水道水とミネラルウォーター、出汁を取るのに向いているのはどちら?/ゆで卵の殻をツルッとむく方法⑥

暮らし

公開日:2020/8/29

思い通りの固さでゆで卵をつくる方法、パサパサにならない肉のゆで方…今さら人に聞きづらい「料理のマル秘常識」が大集合。
知ると今日からすぐ料理の出来栄えがぐっと良くなるような豆知識を紹介。『ゆで卵の殻をツルッとむく方法』(ホームライフ取材班/青春出版社)からの試し読みです。

新タマネギは水にさらさない

●水にさらすと血液サラサラ成分が流れ出てしまう

 タマネギをサラダなどにする場合、スライスしたら水に短時間さらすのが通常のやり方だ。こうしないと、生食するには辛くて適さない場合が多い。しかし、新タマネギの場合は別。できるだけ水にさらさないで食べるのがおすすめだ。

 タマネギに含まれる重要な有効成分が硫化アリル。これが空気に触れると、血液をサラサラにする成分に変化し、動脈硬化の予防に大きな力を発揮する。だが、この硫化アリルは水溶性なので、水にさらせばさらすほど失われてしまう。

 そもそもタマネギを水にさらすのは、辛さをやわらげるため。新タマネギはそれほど辛くないので、水にさらす必要はあまりない。タマネギ独特の辛さが苦手な場合でも、ほんの短時間、水にくぐらせる程度で抑えるようにしよう。せっかくの体に有効な成分を逃がさないようにしたいものだ。

だしはミネラルウォーターが苦手

●軟水の水道水のほうがだしがよく出る

 水道水は塩素の匂いが気になるので、コーヒーや紅茶はもちろん、普段の料理にもミネラルウォーターを使う。特に都市部では、こういった人は少なくないかもしれないが、料理で使用する場合には注意点がある。だしを取るときには、硬水のミネラルウォーターは使わないことだ。

 ミネラルウォーターの中でも、欧州産のものはミネラル類がたっぷり含まれている硬水が多い。こうした硬水でだしを取ると、ミネラル類の働きによって、うま味成分であるアミノ酸の抽出が妨げられてしまうのだ。

 鰹節や昆布などのだしを使うのは、日本料理にとっていちばんの基本。うま味成分をたっぷり抽出するには、ミネラル類の少ない軟水が最適だ。ごく普通の水道水を使うのがいいだろう。

【次回に続く】