避難所は最終手段! クラスターの発生、ストレスを避けるため在宅避難できるように備えよう/防災イツモマニュアル①

暮らし

公開日:2020/9/1

地震・台風・感染症など、時に日常が一変します。そこで「イツモの暮らし」が「備え」になる、在宅避難の準備をしませんか? 本当に役立つ防災マニュアルから、避難と非常食について、「イツモ」できる役立つ知識をお届けします。

防災イツモマニュアル
『防災イツモマニュアル』(防災イツモプロジェクト:編、寄藤文平:絵、NPO法人プラス・アーツ:監修/ポプラ社)

家を避難所にすることは、自分を、家族を、地域を守ること。

「避難」といえば、避難所。そう思ってはいないでしょうか。

しかし、避難所にはリスクもいっぱいです。

深刻な衛生問題、バランスを欠いた栄養問題、そして、慣れない場所で知らない人に囲まれる生活の、重いストレス。

地域の全員を受け入れるだけのキャパシティも限られ、今、ウイルスのクラスターが発生する心配も、あまりにも大きい。

避難所に行けばなんとかなる、と思ってしまう前に、私たちは、避難先についての価値観を、アップデートする時です。

では、どうすればいいのか。

その答えが、まず、「在宅避難」です。

少人数で過ごすため、衛生問題が発生しにくい。

自分で選んだ備蓄で好きなものが食べられ、家で過ごす安心感もある。

避難所に入る人数を減らせば、本当に必要な人にゆとりをあげられる。

在宅避難で家族を守るとき、地域の誰かのことも、助けているのです。

家がむずかしい場合、車中での避難や、テントでの避難もあります。

避難所は最終手段として、避難先を自分で分散して用意しておけば、状況ごとに、よりよい避難生活を送ることができます。

自治体の情報や、給水などのスケジュールは避難所で発表されるので、避難所は、「情報や配給の基点」として毎日通う場所と考えます。

避難は家で。情報や物資は、避難所で。

それが、これからの被災生活の、ひとつのカタチです。

家を、「モシモ」のときも頼れる場所に。

そのための備えを紹介します。

ハザードマップを確認しよう

ハザードマップで、自分が住んでいる場所が、在宅避難できる場所かどうかを確認しましょう。「ハザードマップポータルサイト」と検索して、住所を入力すると確認できます。

1 家がある場所に色が塗られていなければ在宅避難できる可能性大

防災イツモマニュアル

洪水ハザードマップ
「洪水浸水想定区域」に色がついています(浸水深により色が違う)

防災イツモマニュアル

土砂災害ハザードマップ
「土砂災害警戒区域・特別警戒区域」に色がついています(危険度により色が違う)

※ただし、色のない場所でも周りと比べて低い土地や崖のそばなどに住んでいる場合は状況に応じて避難しましょう

2 色が塗られていても、次の条件に当てはまっていれば在宅避難できる可能性大

「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っていない
 ↓
浸水する深さよりも高いところに住んでいる ※浸水深を確認
 ↓
水が引くまで我慢できる(水・食料などの備えが十分にある) ※浸水継続時間を確認

※ハザードマップに「家屋倒壊等氾濫想定区域」や「浸水継続時間」の記載がない場合は、市町村に確認しましょう