痛いのは逆効果！「負のスパイラルのストレッチ」とは？／魔法のストレッチ①

ぼく、物心ついた頃からずっと体が硬くて。
学校の体力テストで前屈を測るのイヤだったなぁ。

そうなんだ。
でも、周りはそんなに気にしてなくない？

それが、本人はけっこうコンプレックスなんですよ。
前日に酢を飲むといいと聞いてがんばって飲んだ酸っぱい思い出が……。
今だってほら、こんなに硬いんです。床まで全然届かないよ。

うーん、たしかに。
じゃあ前屈のストレッチをしようか。
後ろから押して手伝ってあげるね。
せーのっ！

うわっ、いててててっ！

ストレッチは痛いほうが効くんだから、我慢、我慢。
ほら、もっと押すわよー！

ひーーっ！

ちょっと待って！　そのストレッチはおすすめしません！

先生！　助かった～。

え、ダメなの？　でも、前屈のストレッチといえばこれでしょ？
部活のとき、みんなでやってたし。ねぇ？

はい。地獄の時間でした。

痛いときって、ギュッと体に力が入るでしょう？
今、タカシくんはどうだった？

たしかに、痛くて体が緊張していたかも。

緊張すると体が硬くなって、余計に伸びなくなるわ。
伸びないとさらにグイグイ押すからますます痛くなって、体がどんどんこわばっちゃう。
私はこれを負のスパイラルのストレッチと呼んでいるの。

負のスパイラルのストレッチ！　恐ろしい響き……。

痛いほど効果があるわけじゃないんだ。

さらに悪いことに、筋肉が硬くなるとケガをしやすくなるのよ。
負のスパイラルのストレッチは痛くてツラくてケガもしやすいストレッチなんです。

じゃあ、いったいどうしたら……。

カンタンよ。
痛みが小さい、気持ちいいストレッチをすればいいの！
痛みが小さければ、リラックスできるから筋肉はゆるむ。
筋肉がゆるめば、ストレッチをしたときも伸びやすい。
気持ちよく伸びるからますますリラックスして、体はもっとゆるむ。
これが体を柔らかくする正のスパイラルのストレッチよ。