恋をすると「この人しかいない!」と夢中になるのは、脳の戦略によるものだった!?/ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典②

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公開日:2020/9/9

『びっくり事典』シリーズの最新刊! 今度のテーマは「脳」です。学習や記憶はどのようなメカニズムで行われている? 光や音などの外部刺激から、どのようにして世界観を作り上げている? など、脳にまつわるさまざまな謎を紹介していきます。

『ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典』(四本裕子:監修、加納徳博:絵、こざきゆう:文/ポプラ社)

恋する気持ちは脳の戦略!?

ざんねん度 ★★★★★

ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

「恋は盲目」って言葉を聞いたことはある? 恋愛中は、恋人のことが好きすぎて、悪いところがあっても、目に入らない状態のことだ。

 夢中になりすぎて「この人しかいない!」となると、もう大変。やらなくちゃいけないことがあっても恋人のことを思いつづけたり、「あいつとはつきあわない方がいい」と忠告されてもそんな声すら聞こえなかったり。

 人は恋愛をすると、脳の腹側被蓋野という部分が活発にはたらく。気持ちよくなる化学物質ドーパミンをだす場所だ。ここが活発になりすぎて、気持ちよさからはなれられなくなるのだ。

 恋愛中はなんと恋人の写真を見ただけで腹側被蓋野が反応するほど。

 でも、なぜ、そうなるのか。恋人との運命の出会いのパワー? いやいや、答えはそんなにロマンチックじゃない。

 人には、よりよい相手を求める本能がある。でも、最高の相手を世界中からひとりひとりチェックしてさがすことは不可能だ。そんなことをしていたら、子孫をのこせない。

 そこで、てっとり早く、身近な人のなかから選んで「この人しかいない!」と思えるように腹側被蓋野がはたらき、その人で満足できる=「恋は盲目」状態になってしまうのだ。

ひと目ぼれは脳のしわざ

ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

ひと目見た瞬間にズッキュ~ン♡ときちゃう、ひと目ぼれ。これは、じつは脳のはたらきによるものだ。脳の扁桃体という感情を生みだす部分が活発にはたらいているとき、目の前に好きなタイプの人があらわれると、ひと目ぼれが起こりやすい。

<第3回に続く>