「30歳で年収1000万円」を達成したmotoさんによる自分の市場価値のつくり方【後編】/あの人の仕事論⑧

ビジネス

公開日:2020/7/10

自分らしく働き、時代の第一線を行くトップランナーたち。彼らはどんな風にして今のキャリアを手にしたか。ときには挫折も経験しながら、紆余曲折を経て現在のポジションを獲得した彼らに、“仕事とは何か?”を聞く『Indeed特別編集 あの人の仕事論』(KADOKAWA)から、「あの人」の多様な働き方や生き方、仕事に対する考えを紹介。

『Indeed特別編集 あの人の仕事論』(KADOKAWA)

会社員/HIRED株式会社 代表取締役CEO
motoさん (33歳 東京都)

「与えられる仕事を流されるようにやる人と、能動的・主体的に取り組む人とでは、10年後20年後に居る場所が違うし、能力に差が出ていると思います。自分の意識や脳みそを介在させて働くことでキャリアを積む。将来的には、会社側もそんな人を採用するようになるのでは」とmotoさん。今の目標は「30代で3桁億の売り上げ達成。副業で100~300億円」

前編はこちら

転職するしないにかかわらず、サイトは常にチェック

【Before】幼少時代から自分で工夫して稼ぐという経験をし、稼ぐことの大変さやお金の価値を理解した

motoさんは、顎に手を当て、やや頭を傾けて相手の話をじっと聴く。そして、質問意図を完全に理解し、的確に答える

 motoさんが提唱する「軸ずらし転職」とは? 例えば人事の経験があるならそれを生かせる人材会社に転職し、そこでは人事部ではなく異職種の営業部を選ぶなど、もともとの自分の知見やスキルが使え、かつ新たな経験が培える転職のことを指す。motoさんがそうだった。加えて年収を上げるなら、「伸びている業界か、伸びている職種か、伸びている企業か、この3択でしょう」と言う。伸びている(=もうかっている)場所には、そこで働く個人にも、新たな経験が積めて資質を高められる土壌があるからだ。

「僕の転職はあくまで手段です。今の時代、一つの企業で出世するのは厳しい。並々ならぬ努力と、政治力のスキルも要るかもしれない。余計なエネルギーは使いたくないから、必要な経験を積んで次へ行く。必要な経験とは、世の中に求められる能力を身に付けること。それから、自分の市場価値を上げることです」

 どのようなタイミングで次の転職を意識するのかを問うと、motoさんの答えは意外だった。

「転職しようと思ってからリサーチするのではなくて、常に転職活動をしているんです。転職サイトを日々眺めることが趣味なんです。すると、今の社会が見えてくるんですよ」

 例えば、多かった求人が突然減れば、その業種・分野・職種は世の中のニーズがなくなったんだなとか、少し前までざっくりだった求人内容が急に細かく明記されだすと、こういう能力・人材が求められ始めたんだな、とか。

「転職市場の相場を知ることで、今の自分がどこに身を置くべきかを判断するんです。なるほど、この能力を身に付ければ、最悪今の業界がダメになっても、別の場所で生かせるんだなと。日頃の仕事に対しても、自分の資質を上げるべく動こうと意識が変わります」

 副業でも稼ぐmotoさんだが、「基本は本業で成果を出すこと」と言い切る。

「なぜなら、お金を稼ぐビジネスフィールドは会社だからです。会社が、自分と社会との接点になっている。会社での経験=セットアップがあって初めて、個人と会社、個人と社会がつながるんです」

 自分にリタイアはない、とmotoさんは言う。

「お金が増えるほど見える景色、やれる幅が広がるから。サラリーマンも同じじゃないですか。管理する予算が増えれば、できることが変わるでしょ?自分の市場価値、資質を上げることは最重要事項。次の会社でこの経験を積めば、その次にはあの会社にジャンプアップできるな、と次の次の転職先も見据えて決めています」

 個人のスキルを磨くことが、結果、行きたい業界への転職につながる。未来を見据えることが重要だ。

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市場価値 つくり方

Profile
1987年長野県生まれ。東京都在住。本名・戸塚俊介。短大卒業後、20歳で地元のホームセンターに入社。その後、人材広告会社、リクルート、スタートアップ、スタートアップが楽天に買収され楽天へ。さらにベンチャー2社(共に広告代理店)への転職を重ね、現在6社目。本業で営業部長を務める傍ら、Twitter、ブログ、note、voicyなどで経験に基づくキャリア論を発信。副業では広告代理店と転職サイトを展開予定

motoさんの転身ヒストリー
20歳 ホームセンター入社 年収240万
22歳 人材広告会社入社 年収330万
23歳 リクルート入社 年収540万
27歳 スタートアップ入社 年収700万
30歳 上場ベンチャー入社 年収1000万
32歳 広告ベンチャー入社 年収1500万