな事言われても、ずっとこの脳みそで生きてきたんだから私は簡単には変わらないよ。実際、いつもやる気なんか一時的で最初だけだし。もうダイエットなんか期待してないの。また挫折するのはコリゴリなの」だと?

 お前は、ナメとんのか。このテキ村を。

 俺は例えるならば、デブのチャンピオンズリーグで勝ち続けてきた歴戦のデブたちを瞬殺してきた男だ。せいぜい地区予選一位程度のデブであるお前ごときの脂肪を消し去る事なんか、お安い御用以外の何物でもないわ。

 俺はデブの全てを理解した上で、第一章では「食欲に簡単に打ち勝つ方法」や「デブであるが故のメンタルをたたき直す方法」、第二章では「デブから脱出する食事」、第三章では脂肪にトドメを刺す「運動編」、第四章では「体形別デブ攻略編・完全版」について書き上げた。

 どんなダイエットのやり方を真似ても失敗し続けてきた人間は、痩せない根本的な原因を知らない。

 すなわち、見えない敵と戦っている状態である。真の敵は、お菓子でもラーメンでもなく、お前の心の中にいる。その敵を、俺があぶり出す。

 俺と道を歩み進める中、「もうイヤだ」と逃げたくなることもあるだろう。それでも俺はお前のデカケツをたたく手を止める気は一切ない。お前に隠された「可能性」を現実のものとするために。

<第2回に続く>