ルビーとサファイアは実は同じ石! 2つの宝石を分けるのはなんと不純物だった/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

ルビーとサファイアは実は同じ石! 2つの宝石を分けるのはなんと不純物だった/毎日雑学

 

 今回は「ルビーとサファイアの違い」ということで、宝石にまつわる雑学を紹介します。

 宝石には様々な種類のものがありますが、ルビーとサファイアは色が違うだけで見た目が非常に似ていますよね。実はルビーとサファイアについては、どちらも同じ鉱物から作られているのです。

 それでは、同じ鉱物から作られているのに、何の違いによって「ルビー」や「サファイア」を区別しているのでしょうか?

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ルビーとサファイアの違いとは?

 それではさっそくルビーとサファイアの違いについて解説していきます。冒頭でも簡単に触れましたが、実はルビーとサファイアは「コランダム」と呼ばれる同じ鉱物から作られています。

【コランダムとは? 】

 コランダムは日本語で「鋼玉(こうぎょく)」とも呼ばれている酸化アルミニウムの結晶で構成された鉱物です。元々は無色透明の結晶ですが、結晶が成長していく過程で不純物が混ざると色が付き、ルビーやサファイアとなります。

 天然のコランダムの中でも特に美しいものは、他の鉱物と同様に「宝石」や「貴石」として用いられます。また、コランダムで特徴的なのは「硬度」であり、ダイヤモンドに次ぐ硬度を誇っていることで有名です。

 そのため「コランダム」という名称に耳馴染みはないかもしれませんが、実は身の回りにあるものに利用されていたりします。

 例えば、皆さんが普段からしている腕時計の風防(ガラス)はとても丈夫で傷つきづらくなっていますよね。それはコランダムが使用されているからであり、他にもレコードの針であったり、固体レーザー、精密器械の軸受などにも利用されています。また、他の鉱物より硬いことから、コランダムより柔らかい鉱物の研磨などにも利用されています。

ルビーとは?

 続いては「ルビー」について解説していきます。

 ルビーは日本語で「紅玉」とも呼ばれ、コランダムにクロムイオンが混ざることによって赤色となったものです。コランダムの一部分がクロムイオンになったことにより、他の色が吸収されて、赤色だけを反射するようになることから、赤色に見えているんですね。

 通常、コランダムにクロムが混入すると、結晶の成長が妨げられるようになることから、大きなルビーは産出されづらくなり、そのため希少価値が高くなります。

 また、ルビーの産地に関してはアジアを中心に偏っており、美しいルビーを採掘できる地域についても限られているため、他の宝石に比べて価値が高いのです。主な産出地はベトナム、カンボジア、ミャンマー、タンザニア、スリランカ、タイなどの国々で、欧米などでは採掘することが出来ません。これらの国の中でもミャンマーで採掘されるルビーは「ハトの血」と呼ばれ、ルビーの中でも最高級のルビーといわれています。

 ちなみに、ルビーは7月の誕生石であり、石言葉は「熱情・情熱・純愛・仁愛・勇気・仁徳」です。「ルビー」という言葉自体は、ラテン語の「ルベウス(rubeus) 」が語源となっており「赤」を意味する言葉です。

サファイアとは?

ルビーとサファイアは実は同じ石! 2つの宝石を分けるのはなんと不純物だった/毎日雑学

 

 続いては「サファイア」について解説していきます。

 サファイアは日本語で「青玉(せいぎょく)」と呼ばれ、コランダムに鉄やチタンなどの不純物が混ざることによって作られます。サファイアといえば青色の宝石を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は赤色以外のコランダムの変種は全てサファイアなのです。

 また、工業用に作られた無色透明のコランダムのことを「サファイアガラス」と呼ぶことがあります。サファイアガラスはその丈夫さから、最近ではiPhoneのカメラレンズの保護に使われたり、望遠鏡などにも利用されています。

 主な産出地はルビーと一緒ですが、カシミール産のものはコーンフラワーブルーと呼ばれ、その美しさから最高級のサファイアとして知られています。また、ミャンマーで産出されるロイヤルブルーと呼ばれるものも、他のサファイアと比べて深い青色をしていることが特徴であり、希少価値の高いサファイアです。

 ちなみに、サファイアは9月の誕生石であり、石言葉は「慈愛、誠実、貞操、高潔、徳望、崇高、深い海、心の成長」です。「サファイア」という言葉は、ラテン語の「サフィルス(sapphirus)」が語源となっており「青」を意味する言葉です。

 以上がルビーとサファイアの違いについてでした。

まとめ

 ルビーとサファイアはどちらも「コランダム」という鉱物から出来ており、コランダムは日本では「鋼玉(こうぎょく)」と呼ばれている。

 純粋なコランダムは無色透明となっているが、不純物が入ることによって色が付き、ルビーやサファイアとなる。

 ルビーはコランダムの変種であり、赤色になったコランダムのことを「ルビー」と呼ぶ。

 サファイアもコランダムの変種であり、青色だけではなく、赤色以外の全ての色のものを「サファイア」と呼ぶ。

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