願いごとが叶うのはたった3ページだけ! 実現もストーリーもショートなランプの魔人召喚ギャグ漫画

マンガ

公開日:2020/10/9

『願いを3P(ページ)だけ叶えてやろう』(大宮宮美/マッグガーデン)
『願いを3P(ページ)だけ叶えてやろう』(大宮宮美/マッグガーデン)

 突然だが、みなさんは叶えたい夢やお願いはお持ちだろうか? 我々が夢やお願いを叶えたいと頼るお願い先の例として、神社やパワースポットや流れ星だったり、あるいはマンガ界の有名どころでは、オレンジ色の半透明の球を7個集めて召喚して現れる“龍”だったり、“ひみつ道具”を使いこなす22世紀のネコ型ロボットだったりがある。基本的には1つだけ夢を叶えてくれるパターンが多いが、“夢の国”作品に出てくるランプから出てくる魔人は、1度に3つまで叶えてくれることも。今回は、ランプの魔人によるお願い実現マンガをご紹介するのだが、もし願いを叶えてくれる魔人と出会うことができたら、私はりまは次の3つのお願いをしたい。

1.この連載「マンガPOP横丁」を永遠に続けたい!
2.連載「マンガPOP横丁」をいつか書籍化したい!
3.テレビやラジオなどのメディアで、POPに特化した企画や番組をやりたい!

 ちょっと現実的ではあるが、その方が魔人にも受け入れられるかなと思ってこの3つにした(業界内のエラい魔人様、よろしくお願いいたします)。もしこれが実現するなら、本来はその状態がずっと続いて欲しいものだが、今回の魔人が叶えてくれるのは、「ある範囲内で」というとても限定的なもの。それは、すべて“3ページ”で完結するというものなのだ。そんな限定的でも夢やお願いを叶えたい人たちの悲喜こもごもを集めたショートギャグ作品、大宮宮美先生の『願いを3P(ページ)だけ叶えてやろう』(マッグガーデン)をご紹介!

まるで大喜利状態!? お願いごとを叶えてもらうのはどんな人?

 なんでも夢を叶えてくれるという魔人を閉じ込めた魔法のランプ。今日もある男性がそれを手に入れ、ランプを擦る。すると、「アッサラーム」と言いながらランプの注ぎ口から出てきたのは、少女のようなランプの魔人・ムニール。早速、魔人が願いのリクエストを聞き入れるのかと思いきや、「ただし願いが叶うのは3ページ分まで」と制限と条件付き! そんな中でも男性は「豪邸に高級料理に美女、豪華な暮らしを僕に!」と願うと、すかさずそれが実現。果たしてムニールは、3ページの中でどんな夢物語を描いてくれるのだろうか。本作は、このほかにも個性的な主人たちによる多種多様なリクエスト達成や、お仕事が終わった後の魔人たちの世界での日常(オフの姿)エピソードなどを描いた、ショート召喚ギャグマンガである。

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 限られたページの中で次々と出される“お題”のようなお願いに、“答え”となるオチが用意されているのはまるで大喜利のよう。どんなムチャぶりでも平和的に叶えてくれる魔人のムニールはとても愛らしくて、読み手をほんわかさせてくれる。そんな可愛い魔人と主人との出会いのシーンを含め、1話4ページのショート構成となっている本作は、作者がTwitter上での企画として発表していたものだ。Twitterでは、1回のつぶやきと共にアップできる画像が4枚までという制限がある。なので、「ページ数を増やして欲しい」という魔人へのお願いがあってもそれだけは不可能というわけだ。媒体の特性を生かしつつ作品に改めて縛りをかける大宮先生、すばらです!

 こうやって作品内でリクエストされる主人たちからのお願いは、実に千差万別。「モテたい」という超ベタなものもあれば、漫画制作的にはめちゃくちゃ楽で賢いお願い(?)もある。どれもぜひとも注目して欲しいところだ。

 さらに、作品のメインである主人と魔人のお願いパートに加えて、ムニールが仕事を終えて戻る“魔人の間”という亜空間での魔人たちのエピソードも随所にある。3ページだけお願いを叶えてくれるというムニールのほかには、いっぺんにお願いを受け入れちゃう魔人、願いを叶える代わりに対価をもらう魔人と、どれも粒ぞろい。彼らの仕事っぷりも見られるし、そこでもムニールの可愛い少女のような素顔が見られるのも注目だ。そしてまた神様も可愛いのだ。


 さて、現在この作品では、リアルにマンガにして欲しいお願いごと(お題)を募集しているそうなので、これに参加してムニールに叶えてもらうのはいかがだろうか?(※2020年10月31日まで。詳しくは本書帯の折り返しでご確認を)

 私が今願うなら、このPOPを作品内のどこかで登場させて欲しいこと…とここで書き残しておこうと思う。

文・手書きPOP=はりまりょう