祝辞はポイントを押さえれば、難しくない!/知らないと恥をかく 50歳からのマナー⑥

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公開日:2020/9/24

若い頃は知らないことでも、大人になると知っていて当たり前!? 年齢を重ねたことで初めて遭遇する、マナーの本質から実践までをこの1冊に集約!「マナー界のカリスマ」が書いた、知っておきたいマナーをイラストとともに紹介します。

知らないと恥をかく 50歳からのマナー
『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(西出ひろ子/ワニブックス)

祝辞のマナー

知らないと恥をかく 50歳からのマナー

 主賓として披露宴に招かれた際に、もっとも重要な役割が「祝辞」です。新郎新婦にとって披露宴は、一生忘れられない晴れの舞台。あなたのスピーチも2人の心に刻まれます。

 人前で話すのに慣れていないと緊張することもあるでしょう。しかし、披露宴の祝辞には、「押さえるべきポイント」があります。それらを満たした上で、新郎新婦へのお祝いの気持ちを持っていれば、何も難しいことはありません。基本さえ押さえていれば、あとは自由な形式でもいいのです。

祝辞は「2~3分」で「忌み言葉」を避けて

 主賓として披露宴に招かれたら、祝辞を頼まれるのが一般的です。即興で考えるのは無理がありますから、あらかじめ原稿を用意しておきましょう。披露宴での祝辞のポイントは、たったの2つ。「2~3分で手短に」と「忌み言葉を避ける」です。その上で次の流れにそっていけば、自然とすばらしいスピーチになります。

祝辞に必ず含める要素

①自己紹介
②新郎新婦へのお祝いの言葉
③ご親族の皆様へのお祝いの言葉
④自身の新郎新婦との関係性/自身と新郎新婦とのエピソード
⑤新郎新婦を讃える言葉

話すまでは厳粛に。話し始めたらにこやかに

 壇上で祝辞を読み上げるときは、席をたつときにまずは招待客に向かって一礼をします。続けて壇上へと向かい、上がる前に一礼をしてから、壇上へ。そこからマイクへと進む前にも、招待客と壇上の新郎新婦に向かって一礼をし、マイクの前へ進みます。マイクの前で足を止め、新郎新婦には会釈を。会場の出席者には最敬礼をします。それからマイクに近づきます。

知らないと恥をかく 50歳からのマナー

 このように自己紹介から祝辞をスタートさせます。祝福の席にふさわしい、楽しくユーモラスなエピソードで、会場を盛り上げるとよいでしょう。

 教訓めいたことや自分の宣伝、暴露話や過去の異性関係の話はご法度。もちろん、忌み言葉も使わないように。

 また、状況によりマスクをして話をする場合は、聞き取りやすように大きめな声で。直立不動ではなく、身振り手振りをつけながら話すと聴衆者に伝わりやすくなります。

自分のために、他人の話もしっかり聴く

 披露宴中にマイクの前で話すのは、あなただけではありません。ほかの出席者がスピーチを行う場面もあるでしょう。

 このような場面では、相手に体を向けるのが礼儀。食事中でも体を向けていれば、聴き入っていることが伝わります。話に合わせて、適度にうなずくのもいいですね。話が終わったら、大きな拍手も忘れずに。

 そうして「話しやすい空気」「聴きやすい空気」を作ることもマナー。このような思いやりの心を行動で示すことで、ほかの出席者もスピーチがしやすくなります。また、いざあなたの番となったときには、あなたのスピーチを聴き入り、大きな拍手を送ってくれることでしょう。

3つのタイプに分けられる「忌み言葉」

 基本的なポイントさえ押さえておけば、自由度が高いのが祝辞です。歌い踊りながらのスピーチで、会場を盛り上げても良いのです。

 ただし、どのような祝辞であっても、タブーなのは「忌み言葉」。50代になって、忌み言葉を使用してしまうことは、恥である、というくらいの認識で、しっかりと意識をして使用しないようにしましょう。忌み言葉には大きく分けて、次の3つのタイプがあります。

「不幸」を連想させる意味

知らないと恥をかく 50歳からのマナー

「再婚や離婚」を連想させる意味

知らないと恥をかく 50歳からのマナー

「くり返し」を連想させる言葉

知らないと恥をかく 50歳からのマナー

※「くり返し」を連想させる言葉は、「結婚は一生に一度のこと。くり返してはいけない」という考えから忌み言葉となります。

忌み言葉を別の言葉に言い換える

 忌み言葉を使用してはいけないとわかっていても、その意味を伝えるシーンもありますね。その場合は、別の言葉に置き換えることで、伝えたいことを伝えることができます。結婚に関わる代表的な言葉は、次のように言い換えるといいでしょう。

知っておくと便利な言い換え例

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<第7回に続く>