女は口紅一本から投資家だからね『棺にコスメ』⑩

健康・美容

公開日:2020/7/24

 圧倒的筆力で美容好きに人気を誇るブログ「棺にコスメ」がダ・ヴィンチニュースに登場! あなたの顔と美容魂をブチあげる魂の美容エッセイをお届けします。


 投資。

 皆さんは何かに投資をされていますか?

 ご存知の通り、日本は圧倒的に貯蓄文化。

 給与が銀行口座に入り、生活費などの支出以外でそこから動くことってまぁないですよね。

 諸外国のように、資産を元手に運用して増やす「投資文化」が浸透しておらず、むしろ、「お金を増やす」ということに対して、「怪しい」「怖い」「いやらしい」という感覚を抱いている方さえ、多かれ少なかれいるかもしれません。

「資産を増やす」ことに関しての教育システムがないので、当然と言えば当然。

 

 でも、知って欲しい。

 実は、私たちは投資家だったんです。

 

 はい!

 ということで、今回は、イラストを担当してくださっているシュシュさんをゲストにお迎えしてのスペシャル企画。

「美容の投資家としての私たち」をテーマに掘り下げていきたいと思います。

 

 なぜなら資産運用と美容運用はとても似ているから!

 守るものであり、増やすものであり、正しい知識がないと失ったりもするから!

 

ヒツコス「今日シュシュさんに来てもらったのは、お互い超弱小ではあるけど、ガチな方の投資をしているからです」

シュシュ「私は最近からですが、ヒツコスさんは以前からされていますよね」

ヒツコス「そう。投資って難しいと思われがちだけど、美容にあてはめていくとすんなり理解できることが多いよねって話を普段からしてるんだよね」

シュシュ「株の本とか難しくて、薄くても全然読み終わらないんですけどw 美容にあてはめていくと、どんどん理解が深まっていきますし、その逆もしかりで。」

ヒツコス「たとえばですよ。口紅欲しいじゃん。今の季節にぴったりそうないい色じゃん。クチコミもいいじゃん。買うじゃん。つけるじゃん。似合ってかわいいじゃん。はい、これが投資成功ー‼」

シュシュ「そういうことですよね」

ヒツコス「そういうことなんですよ。じゃあ終わりましょうか」

シュシュ「もうちょっと詳しく!w」

ヒツコス「ではここからは投資用語を交えて話していきましょう。投資といっても株式、投資信託、先物、不動産など様々ありますが、一番スタンダードな国内の株式に焦点をあてて美容との共通点をあげていきます」

共通点① 株価上昇を見込んで買う≒美容効果を見込んで買う

ヒツコス「コスメにせよ株にせよ、まず何を根拠or理由として買うかということが超大事。ここをおさえておくとギャンブル性が減ると思う」

シュシュ「投資はギャンブルではないとよく言いますもんね。美容初心者の頃はギャンブルになっていることって多いと思いますが」

ヒツコス「情報をキャッチするセンサーがまだ研ぎ澄まされていないし、精査力が身についていないからね。まあ今でも美容のギャンブルは楽しい。ただしやるなら余力で」

シュシュ「ですね! いい歳になってギャンブルに注ぎ込んで失敗して当たり散らすということだけは避けたい…」

ヒツコス「株で得られる利益は、〈キャピタルゲイン〉と〈インカムゲイン〉という2種類があります」

・キャピタルゲイン=株式の売買によって得られる利益
・インカムゲイン=株式を保有することで得られる、配当や優待による利益

シュシュ「キャピタルゲインは、買った株の株価が上がったので売って利益を得るということですよね」

ヒツコス「そう。インカムゲインの配当や優待を狙いとした場合、中長期で株を保有する場合が多いので、今回は単純に「株価が上がる≒美容の効果が出る」ことに焦点をあてて考えていきます」

共通点② 分析と情報の取捨選択が重要

ヒツコス「では、いざ買う時。何を軸に上がる見込みを判断するかというと、分析と情報の勝負になってくる。最初はほとんどの人が大きい媒体や普遍的な教材本や既存のセオリーから情報を得ていくんだけど、そのうち自分に引っかかる〈セクター〉〈ファンダメンタルズ〉がわかっていくようになるんだよね」

・セクター=業種やテーマ、材料など株式が持つ特性に着目して分類したグループのこと。
・ファンダメンタルズ=経済成長率や物価指数などといった経済指標のこと。

シュシュ「あ~確かに! 自分が参考にすべき情報やピントが合うセクターが見えてくるんですよね」

ヒツコス「美容的な文脈でいうと、セクターは、スキンケア、ベースメイク、サプリなどのカテゴリー。ファンダはクチコミやトレンドと考えると分かりやすいかも。
「今このカテゴリーでは◯◯が熱いぞ」とか「今度あそこから◯◯が出るんだって」など」
勢いがあって活気づいている(またはその逆)トピックとしてを指していくことにしよう」

シュシュ「どの界隈の美容トピックを参考にするかで、利益としてのキレイが得られるかはだいぶ変わってきますよね」

ヒツコス「そうそう。例えば、私たちはアトピーだし肌が弱いから、肌が強い人用のスキンケアのファンダを集めても意味ないじゃん」

シュシュ「意味ない‼ それどころか集めることがマイナスにもなりかねないですよね」

ヒツコス「具体的な名前は出さないけど、某デパコスのスキンケアは私には香料が強くて、買っては損失ばっかり出してきた。真っ赤でガビガビになったやつ沢山あるもん」

シュシュ「あります! 中には医者に駆け込んだものも…。お高いやつなだけに絶望は計り知れません…。ふわっとした情報と期待だけで投資するのは、ときに危険ですよね」

ヒツコス「アイシャドウやチークや色ものというセクターにおいては、パーソナルカラーも大きい判断材料になる」
※私たちはパーソナルカラーを気にするのでその限りのケース

シュシュ「パーソナルカラーという指標はめちゃくちゃ大事ですね! いくらバズってるコスメでも顔色がくすむんじゃ本末転倒」

ヒツコス「あとは、最近のファンダでいうとヒト幹細胞由来培養液のスキンケアが熱いじゃん?」

シュシュ「あー! 去年からぐいぐいきてますよね。私も歯髄幹細胞由来培養液入りの美容液を使っていて、ヒツコスさんが連載に書いたディレイアのマスクもすごく良かったです。あれは脂肪幹細胞由来培養液ですよね」

ヒツコス「ペプチドやEGFなど成長因子に働きかけるようなスキンケアの進化と人気はまだまだ続くと思う」

シュシュ「経験値や成功経験と共に投資先を分散させていくことも覚えますよね。私は顔への興味からからじょじょに体に移行したタイプなんですけど」

ヒツコス「私は基本健康への興味がベースで、そこから顔と身体に派生してるかも。一番投資してるのは間違いなく健康」

シュシュ「健康大事ですもんね。健康にいいものはだいたい美にいいですし、美にだけいいものは結局実りがないので、求めなくなりました。リターンが少ないというか」

ヒツコス「次に顔のたるみw」

シュシュ「顔というセクターでは、一番重視したい!w」

ヒツコス「デパコスで私が利益を出せたのは、アルビオンのイマキュレートとドゥラメールのクリーム。私もシュシュさんもなぜか使えたしバチバチに効果感じたよね」

シュシュ「イマキュレートとドゥラメールは、大企業の株で、普通に儲けが出た、という感じで、ちょっとホクホクでしたね。大企業の株だけあって、お高いですが…」

ヒツコス「あれはたしかに超有名な銘柄を買って順当に利益が出たって感じでホクホクのウハウハ体験でした」

共通点③ 保証はない、しかしチャンレジしないと利益は出ない

シュシュ「しかし、どんなに経験値と成功体験を積んでも100%安全な株はないですよね。かといって挑戦しないと絶対に資産(キレイ)は増えない…」

ヒツコス「そうそう、美容でキレイを増やすのがうまい人は絶対失敗も経験してる。でもそれをマイナスのままで終わらせない」

シュシュ「成功ばっかりしているわけではないというのは、ひとつ大切なポイントであり、励まされますよね。美容がうまくいってる人って、全部当たりのものを買ってるように見えてしまうじゃないですか」

ヒツコス「見える。でもいざ自分で実践して経験していくと、そうじゃないことも見える。美容の投資で結果出している人は、リスク分散と管理がうまい。失敗をひとつふたつしたら終わりっていう投資の仕方をしていないだけなんだよね」

シュシュ「自分で考えて、自分で失敗する、というのが、成功のステップとして大事になってくるんですね。投資の神様と呼ばれているウォーレンバフェットや世界に名だたる投資家でも、損失出す時は出しますもんね」

ヒツコス「最近、航空会社の株を売却して5兆円の損失を出したとニュースになったね」

共通点④損切りは超重要

ヒツコス「ウォーレンバフェットの名前がちょうど出たところで…投資で一番難しいと言われているのが『損切り』」

・損切り=損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させること。

シュシュ「ウォーレンバフェットは本来は損切りをしないタイプだったんですよね」

ウォーレンバフェットの言葉:自分の所有している株式の価格が50%下落してもパニックに陥らないこと。自分が持っている企業について自信があれば、株価が下がることは保有株式を買い増して利益を増やせるチャンスとして喜ぶべきことなのである。(『バフェット投資の真髄』より)

ヒツコス「そう。バフェじいさんまでいくと株価の上昇よりも会社の利益と成長に投資しているからね。でも今回はコロナの関係でさすがに撤退しないとやばいと思ったらしい。一般投資家にとっては損切りは中長期で見て利益を出すうえの基本中の基本。でも的確なタイミングで損切りするのはとても難しい。株も、美容も」

シュシュ「仕入れるのは簡単ですけど「これは無駄だ」と思っててもなかなか捨てられないですもんね」

ヒツコス「合わなくて二度と使わないヘアオイルが5年ぐらい置いてあったり…」

シュシュ「私もあるコンシーラーをこりゃすごいと買ったんですが1年塩漬けして、1年ぶりに使ってこりゃすごいとなったんですが、また塩漬けです」

ヒツコス「こういう状態を株式投資では「塩漬け」といいます」

※塩漬け=現在の価格が買い値よりも下がっていて、売ると損が出る状態であるために、やむをえず長期保有していること

シュシュ「いまいちなのに高かったからずるずる使い続けてしまう、キレイな人がオススメしてたから納得できなくて引きずる、とかありますけど、マジで不毛ですよね」

ヒツコス「損切りは損失を少なくするために損を確定する、投資で絶対必要なスキルということです」

シュシュ「絶対必要ですね。効果がないとわかれば、捨てる覚悟はキレイにも投資にも絶対必要」

共通点⑤ 期待値や感情に固執しない

ヒツコス「じゃあどうしたら損切りできるようになるのかというと、買った時の期待値や感情に固執しないということ。期待値は期待値であって事実ではないということ。投資の世界では、億トレさんほど、感情を切り離してるよね。だから純粋に利益が出る銘柄に鼻がきくようになる側面がある」

・億トレ=1億以上の利益を出す投資家

シュシュ「確かに‼ 単純な愛着や好みにこだわらず、よりリターンがあるほうへ移行していきますよね。私は粒の大きいラメやギラギラ発色のシャドウが大好きで、運動とかからきし興味なかったのですが、好きよりは似合う色、さらに面積の大きい体に手を加えることでよりリターンが得られることを知ってから、楽しいだけの美容はしなくなりました。リターンがあるほうが楽しい」

ヒツコス「とは言え、美容は、ワクワクやときめきも“利益”として内包されているものだと思う。コフレなんかは特にそういう感じ。で、私たちのように感情以外のリターンを貪欲に求めてしまう属性になると…」

シュシュ「一切“映え”なしでむしろ怪しいぐらいのビジュアルだけど、リターンがすごいんで保持してるものってけっこうありますね」

ヒツコス「そっち方面は間違いなく億トレ思考かもしれないw 誰も知らないし映えないし怪しくても効果があればそれでいいタイプ」

共通点⑥ 結果論ではないが結果が全て

ヒツコス「「結果がすべて」。これは投資、美容どちらでも言えると思う」

シュシュ「ヒツコスさんの格言の「マヨネーズでも肌に合えばいい」ということですよね」

シュシュ「投資家のケースで言うと、ファンダを熟知しててチャート分析魔で説明もうまいのに、実際の投資の利益はからっきしってトレーダーいるじゃん?w」

シュシュ「いる!w」

ヒツコス「なんでなんだろう?って思うんだけどいるんだよねw」

シュシュ「不思議ですよねw 全部正しいのに、なぜか結果だけ正しくないw」

ヒツコス「反対にシンプルな法則や自分のルールでトレードしてる人が億トレってのもある話」

シュシュ「美容でもその傾向ありますよね」

ヒツコス「最低限の知識は必要だし、だんだん詳しくなっていくものだけど、成分表や使用説明書が頭に入っているだけでは結果に繋がらない」

シュシュ「結果を出しているけどあえて言語化しない人っていますしね。もちろん中には結果を出すのも言語化するのも才能がある方もいますけど」

ヒツコス「「これこそが稼げるorキレイになる方法だ」っていう提唱はよくあるけど、同時に、それぞれの論が相反することも散見されるじゃん?」

シュシュ「ある! 戸惑う!w」

ヒツコス「その人にとってはそれが正解ということなんだよね。億トレさんも、美容億トレさんも、「自分に合った方法を見つけた人」。これに尽きる」

シュシュ「そういえば億トレさんが、自分で考えた株しか買っちゃダメだとおっしゃってました。たとえ億トレさんが勧めた株であっても買ってはいけないんだ、と」

ヒツコス「それすらもひとつの持論だからね。億トレさんが勧めた株を買うのが合う人もきっといる…」

シュシュ「たしかに!」

ヒツコス「だから今回私たちの言ったことも鵜呑みにせずに、自分なりの方法を見つけるのがコツです」

 

 いかがでしたでしょうか?

 さぁ、口紅1本からあなたも私も投資家です。

 レッツエンジョイ美容投資ライフ!

●プロフィール
ヒツコス
人気美容ブログ「棺にコスメ」ブロガー。アトピー肌を克服してメイクと美容と筋トレに爆進中の40歳。自称酸化&糖化ヘイターのインナーケア好き。「生きてく限りメイクする」がモットー。いつだって照準はブラピ。

イラスト:シュシュ
ヒツコスのブログ:棺にコスメ
シュシュのブログ:たぬきサマー