上司が嫌いなものは「嫌い」と言ってOK! 人間は本来“カメレオン”/話のおもしろい人の法則②

ビジネス

公開日:2020/10/6

おもしろい人とつまらない人は、ここが違う! さまざまなヒット商品や人気番組の仕掛人が教える、話しベタでも人の心を“ワシづかみ”にできる話し方を『「話のおもしろい人」の法則』(野呂エイシロウ/アスコム)よりご紹介します。


話のおもしろい人は、カメレオンのように変身する

つまらない人は、「俺様の生き方」を押し通す

 ◇ ◇ ◇

相手によって話し方を変えると言うと、「相手次第で態度を変えるヤツ」と、不誠実な対応ととらえられがちです。でも、それは誤解です。

会社で上司や同僚、取引先と仕事をしている、ふつうの会社員のケースを想定してみます。家では奥さん(ご主人)や子どもと生活をしています。

では、上司と自分の子どもにまったく同じ話し方をする人はいるでしょうか? 奥さんと同僚では? 異なっていなければ、そのほうが気持ち悪いですよね。赤ちゃんには甘い言葉で話しかけ、同僚にはビシッと対応する。それは本来、相手がそう望んでいると思うからこそしていること。これは、話し方以外にも応用が利きます。

僕は、クライアントの人柄や業種などによって服装を変えます。テレビ局に出向くときは堅くなりすぎないようネクタイをしませんが、広告代理店や金融機関に出向くときは必ず締めます。

あなたも休日に公園で子どもと遊ぶ場合と得意先を接待するときとでは、服装を変えますよね。サラリーマンだって、その日に会う相手によってスーツやネクタイ、靴を変化させることはできます。相手がピンクが好きなら、あなたもピンクのネクタイをすればいいわけです。

人は「自分に合わせてくれる人」を好きになる

これは、プライベートでもとても有効です。

理想の恋人の条件として、「おもしろい人」「共感できる人」「話を聞いてくれる人」などがよく挙げられます。僕には、全部同じことを言っているように思えます。

正確に言うと、「私をおもしろがらせてくれる人」「私に共感してくれる人」「私の話を邪魔せずに納得しながら聞いてくれる人」なのです。つまり、人は「自分に合わせてくれる人」を自分に合った、理想の相手として意識するのです。

どうしても仲良くなりたい、付き合いたい人がいるなら、するべきことは簡単。相手を慎重に、細かく観察し、すべて相手に合わせることです。その人のことが本当に好きならば、必ずできるはずです。相手がマンガの『ワンピース』を好きなら、あなたも勉強して「おもしろいよね!」と話を合わせましょう。

一方、ビジネスシーンで、上司が「ウチの子どもと『ワンピース』を一緒に見てみたんだけど、あんなのどこがおもしろいのかね?」と言ったら、どう対応するか?

そう、自信を持って「僕もつまらないと思うんですよ!」と言い放つのです。一流の料理人が、お客様の表情やちょっとした一言から体調を読み取り、味を変化させるのと同じこと。相手に合わせることが究極のおもてなしなのです。

あなたが大の『ワンピース』好きだとしても、その「本当の自分」をつねに貫く必要などどこにもありません。

アットホームな会社に入れば温かい人間になるし、ドライな職場では性格までドライになる。それはごく普通のこと。僕たちは本来、みんなカメレオンなのです。


【ワシづかみポイント】

相手に合わせて言うことを変える

それこそ究極の「お・も・て・な・し」!

【次回に続く】