女友達のエッチなチョッカイが止まらない! 一線越えたらそこで終わりとわかっているけれど…!?

マンガ

公開日:2020/6/12

サバエとヤッたら終わる
『サバエとヤッたら終わる』(早坂啓吾/新潮社)

 このマンガを読んでいて思った。「遠い憧れの美人より、近くにいる仲のいい女友達」のほうが大事なんじゃないか? と。でも、そうは単純に割り切れないのが青春時代の恋なのだろう。「恋は盲目」というが、こういう状況はだいたい大人になってから気づくのだ。あるいは、幼なじみ同士の男女がそのまま恋人同士になって純粋に恋が育まれ結婚するパターンもあるかもしれない。あー、イイ青春だな! 羨ましいな! ――ゴホン、取り乱しました。

 さて、高嶺の花のような清純系じゃなく、学校でも下校時にも一緒にいてくれるような仲のいい女友達が、自分に“エッチなチョッカイ”を出してきたらどうするだろう? しかも自分には現在片想い中の憧れの女性がいるとしたら…。「友情 or 欲情」、あなたの心は一体どっちに傾く? 恋に奥手な男子大学生の理性が揺さぶられるキャンパスライフを描いた、早坂啓吾先生の『サバエとヤッたら終わる』(新潮社)をご紹介したい。

片想いを貫く? それともエッチなチョッカイに応じちゃう?

 どんな会話も気軽に交わせる、仲のいい友人同士の男子大学生・宇治くんと女子大学生・サバエさん。彼らの話のテーマは、下ネタへ広がることも日常茶飯事。仲がいいとはいえ男女という間柄、なんだか変な雰囲気に突入することも…なくはない。

 そう感じた宇治くんに対して、サバエさんは察していながらもわざとエッチな雰囲気を醸し出してくる! ちなみに宇治くんは、同じサークルに所属する桜井さんに片想い中なのだが、その桜井さんはサバエさんの親友である。もし宇治くんとサバエさんに何かあったら、桜井さんにも情報ダダ漏れの可能性がある。つまり、「サバエさんに手を出したら、桜井さんとの恋は終わる」のだ。

 果たして、サバエさんからの“エッチなチョッカイ”に宇治くんの理性は勝てるのか。恋とエロに挟まれた困惑連発のコメディだ。

 正直なところ、サバエさんは宇治くんの生態をよくわかっていると私は読んでいる。「宇治くんから迫ってくることはない…」と確信しているハズだ。だからこそ、冗談交じりのエッチなチョッカイを出しては楽しんでいるところがたくさん見受けられる。下ネタや恋の話など、普段から気兼ねなく接してくるサバエさん。一方で、突然サバエさんの“女子っぽい部分”をみせて動揺させるあたり、宇治くんのココロを巧く転がす技は、まるで職人の域だ!

 居酒屋でのサシ飲みで、密室2人きり状態のカラオケで、帰り道の公園で…宇治くんの中で次々と迫りくる“友情と欲情の心理バトル”の行方に目が離せない。


 ここまで読んで、賢い皆さんはすでにお気づきだろうと思うが、サバエさんに“エロからかわれる”宇治くんは、チョロい。それだけ、宇治くんはこういうことに関してはピュアなのだ。もし宇治くんを自分に置き換えてみたら、自分も心が揺さぶられるかもしれない(私もピュアだからかな…?)。普段会話する時は男子っぽく、ときにはオッサンのようなキャラクターで接してくるサバエさん、見た目も無邪気で可愛いからこそ、突然の女子モード発動での誘惑には、読者の心もヤラれちゃいそうだ!

 下ネタを話しながらの胸の谷間チラ見せ、会話中の何気ないカラダ密着、そして彼だけにみせる一面…宇治くん、もう対応しきれません! 「このままの流れで、もしかしたらサバエさんといい感じになれるかも」と邪な期待をもつのもわかります。

 仲がいいから成せる、ナイスコンビというよりも、ナイスカップルの2人。果たして宇治くんは、桜井さんへ恋する気持ちをキープできるのか、はたまた目の前の欲情に心奪われてしまうのか…!? サバエさんのドキドキさせる大胆行動やセリフの数々、そして理性爆発寸前の宇治くんのリアクションをぜひ楽しんで悶絶してください!

文・手書きPOP=はりまりょう