22時を過ぎても人が多い/SE女子の日常

ビジネス

2020/7/6

SE女子の日常(1) (グッドバイブス eBooks)

著:
出版社:
グッドバイブス eBooks
発売日:

 SEといえば、残業が多くなりがちな職種です。漫画家ぞえさんも、かつてSEだった会社員時代、残業が常態化する環境に身を置いた経験を持つ1人。当時の状況や心境について教えてもらいました。

 

22時を過ぎても人が多い/SE女子の日常

 

 日々残業するのが当たり前、納期に間に合わなければ土曜出勤もあり、GWやお盆、年末年始などの長期休暇も仕事……。

 数年前の話ですが、私も本来ならば8連休のGWに、2日ほど出勤したことがあります。

 私は会社を辞める前の2年間はほぼ定時で帰っていましたが、私と同じように定時で帰る人はほとんどいませんでした。

 毎週水曜日と勤怠の締め日、そして給料日はいわゆる「ノー残業デー」で、定時退社が推奨されており、その日は定時で帰る人は多かったです。

 しかし、「ノー残業デー」以外は定時で帰る人は少なく、22時まで仕事をしている人も少なからずいました。

「蛍の光」にも無反応

 私のいた事業所では、21時45分に「そろそろ帰ってね」という旨の放送が流れ、22時になると「蛍の光」が流れていました。「いい加減帰れ」という圧力なのでしょう。

 しかし、毎日流れるソレは「毎日」残業していれば当たり前になってしまいます。

 長時間残業が続く中、いつしか「蛍の光」は「もう22時か……」と時間を自覚する時報代わりになっていました。

 いくら残業が当たり前でも、24時までに退社するのが基本でした。24時を過ぎて残業する場合は、建物の警備の人に連絡をしなければならない、という決まりがありました。

 その申請が必要にならないよう、24時までには帰るのです。

 マイカー通勤(もしくは徒歩)が多い職場だったため、電車の時間を気にしている人はあまりいませんでした。

 24時帰りが当たり前になると、22時退社でも「早い!」と感じていました。完全に感覚がおかしくなっていました。

 全然早くないからね……。

 

22時を過ぎても人が多い/SE女子の日常
絵:ぞえ

 

ゴールなしの残業に疑問を覚えるようになった

 一度、深夜2時まで残業をしたときにはさすがに「私は一体何をやってるんだろう……」と我に返りました。

 次の日も朝9時から仕事です。

 いくら家が近く、徒歩15分で帰れる距離とはいえ、2時に退社してお風呂に入って寝て、起きて身支度をして、となると睡眠時間が足りません。

 睡眠不足で明日の仕事をする羽目になります。日付が変わってから2時間も経っている。

 こんなにも身を削ってまで、私は何をやっているんだろう。こんなにも身を削ってまでする仕事なんて、この世の中にあるのだろうか。

 たかだか社会人3年目の私がちょっと早く帰ろうが、プロジェクトの進捗には影響ないんじゃなかろうか。

 2時近くを示す時計を眺めながら、そんなことを考えていました。

 しかも結局、不具合解析のために深夜2時まで粘ったものの、次の日出社したらあっさり解決したのです。

 粘った時間は一体……。深夜2時まで粘った意味とは一体……。

 あっさり解決したのはたまたまかもしれません。しかし、それでも考えてしまいます。

 その日を境に、「ゴールを決めずに残業すること」に疑問を覚えるようになりました。

 そりゃ確かに、当時は納期は迫っていたし、それなのにバグは出続けるし、すぐ解決できるようなバグではないし、終わりが見えない状況ではありました。

 しかし、時間には限りがあり、私たちの体力にも限りがあります。

 22〜24時帰りを毎日続け、土曜日も出勤となると、休む暇もありません。

 「踏ん張りどころだから」「尊敬する上司のためにも」と頑張りましたが、あと半年長く続けていては身体を壊したでしょう。身を壊しては、元も子もありません。

 長時間残業が常態化している中でも定時で帰ることはできますが、結局、在職中に価値観の違い、違和感を払拭することはできませんでした。

 あの職場を経験していれば大体の職場でやっていけるだろうな、とは思います。

 もちろん、経験しないほうがよいのですが……。

ぞえ

この記事で紹介した書籍ほか

SE女子の日常(1) (グッドバイブス eBooks)

著:
出版社:
グッドバイブス eBooks
発売日:

ぞえ

週3勤務でシステムエンジニア、残りは漫画家・イラストレーターとして働いていた元・パラレルワーカー。2019年1月よりフリーランスに。体力がなく、疲れやすい自分でも好きなことをするための方法を探求している。2020年4月に『SE女子の日常』(ふりにちブックス)を刊行。

Blog:「ふりにち」