ハイヒールの起源は糞尿避け!? 知りたくなかった中世ヨーロッパ事情/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

ハイヒールの起源は糞尿避け!? 知りたくなかった中世ヨーロッパ事情/毎日雑学

 今回は「ハイヒール」にまつわる雑学をご紹介します。

 足をスッと綺麗に見せたり、身長を高く見せたりなど、ハイヒールは女性には欠かせないファッションアイテムの一つ。しかし、そんなハイヒールは当初オシャレ目的ではなく、別の用途で考案された靴だったことをご存じですか?

 もしかしたら知りたくなかったと思うかもしれませんが、実は糞尿などの汚物を踏まないようにするために履かれていたのです。

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ハイヒールの由来や起源

 それではさっそく、ハイヒールの由来や起源について解説しましょう。日常生活を想像すると、過去においても糞尿などの汚物はハイヒールを履かなくても避けて歩くことができるのでは、と思うかもしれませんが――。

中世ヨーロッパの街並みは汚物まみれだった

 なぜハイヒールが糞尿などの汚物を踏まないために活躍したのかというと、中世ヨーロッパの街は汚物まみれだったからです。当時は下水道などがまだ整備されていなかったことから、糞尿を便器に貯めた後、川や排水溝にそのまま捨てていました。時には道路へと汚物を捨てようと、窓から直接こぼす住民もおり、歩行者に糞尿がかかることもあったのです。

 また、都市によっては道の真ん中が窪んで溝状になっており、この溝に糞尿などの汚水、生ごみなどを捨てていました。その溝の先は大抵が川であり、この時代のヨーロッパの川の水は濁り、衛生状態は非常に悪い状況でした。川の水が生活用水として利用されることもあったことから、疫病などが蔓延することもあったのです。

最初は男性が履いていたハイヒール

 そんな糞尿や汚物まみれの街中を歩くために活躍したのがハイヒールでした。最初は爪先立ちで汚物を踏まないようにしていたのですが、爪先立ちをしなくても履ける靴としてハイヒールが登場したのです。

 大雨が降ったりすると、糞尿を流していた溝がいっぱいになり、町中に汚泥が溢れてしまうこともしばしばあったようです。石畳が中心の道路は常にヌルヌルして汚物だらけの最悪の状態でしたが、このような時にも服の裾を汚さないハイヒールは活躍したそうです。

 また、ハイヒール以外にも、ブーツなどの靴についても糞尿などの汚物まみれの道路を歩くために考案されたといわれています。現代では女性がファッションのために履くハイヒールですが、考案された当時は男性用の履物だったそうです。

 

臭いをごまかすために香水

ハイヒールの起源は糞尿避け!? 知りたくなかった中世ヨーロッパ事情/毎日雑学

 さて、街中や道路が汚物まみれということは、当然ながらその臭いが街中に充満していたそうです。また、当時の紳士淑女は月1回程度の服の洗濯が習慣化していたため、服にカビが生えてしまうこともあったようです。

 そして、現代のようにお風呂やシャワーなどもなかったことから、自ずと体臭もきつく感じたことでしょう。こうした汚物の臭い、服の臭い、体臭などを紛らわせるために「香水」が活躍しました。ヨーロッパでは古くから有名な香水が多く、香水の産業が発展してきたのも、こうした時代背景が関係していたのですね。

 以上がハイヒールの由来やその起源についての紹介でした。

 

まとめ

 ハイヒールは街中に落ちている糞尿などの汚物を踏まないように考案された。

 中世ヨーロッパは下水道が配備されていなかったことから、糞尿などの汚物を道や川にそのまま捨てていた。

 雨の日には街中の地面が汚物でぬるぬるになってしまうことから、爪先立ちが簡単に出来るようにハイヒールを履いていた。

 街中の汚物の臭いや、衛生状態が劣悪だったことによる臭いを紛らわせるために香水が使われていた。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

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※この記事は雑学.comから提供を受け作成しています。