恋愛経験値低めの恋人がまぶしすぎる! 大学生カップルの初々しいお付き合いにキュンキュンするラブコメ

マンガ

公開日:2020/9/25

大学ではじめて恋人ができた人の話
『大学ではじめて恋人ができた人の話』(ひみつ/竹書房)

 おとなしそうに見えた人が人生の節目で一気に垢抜けてイメージチェンジをするなど、パターンはさまざまだが高校や大学の入学、または社会人になったのを機に、今までのキャラクターから一新して新たな自分として生活をスタートさせる、「〇〇デビュー」。みなさんはそういったデビュー経験はあるだろうか? 必ずしも容姿やキャラクターの変化だけでなく、“恋愛”に関することで、予想もしなかったデビューがやってくることもあるだろう。今回は、今まで恋人ができたことがなかった男女が大学に入学して間もなく奇跡的に恋人同士になり、甘甘でピュアピュアなキャンパスライフを送る姿を描いた、ひみつ先生の『大学ではじめて恋人ができた人の話』(竹書房)を悶絶しながらご紹介!

お付き合い“初心者マーク”の2人にニヤニヤが止まらない…

 ある大学に、オタク女子の東(ひがし)さんと、奥手男子の西谷(にしや)くんが通っていた。2人は、つい最近入学してきた新入生であり、この大学で出会って付き合いはじめたばかり。さらに東さんも西谷くんも過去の交際経験がゼロの、恋の初心者マークが付いたカップルだ。とにかく何をするにもそわそわドキドキの連続! 何気ない会話をするだけでも夢のようなひと時――2人は恋人ができたことで幸せを噛みしめていた。大学内でもドキドキの初デートでも、さらに花火大会やクリスマスと、全てが新鮮でキラキラなキャンパスライフに読者まで赤面してしまう、終始かわいすぎるドキドキ・ラブコメディだ。

(※ここから語彙力が下がります)表紙そして最初のページをめくると…はい、もうかわいい! ニヤニヤ必至、胸がキュンキュンのオンパレード。

 東さんも西谷くんも、お互い心臓をバクバクさせながらたどたどしく話す姿に、読んでいる私たちまでそわそわしてしまう。「こういう甘くてピュアなキャンパスライフがしたかった!」という気持ちがたくさん詰まっているのだ。そんな2人を陰ながら見守る、保護者のような学友の南中(みなみなか)くんと北嶋さんのナイスなサポートぶりにも注目だ。(作中で描かれている、北嶋さんの高校時代のエピソードも必見!)

 西谷くんは東さんのことが、そして東さんは西谷くんのことが、とにかく好きでたまらない。顔を合わせるだけでもドキドキしちゃうくらいだ。高校時代の話をしていると、「もし高校時代に知り合ってたら…」という妄想でひとりテンションが上がっちゃったり、初デートでの待ち合わせで2人が顔合わせする瞬間の様子など、やりとりはどれも初々しくてマブシくて、思わず読みながら口元がゆるんでしまうことだろう(筆者はゆるまなかったことがなかった)。

 しかも、2人の「好き好き」という空気は周囲に完全にダダ漏れしている。それなのに2人は気付かないまま友人たちにも見せつけるところが、さらに悶々とさせてくるのだ。そんなカップル2人と友人2人、彼ら東西南北フレンドグループのキャンパスライフをぜひ楽しみながら悶絶してもらいたい。この作品は、1話だいたい4~5ページという構成のショートスタイル。ということは、キュンキュンのペースはサブマシンガンクラスであなたの心を連続射撃する。覚悟の上で楽しんでいただきたい。

田中と鈴木

 なお、本作はもともと同人作品として発表されたものが商業コミック化された作品で、ファンはとても多い。実際に同人即売会でも売り切れてしまい、筆者はその時に手に入れることができなかった…。そんなもともとのファンの方も今回のコミックを買って損はない。ここでしか読めない、東さんと西谷くんが恋仲になるまでの秘話8話分が描き下ろしで収録されているのだ。出会う前、キャンパスライフが始まるキラキラした雰囲気、そして出会ってからのドキドキ…。本編以上に甘酸っぱい初恋ストーリーも含めて、多くの方々にぜひ読んでいただきたい。

 とびっきりラブリーでピュアなキャラクターたちが魅力の、ひみつ先生が描く大学生カップルの青春。どんどんキュン死して、心も脳も幸せに満たされよう!

文・手書きPOP=はりまりょう