拾いネコが美人OLに見えて困る!? 思春期少年の特異体質が巻き起こす刺激的珍騒動

マンガ

更新日:2020/10/2

『ネコがOLに見えて困ります』(鳴海アミヤ/芳文社)

 今回は、ある中学生少年が持つ“特殊な体質”によって繰り広げられる、ちょっと特異なスキンシップ作品をご紹介したい。

 ここ10年ほど、マンガ・イラスト界隈で人気のジャンルがある。ある作品では世界の国々がイケメンとなり、また別の作品では、ヘッドホンや動物が美少女になり、そして最近では細胞にまでその勢力はおよび、今もそのジャンルの枠は拡大している。特徴的な姿を反映させて人物に置き換える比喩表現…そう、“擬人化”だ。そんな話題ジャンルに、フシギでシゲキ的な日常コメディが誕生した。鳴海アミヤ先生の『ネコがOLに見えて困ります』(芳文社)である。

拾いネコが色っぽいOLさんに見えて困る主人公は…

 ある日、主人公の中学生・ミコトに思わぬ衝撃が訪れる。すべてのキッカケは、彼の兄が仕事帰りに拾ってきたネコ。そのネコは、ミコトの目にはどう見ても、メガネをかけ、会社の制服を着た美人OLさんにしか見えないのだ。だが実はこれは今に始まったことではない。ミコトには、動物全般が人間に見えてしまう、擬人変換する体質があったのだ。突然始まる、拾いネコ(見た目は美人OLさん)と過ごす日常。早速ネコとコミュニケーションを図る兄が「かわいいね~♪」といいながら、まさに普通の飼いネコのようにやさしく撫で始めるのだが、そのネコがグラマラスなOLさんにしか見えないミコトには、制服の上からお尻を触っているようにしか見えないのだ!

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 戸惑いを隠しきれずに顔が赤く火照るミコト…。これが衝撃の出会いとペットデビューとなった。のちに毛並みの感じからも、ネコの名前は「OLさん」と決まり、思春期真っ只中のミコトにとっては次々とハプニングが迫るドキドキの毎日になってしまうのだ。

 動物がすべて人間に見えてしまう、奇妙な体質。これは果たして幸か不幸か、どちらだろう? もしみなさんがそういう体質を持っていて、今回の出会いのようなことが実現したなら、何を感じるだろうか? そんなことを妄想しながら読むのも楽しみ方のひとつなのかもしれない。

 さて話は本題へ。当たり前だが、OLさんはあくまでれっきとした“ネコ”だ。ネコとしての姿も本編で描かれているのだが、擬人状態の髪型やメガネなどの元となる独特な柄を持っていて、モフモフと触り心地の良さそうな美ネコちゃんだ。もちろん行動や仕草はネコそのもの。ゴロ寝はするし、温かいパソコンのキーボードの上に乗って佇むし、飼い主にも甘えてくる。だが、多感なお年頃な中学生のミコトにはそうは見えていない――OLさんの見た目がグラマラスなだけに、ネコとのスキンシップはいつも刺激的。お腹ナデナデや抱擁など、ちょっとした触れ合いにも躊躇してしまうミコトの様子を見て、「ネコが苦手」と兄は見ているようだ。違うんだ、ミコトにしか見えていないオトナ女性の姿に戸惑っているだけなんだ…!


 作中には、ミコトの兄のことが好きな幼なじみ女子・リコや、OLさんの生活をジャマしに乱入するネコ、そしてペットをたくさん飼っている同クラスのお嬢様・ユラなど、楽しいキャラクターたちが登場して物語をさらに盛り上げる。もちろんミコトの体質はページが進むにつれ本領発揮! ペットと散歩しているユラとの出会いや、OLさんの外出など、続々訪れるカオス状況から目が離せないはず。

 最初の出会いは衝撃的だったが、だんだんと愛おしく相思相愛の関係になっていく1人と1匹のいるストーリーを、思う存分楽しんでいただきたい。

文・手書きPOP=はりまりょう

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