巴奎依流・文学批評(三島由紀夫)/巴奎依の社会不適号④

アニメ

公開日:2020/10/23

巴奎依
撮影=山口宏之

私は、同世代の中では比較的本を読む方だと思っています。

今はデジタルが主流になりつつあり、私も漫画や雑誌は完全にデジタルで読むことがほとんどです。

ですが何故か小説だけは紙が好きで、というか紙媒体で買うことに拘っていて、表紙のデザインと指ざわり、紙をめくる時間、本独特の香り、ありふれたそういう瞬間がすごく好きだったりします。

あとは、私の読みたいと思う小説がデジタル化されていなかったり、そもそも新品はもう存在していなかったりするので、どうしても紙媒体になってしまうんですよね。

というのは建前で、最近は一日の大半でインターネットを開いてしまい、自分の精神衛生を乱しがちなので、意識的にインターネットを見ないようにしています。

本を読んでいると言うと、「好きな著者は?」と必ず聞かれますので、私は「三島由紀夫」と答えています。(答えたときのそれぞれの反応がとても面白い人物です。)

実は家にある小説の7割は三島由紀夫作品です。
あとは、谷崎潤一郎とか芥川龍之介とか。

このラインナップだけで、私の自己紹介は事足りてしまいますね。
変態的で美しい文章がとても好きなんです。変態的だから美しいのか、美しいから変態的なのかは分かりませんが。

最近映画にもなりましたから、本を読まない人も何となく耳にした名前であろう三島由紀夫と言えば、女性嫌いで、男尊女卑で、なんだか過激な人というイメージの方がほとんどかと思います。

確かに私もそんなイメージでしたが、読めば読むほど、実はものすごく繊細で脆い心が見え隠れしているように感じるんです。

とはいえ私自身は女性ですし、私は女性を敬愛しています。

だから普通に考えたら真逆の思想家である三島由紀夫を読んでいることになります。
むしろ、私が変態なのかもしれない。

「生きる意味を問う」や「不道徳教育講座」を読んだとき、三島由紀夫の思想に少しだけ触れた気になれました。

上記2つはエッセイですが、もちろん小説の中からも一貫した思想を感じられます。

三島由紀夫は、過剰なほどに馬鹿を嫌っている節があるので、登場人物は馬鹿か聡明な人物の両極端であることが多いんです。

そのキャラクターが登場する前後では、馬鹿がどう馬鹿で、それがいかに嫌いかを徹底的に語り尽くし、聡明な人物に対してはその非の打ち所のなさを恍惚と語る。

それが私は最高に気持ちいいんです。
まさに痛快という言葉がぴったり。

ちょっと尖ったことを言えば恰好の的となるこのご時世で、あのとき言えなかったこと・常識的に言っちゃいけないことがいちいち詰まっていて、読むことが最高のストレス発散。

私の中ではそれが三島由紀夫なんです。

不道徳教育講座の中でも馬鹿について語っていて、いろいろな馬鹿の症例やパターンについて書かれているのですが、
三島的に言うのならば、私はきっと、拗らせバカだと思います。

ともえ・けい
1月5日、東京都出身。2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。「DJサブカルクソ女」としても活動中。社会不適合者(自称)。
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