銀行や証券会社が教えてくれない「着実にお金を増やす方法」とは?/お金は寝かせて増やしなさい⑥

ビジネス

更新日:2020/9/14

お金は寝かせて増やしなさい

著:
出版社:
フォレスト出版
発売日:

投資のプロではないフツーのサラリーマンが15年実践してきた、個人投資家目線の「お金の増やし方」を指南。
インデックス投資って何? 投資信託のメリット・デメリット、運用は何をすればいい? …これから始める人にもわかりやすく投資術と心構えを紹介します。『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)からの試し読み連載です。

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)

基本はひたすら「積み立て投資」

 さて、インデックスファンドがよいことがわかったところで、それをどのように買えばよいのでしょうか。インデックスファンドの購入方法については、本書では「積み立て投資」をおすすめします。

 積み立て投資は、定期的に、たとえば毎月、一定金額で0 0 0 0 0 同一の投信を購入することを継続します(これを「ドルコスト平均法」といいます)。

 毎月購入するので、購入価格が平準化され、市場が最高値のときにまとめて投資してしまうことや、最安値のときに買い損ねてしまうことを避けることができます。

 また、市場が変動していくなかで、毎月同じ金額で購入していくので、株価が高いときには少ない量の投信を買い、株価が低いときには多くの量の投信を買うことになります。そのおかげで、一定の数量を定期的に購入する方法よりは平均購入価格を下げることができます。

 もうひとつ、積み立て投資のベースとなる重要ポイントがあります。積み立て投資は、買い方の説明しかありません。買いと売りをセットにして売買を重ねる投資法ではありません。

 基本的に買い持ち(バイ&ホールド)が特徴です。

 つまり、寝かせて増やすわけです。

 当然、投資対象は買い持ち(バイ&ホールド)でも利益が出るものが合っています。

 投資対象が個別株の単一銘柄では、倒産して無価値になってしまう可能性があります。企業の業績や株価をつねにチェックし、状況に応じて売買する必要があり、そう簡単に寝かせておくわけにはいきませんが、たとえば、投資対象が「世界経済の成長」だったらどうでしょうか。

 世界全体が同時に崩壊してまったくの無価値になってしまうことはあり得ません。
 つまり、世界中に分散された株や債券のインデックスファンドこそ、積み立て投資に最適なのです。

いざ始めてしまえば、やることはほとんどない!

 積み立て投資ですが、証券会社の「投信積み立てサービス」を利用することができます。このサービスを使えば、あなたが買い注文を出さなくても、毎月同じ投信を同じ金額、自動的に購入してくれます。

 一度積み立てする銘柄と金額を設定すれば、それ以降は、毎月の購入についてはなんの手間もかかりません。株価チャートに張り付く必要もなければ、企業の財務諸表を分析する必要もありません。毎月の購入作業は証券会社が自動でやってくれます。

 本当に「楽ちん」ですね。
 ところで、「積み立て投資」(ドルコスト平均法)はタイミングを図って売買することと比べて有利なのでしょうか。これについては、べつに有利でも不利でもないと言わざるを得ません。いくら購入価格が平準化されるといっても、一方で、投資タイミングを無視しているので、相場動向次第では、事後的に見れば投資すべきでなかった時期に、買い続けてしまうということはあり得ます。

 もし、適切な投資タイミングがわかればそれに越したことはありません。「相場の底」で一括購入して、「相場の頂点」で一括売却すれば、効率的にリターンを上げることができるでしょう。

 しかし、この適切なタイミングで売買するのは「言うは易し、行うは難し」の典型で、とても難しいことです。

 なにしろ、アクティブファンドはプロが適切な銘柄を適切なタイミングで売買して、インデックスを上回る収益を目指す運用をしているのに、皆さんもうご存じのとおり、アクティブファンドの70〜80%はインデックスのバイ&ホールドに勝てないという厳しい事実があるからです。

 プロでも難しいことをあなたはできるという合理的な理由があるならば、そうしたらよいと思います。

 結局、市場の動向を予測して投資タイミングを読めでもしない限り、必ず有利になる投資方法などないと割り切るべきだと私は考えます。「投資なんて安いときに買って、高いときに売ればいいんだから簡単だ」というようなことを言う人はたくさんいますし、事後的に見ればそう見えるのは十分にわかります。一方で「できもしないことをできるという前提に立って大口をたたいているだけ」の可能性がつねにつきまといます。

 資産運用というと、資産を「売買すること」というイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、基本的には、資産運用は資産を「持っていること」です。

 少額からたくさんの銘柄に分散投資できて、制度的にも手厚く守られている初心者向きの金融商品である投資信託。そのなかから、手数料が低いインデックスファンドを選び、それを毎月積み立ててバイ&ホールド。

 それが『ウォール街のランダム・ウォーカー』が40年前から推奨する世界標準のスタンダードな投資法であり、私もおすすめするインデックス投資です。

なぜ、銀行や証券会社はインデックス投資をすすめないのか?

 そんなによい方法なら、私たち個人の間でインデックス投資のことがもっと知られてもいいはずです。銀行や証券会社の窓口やアドバイザーの人たちは、自分の顧客になぜインデックス投資をおすすめしないのでしょうか?

 理由は簡単。インデックスファンドが「低コスト」だからです。

 私たち個人にとって低コストということは、裏を返せば、金融機関は低利益ということでもあります。金融機関はインデックスファンドをいくら販売してもあまり儲からないのです。

 金融機関も営利企業なので、利益を出さなければ存続できません。投資信託を販売するのに同じ手間をかけるなら、あまり投資家から利益をぶんどれない投資信託(多くのインデックスファンド)よりも、投資家からたっぷり利益をぶんどれる投資信託(多くのアクティブファンド)を売った方が、ビジネスとしての効率がいいのです。

 投資信託を投資家に売って購入時手数料をいただいてしまえば、あとはその投資信託が値上がりしようが値下がりしようが、金融機関としてはあまり関係がありません。

 なにせ、投資信託の値下がりリスクはすべて投資家が負うのですから。

 私たちがインデックス投資に使うようなインデックスファンドは、購入時手数料も信託財産留保額も基本的にゼロ。運用管理費用(信託報酬)もきわめて低いものになっています。

 金融機関には、そんな薄利な商品よりも利幅がたっぷり取れる商品(投資家側の利益が削られる商品)が山のようにあるのです。しかも、毎年のように手を替え品を替え、増えていく傾向にあります。金融機関の広告や窓口でのおすすめ商品が、それら利幅の厚い商品が中心となるのは自然なことです。

 残念ながら、銀行も証券会社もあなたの資産を増やすことよりも、自社の利益を増やすことに熱心です。でもそれは、営利企業として当然の行動であり、嘆いていても仕方がありません。では、どうすればよいか?

 それは、私たち投資家側が少しだけ賢くなり、店の奥の方(あるいはWEBサイトの奥の方)にしまわれている低コストなインデックスファンドを、「自分で選びにいく」という姿勢を持つことです。

 向こうから積極的にすすめてくるものは、いっさい相手にしないことです。

 近年、こうした金融機関の「手数料稼ぎ」が社会問題化しつつあります。特に、判断能力がにぶった高齢者に、銀行が高コスト(かつ無用にハイリスク)な投資信託を次から次へと買わせ、かつ乗り換えさせて購入時手数料を稼ぐ悪質な「回転売買」が行われています。

 前出の金融庁が公表した「金融レポート(2016年9月)」でも、「銀行において、投資信託販売額や収益が増加してきた一方、残高や保有顧客数が伸びていない状況を見ると、今なお、いわゆる回転売買が相当程度行われていることが推測される」と断じています。

 私自身、この十数年間、銀行や証券会社から送られてくるダイレクトメールや、金融機関主催のセミナーですすめられた金融商品を買ったことは一度もありません。すべて、自分で選んだインデックスファンドのみで運用しています。

 この本を読み終わる頃には、きっとあなたもそうなっているはずです。

【次回に続く】

この記事で紹介した書籍ほか

お金は寝かせて増やしなさい

著:
出版社:
フォレスト出版
発売日:
ISBN:
9784894517837