『週刊ツリメ』「Black Lives Matter」

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公開日:2020/6/19

 日本人の僕は世界の人々から見ると、黄色人種に当たる。ツリメ、23年の歴史で差別を受けた事はない。アメリカには何度か旅行で行った事はある。その時はUber(乗車アプリ)を利用して国内を移動していた。運転手さんがマイケルジャクソンのBlack Or Whiteを流していたので、ふにゃふにゃな発音で「I know!」って言ったのよ。そこからバコンっと盛り上がって最高の時間を過ごした。

 ただ全ての人がそうではないし、もしかしたら街中やレストランの影で言われていたかも知れない。幸いな事に英語のリスニング能力が皆無だったのが幸運だった。そのお陰で傷つかなく済んだ。

 5月25日にアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に約9分も膝で首を押さえつけられて亡くなった事件があった。ご冥福をお祈りいたします。通行人がその状況を撮影した動画が世界中に拡散されたが、見るに堪えない光景だった。その映像をきっかけにBlack Lives Matter(黒人の命を守れ)を揚げた人種差別への抗議デモがアメリカを中心とし、世界中で起きている。

 このデモには怒りの感情をとても感じる。みんな怒っている。

 何に対してか? アメリカ警察の一部の者による残虐行為、刑事司法制度、国に対してだ。歴史を辿ると数百年以上前にあった奴隷制(白人の管理下に置く事)から始まっていると思う。要はごく一部の白人が黒人を下に位置付けてきたのだ。そしてその名残が現代にもあり、経済面、教育等に格差も生まれてしまったのではないかな。

 この島国で生まれ、埼玉の端で育ち、山に囲まれ生活していたツリメは他国の人と会話する機会が滅多に無い。小、中どっちか忘れてしまったが、記憶を辿ると学校の英会話授業で先生と話したのが最初だった。彼女は黒人だ。自分とは肌、言語、文化が異なる事からくる違和感。距離感を掴めず、幼い頃の僕は微々たる怖さを感じた。

 僕は日本人として生まれ、日本人に囲まれ、彼らに親近感を抱いている。そこに他の人種が入ろうとすると少なからず警戒をしてしまう。結局の所、接触しないと分からない事が沢山ある。先生はとても優しい人で笑顔がとても素敵な人だった。

 日本人の僕が黒人に対する人種差別を調べ、今の状況を知っただけで彼らの長年の痛みなんて知れる筈がない。間接的になのだが、自分が人種差別を初めて体感したのは、2011年にサッカーのアジアカップ準決勝「日本対韓国」で起きたある選手の行動だ。韓国の選手が点を入れた後のゴールパフォーマンスを観た時だ。彼はテレビカメラに向かって下唇を出し、頬を掻いていた、猿の真似をするパフォーマンスをしたのだ。まぁ気持ち良くないよね。大嫌いなパクチーを無理矢理食わされた気分。

 でもそれぐらいなのだ。肌が黄色っていうだけで日本国内ならば人種差別を受ける事すら滅多にないだろう。けれども他人事では無い気もしている。読者の大半はアジア系の人だ。海外に行けば我々は外国人であって偏見や差別を受ける対象になる。

 この機会にというと不謹慎とか亡くなった方に失礼とヤジを受けるかも知れないが、現状について、その原因や問題の根本を知る事で人種差別をなくそうとする意欲を持つ事ができるかも知れない。いつの日か僕達が差別を受けるかも知れない。暴動を起こさず、正しい抗議をする為に。

執筆者プロフィール
ツリメ(byアバンティーズ)
埼玉県出身、年齢は23歳。チャンネル登録者数160万人超の人気グループ「アバンティーズ」のメンバー。
絵心はないがイラストを描くのが趣味で、メンバーからは「画伯」と呼ばれている。
ツイッター:@turime1996
インスタグラム:turime1996
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