不登校から漫画家へ。人気ブラック・コメディ『メンヘラちゃん』の作者 琴葉とこさんの本棚

更新日:2013/8/6

琴葉とこさん

<琴葉とこ>
漫画家

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中学生の頃から漫画を描き始め、pixivやホームページといったネットを中心に作品を連載。『メンヘラちゃん」や『女装くんと男装ちゃん+α』といった作品を始め、『月刊ヤングチャンピオン烈』に『自殺OKくん』を発表。また、NHKEテレ「オトナへのトビラ」で特集されるなど、現在さらなる活躍が期待される漫画家の一人。
代表作「メンヘラちゃん」「女装くんと男装ちゃん+α」

インタビュー

――もっと人間の深い面を描いていきたい
◆クリエイターになったきっかけ、漫画を描くようになったきっかけは?
絵を描くのは小学4年生のころから描いていました。中1の頃からpixivや漫画誌の読者コーナーに投稿し始めていました。もともと私は人と接するのがあまり得意ではなく、面と向かってひとと話すのもうまくできませんでした。だからこそ漫画という媒体を使ってひととコミュニケーションしていきたいと考え、中学二年生のときから本格的に漫画を描き始めました。『メンヘラちゃん』を描くようになったのもその頃です。
◆創作活動の中で、心がけていること、大切にしていることは?
読者の目を意識するということと、楽しく活動するということのふたつです。例えばpixivだとすぐに反応が帰って来るのでもらったコメントやメッセージは何度も読み返してます。批判的なコメントもたまにもらうんですけど、それもアドバイスだと思って、「たぶんこの人はこうしてほしいんだろうなー」と考えます。家族にも漫画は読んでもらっていて、お母さんにはよくアドバイスをもらっています。
◆尊敬しているクリエイター、影響を受けたクリエイターは?
漫画家だったら志村貴子さん、さくらももこさん、TAGROさん、市川春子さん、荒川弘さん、うさくんさん、福満しげゆきさん、あずまきよひこさん、です。結構ジャンル節操なく漫画を読むので系統もバラバラですね。特に久米田康治さんにはすごく影響を受けていて、自殺っていう深い問題を取り扱ってもいいんだっていうことを学んで、今まで描くのをためらっていた「メンヘラちゃん」を描けるようになりました。映画監督の園子温さんも好きです。
◆今、夢中になっているもの、気になっているものは?
市川春子さんの『虫と歌』という短編集です。知人にすすめられて購入しました。読み切りが数本収録されているのですが、ひとつひとつ大好きで、ふとしたとき何度も読み返しています。あとはテレビのバラエティ番組をよく見ていて、お笑い芸人のよゐこが大好きです。
◆これからの夢や目標は?
目標は、私はまだ高校生なので大学に進学することです。大学で心理社会学が勉強したいと思っていて受験勉強中です。人間の心の動きがどうなっているのかをもっと深く知りたいと思っています。夢は様々な作品を生み出せる漫画家になることです!もっと人間の深い面を描いていきたいですね。
◆「メンヘラちゃん」や「女装くんと男装ちゃん+α」「自殺OK君」などの魅力的なキャラの多い琴葉さんの作品ですが、そのキャラクターたちはどのように生み出しているのでしょうか?
実際に目でみたり、聞いたり感じたりしたことから思ったことを突き詰めて考えて、生み出しています。たとえば「メンヘラちゃん」は、不登校の女の子が主人公の漫画なのですが、かくいう私も小学校から中学までの5年間ほど不登校の経験があり、そのとき感じたこと考えたことを原材料にキャラクターを生み出しました。余談ですがネーミングセンスがない方なので名づけ方は結構直球です。
『シアロア』
『メンヘラちゃん』
代表作:『メンヘラちゃん』
メンヘラちゃん、病弱ちゃん、けんこう君という三人の日常を描くブラック・コメディー漫画。前半はほのぼのとブラックな笑いを取り入れつつ進行していくが、後半では、それぞれのキャラクターのか抱える問題や悩みが明らかになり、まじめに自分自身と向き合うようになる。読み終わる頃にはこの作品がたまらなく愛おしいものになるはずだ。