菅野智之は「日本一の横幅の広さ」が見どころ? 驚異の能力をトクサンTVメンバーが語りつくす!/プロ野球が100倍おもしろくなる座談会②

スポーツ・科学

更新日:2020/9/12

YouTubeのチャンネル登録者数57万人(2020年9月現在)の大人気野球YouTubeチャンネル「トクサンTV【A&R】」。野球に対する確かな知識と理論で、現役プロ野球選手や野球大好き有名人も数多く視聴している同チャンネル。本連載では、そんなトクサンTVメンバーが、プロ野球で活躍する選手のスゴさを語りつくします!
第2回は、読売ジャイアンツ・菅野智之投手について。

菅野投手イメージイラスト
(C)水森崇史

打たれていいときにしか、打たれない

ライパチ

ライパチ
トクサンTVが語るプロ野球選手のスゴさ。第2回は投手編。誰もが知ってる無敵のエース、読売巨人軍、菅野智之投手デス!

トクサン

トクサン
もうね。強い投手、勝てる投手というイメージが強いね。球は速いし、コントロールもいいんだけど、そういう個別評価をしたら逆に本質が見えなくなる存在。登板した時点で期待度が違う。トータルでスゴイ!

ライパチ

ライパチ
なんか、打線の援護とか気にしていないですよね。点をとるまで、点を許さないピッチングをしてる。

トクサン

トクサン
そう、淡々と投げて、そして、勝つね。

ライパチ

ライパチ
負けたときにニュースになる存在ですね。

トクサン

トクサン
稀に悪いときがあって、なんというか、細かいところをねらいすぎて打たれるときがある。でもね、そんな次元で投げているところが、すでに、とんでもないんだよ。

アニキ

アニキ
見るべきところが多すぎるピッチャー。根本的に精神が強すぎる。1球1球を最高の出力では投げてないと思う。でも、打たせすぎない。そして、ピンチになると、突然、質もコントロールもグッと上がる。ギアを変える。

トクサン

トクサン
なんというか、ヒットを打たれていいときに、打たれてるよね。ランナーを出してはいけないときは、出さない。

アニキ

アニキ
菅野投手がギアを変えるのは、みんな知ってるのよ。でも、バッターって、わかっていても対応できない。どうしても、その前までのボールをイメージした中で、打ってしまう。でも、急に違う軌道、スピードのボールを投げられる。そりゃあ、打てない。

2回曲がるスライダー

アニキ

アニキ
試合を支配する能力が違うんよ。菅野投手を前にすると、バッターが圧倒的に意識するものがある。何やと思う?

ライパチ

ライパチ
それは、スピードとか、コントロールの精度とか…。

アニキ

アニキ
スライダーよ。これがエゲつない。東京ヤクルトスワローズの西浦直亨選手が、「2回曲がった!」と評していたけど、それだけ、スゴイ。

ライパチ

ライパチ
いや、2回は曲がらないですよ。スライダー。

アニキ

アニキ
当たり前や。この地球上でスライダーは2回も曲がれない。でも、そう見えるということ。つまり、バッターがまずは「ストレートにしか見えない」と言う腕の振り、この時点で球種がスライダーなら、打者にとって、1回曲がった感じ。さらに、とんでもない曲がりで2回目。菅野投手のスライダーはそういうクオリティーなのよ。

トクサン

トクサン
プロ野球で「なんで、それを振る!」っていう、ありえない空振りを見ることがあると思うけど、それだね。一流選手が「消える」と表現するボール。

ライパチ

ライパチ
僕たちは、ヘボいスライダーでも、「やられた!」ってなりますから。

アニキ

アニキ
しかも、菅野投手はインコースのコントロールがいいのよ。そこに右バッターの懐に食い込むツーシームを投げる。これが効く。

ライパチ

ライパチ
アマチュアでは、インコースに投げられるだけでスゴイんですけどね。

アニキ

アニキ
インコースってね、バッターに当ててしまう恐怖がまずあるのよ。しかも、打たれるとよく飛ぶ。ピッチャーにとって、根源的に投げにくいボールであり、長打のリスクがあるんよ。

トクサン

トクサン
今、調べたんだけど、2017年なんか、187回も投げて、デッドボールが1しかない。あれだけ、インコースに投げて、この成績だよ。よっぽど、インコースのコントロールに長けているんだよ。

“日本一の横幅の広さを見ろ”

アニキ

アニキ
スライダーを3球続けて、三振してくれるバッターはプロにはいない。いかな菅野投手のスライダーでも、そうだと思う。でも、そこにインコースを混ぜる。しかも、ツーシームでのけぞらせる。投げにくいコースなのに、投げてきってしまう。まあ、アマチュアではありえない。

ライパチ

ライパチ
じゃあ、菅野投手の見どころを、恒例のキャッチフレーズにしましょうか。

アニキ

アニキ
スライダーとツーシームのコンビネーション。ベースの横幅が異常なほど広く感じる。つまり、“日本一の横幅の広さを見ろ”というところかな。落ちる球で上下の空間も使うけど、それはあくまで副菜。メインディッシュは横幅の広さ。

ライパチ

ライパチ
まあ、スライダーでやっつけますからね。

アニキ

アニキ
打者がスライダーを空振りすることを期待し、観戦してるかもしれないけれど、その手前の球をしっかり見てほしい。スライダーがより遠く見えるツーシーム、インコースの真っ直ぐなどを投げてるはず。それがプロの駆け引き。そこがミソかな。

トクサン

トクサン
キャッチャーを見てもいいかもね。ミットがどれだけ動くかを見る感じ。特に、勝負所は、菅野投手のコントロールに驚けると思うよ。

 

取材・文=新宮 聡(企画室ノーチラス) 写真=松本祐亮 イラスト=水森崇史

<第3回もお楽しみに!>

【トクサンTV【A&R】】

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