問題はあまりにも炭水化物を摂りすぎること。自分に合った量を見つけて糖質制限せよ/痩せない豚は幻想を捨てろ⑧

健康・美容

公開日:2020/6/26

数々のダイエットで挫折してきたダイエット難民たちへ。ブログとTwitterで話題のテキーラ村上による「テキ村式ダイエット」のすべてがここに! 『痩せない豚は幻想を捨てろ』より、テキーラ村上の魂がこもったダイエットメンタル強化法を紹介します。

『痩せない豚は幻想を捨てろ』(テキーラ村上/KADOKAWA)

糖質制限か、脂質制限か、食事はこの二つだけで痩せる

 いよいよ実際に食事を減らす。ここからは本当に、びっくりするぐらい腹が減る。ワクワクしてきたな。

 食事制限のやり方はたった二つ、糖質制限・脂質制限。食事制限から永遠に目を背け続けてきた人間にとって、必要な事はこれ以外にない。この2つからどちらかを選ぶ、それだけでお前は確実に痩せる。ただし低糖質にするにしても、ただやるのではなく、コツがある。

少量の炭水化物(糖質)を食べる

 1つ目の食事制限法、それが糖質制限だ。具体的には炭水化物を制限してもらう。基本、主食は低糖質のものがメインとなる。パンなら低糖パン、米なら雑穀米などだ。麺なら最近だと糖質ゼロ麺などもある。

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 低糖質食がうまいかだって? そんな分かりきった事聞くな、マズイに決まってる。もしもこの世にデブ飯と同じくらいうまい低糖質食があったら、俺の本なんか出版されていない。

 かといって、炭水化物を全く食べないのもまた問題だ。

 なぜならタンパク質と同じように、炭水化物もまた筋肉の維持には欠かせないからである。ダイエットをトレーニングと並行して行う場合、筋肉を収縮させるエネルギー・筋グリコーゲンとして筋肉に必要となるため更に重要となる。

 糖質とはすなわち炭水化物だが、炭水化物を全く食べないと人間に必要な最低限のエネルギーを補充できない。それに加え、ダイエット中においての炭水化物は満腹感をもたらしてくれる。

 そこで、少量の炭水化物を食べる。

 また、前提として理解しておいてほしいが、「炭水化物」とは「糖質」+「食物繊維」で構成されている。本書で言う「炭水化物」は糖質の事を指していると思ってもらって構わない。

 しかしながら、デブたちは炭水化物をあまりにも食い過ぎる。デブの腹八分目は、常人の満腹以上である。デブが満腹なら常人は爆発している。炭水化物は全く取らないのはNGだが、取りすぎはもっとNGである。

 炭水化物を食べると、体内に糖が吸収され血糖値が上がる。血糖値が上がると「インスリン」という物質が分泌される。このインスリンがデブの元凶である。

 このインスリンは、糖が血中に溶けてくると、血糖値を下げるために「糖を別のものに変換しなければならない」と考える。結論から言うと、脂肪に変換される。食べた糖は脂肪へと変換され、大量に糖を食べると細胞へどんどん脂肪を構築していくのだ。

 血糖値を抑えるためには、炭水化物はごく少量でいい。炭水化物を減らせば少なからず筋肉の減少も起こるだろうが、少量にしないと、そもそも痩せない。

 具体的に本書が提案する糖質量としては、減量期間中なら女性の場合1日100グラムほどだ。これは炊いた白米であれば軽く盛った茶碗2杯分ほどに相当する。玄米ならば白米より糖質量は減るので少し多く食べられる。男性なら1日120グラムだ。

 1日80グラム(白米なら茶碗1杯半)まで制限すればかなりスピーディに痩せる事ができる。例えば1日3食のうち、1食から完全に糖質を抜いてしまうのもアリだろう。これでもかなり辛いが、アスリートやトレーニーは1日40グラム、またはそれ以下まで制限する人もいる。ここまでくると、いよいよ野菜や調味料の糖質にまで気を使う必要が出てくるが、脂肪の減り方も尋常ではない。

 このように糖質制限をする場合、肉や魚等の脂質はよほど脂っこくない限り普通に食べても問題はないので、オカズは普通においしいものが食べられる。

 なので、焼き肉はたまにならOKだ。揚げ物だって時には食べられる。チキンならむしろ良い。ラーメンはダメ。丼系もダメ。急にやれと言われてできる者も少ないと思う。徐々にでいい。徐々に、焦らず、食事を減らしてゆく。

 なお、ダイエットの期間に余裕があるという者は上記の糖質量よりも多少オーバーしてもゆっくり痩せる事はできるだろう。1日の糖質摂取量は無理なく継続でき、なおかつ脂肪が減るのも体感できる、自分に合った量を見つけるのが重要だ。

 ここで一つ忠告しておくが、くれぐれも糖質制限中には用もないのにコンビニの菓子パンコーナーへ行かない事。さもなくば、脳の食欲を感じる部分がヤバイ分泌物か何かを大量に放出し頭がおかしくなりそうになる。正気を保てという方がおかしい。この時ばかりは自制できる者も少ない。ならば最初から不用意に足を踏み入れないこと。

 しかし上記のように糖質を制限しても痩せない人がいる。それは多くの場合、制限しているつもりでも糖質量を間違えて食べ過ぎている場合、糖質は制限できているが脂質を取り過ぎてカロリー過多になっている場合や、停滞期によって体重が落ちない等考えられるが、そもそもその量まで抑えても痩せない人もいるかもしれない。

 それはダイエットに失敗したという事ではなく、「まだ自分の脂肪が落ちるレベルの食事制限に達していない」という脂肪の損益分岐点を発見できたという事なのである。

 ならば次は更に少しずつ制限するだけのことである。つまり、着実にステップを進めている。炭水化物は人によって適正量が異なるため、試行錯誤を繰り返して自分に合った量を調整せよ。炭水化物は食べなさすぎるのも、食べ過ぎるのもまたNGな、非常に気難しい栄養素なのだ。

 ちなみに全く糖質を摂取しない生活を一定期間続けると「ケトン体」と呼ばれる、糖に代替するエネルギーを作り出せるようになる。これを利用した「ケトジェニックダイエット」という方法も存在するが、ハード過ぎる&栄養管理にかなり気を使うためダイエット入門者向けの本書では省く。

<第9回に続く>