「本業への余裕」を生む副業のメリット/転職と副業のかけ算③

ビジネス

公開日:2020/10/3

年収240万円の地方のホームセンター店員からスタートし、今や本業と副業合わせて年収5000万円を稼ぐmotoさん。現在も、ベンチャー企業で営業部長をするかたわら、Twitterやnote、Voicyなどでの活動により、副業年収4000万円を達成しています。
そうした「生涯年収を最大化する生き方や考え方」がまとめられた1冊『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)から、「はじめに」と副業をテーマにした「第4章」の一部を、全5回で試し読み連載します。

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(moto/扶桑社)

「本業への余裕」を生む副業の3つのメリット

 先ほどもお伝えしましたが、僕は「本業で得た知見を副業に活かす」かたちで収入を得ています。本業の成果に副業をかけ算することで年収を増やし、個人として稼ぐ力や個人のブランドを伸ばす戦略を展開しているのです。

 よく「副業をするメリットは何ですか?」と聞かれますが、僕は大きく3つのメリットがあると考えています。1つ目は「個人のブランド化」、2つ目は「収入チャネルの増加」、3つ目は「本業での市場価値向上」です。

① 自分を売り出す「個のブランド化」

 サラリーマンが会社で上げた成果は、会社の看板や組織があってこそできることなので、結果や成果のすべてが自分の実力に依存しているわけではありません。

 しかし、副業はすべて「自分」に依存します。しかも、サラリーマンのように看板がある状態ではなく、「あなたは誰で、何ができる人ですか?」という状態からスタートし、お金を稼いでいかなければなりません。副業では「○○ができる人」という個人のブランド化が必要なのです。

 副業を通じて自分をブランド化できれば、そのブランドはあなたが会社の看板に頼らずに生きていくための「資産」になっていきます。

 例えば僕の場合、「転職=motoさん」、「副業=motoさん」といったブランドです。特定のキーワードで第一想起されることは、その分野での信頼を獲得できている証拠。Twitterのフォロワーは6万人を超え、日々の僕のつぶやきには1000を超える「いいね!」がつくので、もはや、会社に所属しなくてもやっていける「ブランド」になりつつあります。

 副業を通じて自分の情報を発信し、会社の看板がなくても「〇〇ができる人」というブランドを築くことは、自分への自信に繋がります。

「〇〇社の〇〇です」ではなく、「〇〇をやってきた〇〇です」と、会社名以外で自己紹介できる「個人のブランド」をつくっておくことは、今後のサラリーマンのキャリアにおいて大きなメリットになるはずです。

② 収入チャネルの増加による経済基盤の確保

 今の時代、「安定」と言われていた大手企業でさえ、淘汰される厳しい時代になっています。

 最近では、日本の経済成長を牽引してきた大企業でさえも、大規模なリストラを行っているのが実態です。どれだけ会社に貢献しようと、リストラ候補になる可能性は誰にでもあります。

 そんななか、自分の収入チャネルが会社の給与しかないという状況は、自分の意向とは無関係に、突然、無収入になるリスクに繋がります。副業などを通じて収入源を分散化しておくことは、会社が倒産しても「明日からご飯が食べられない」という事態を避けるリスクヘッジになるのです。

 また副業は、収入におけるリスクヘッジだけでなく、生涯年収の増加に寄与します。

 最初は少ない金額しか稼ぐことができないかもしれませんが、本業での成果をうまく還流させていくことで、徐々に収益を増加させられるようになります。

 僕は今でこそ、本業を上回る副業収入を得ていますが、すぐに副業でお金を稼げるようになったわけではありません。SNSでの情報発信や、自分の本業での努力を続けてきたことによって、徐々に副業収入を上げていきました。

 しかし、この積み上げてきた資産とも言える「稼ぐ力」があれば、本業で戦力外通告を受けても、個人として食べていけるだけの収入を確保できます。収入チャネルを複数に分散させておくことは、自己防衛としての経済的安定だけじゃなく、精神的安定にも繋がるわけです。

<第4回に続く>