女性の8割は膣が冷えている!? 骨盤がゆがむと血流が悪くなり“膣の冷え”につながる /膣の女子力②

健康・美容

公開日:2020/11/29

性の悩み・不安がスッキリ! 生理のトラブルから、婦人科疾患、不妊、セックスの悩みまで。5万人の膣を診てきた女医が、「人には聞けない不調」を軽くする秘訣を公開!「膣を整える大切さ」を伝える本書から、一部をご紹介します。

膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方
『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(駒形依子/KADOKAWA)

女性の8割は膣が冷えている!?

 膣は女性の体にとって、とても大事な働きをしていますが、診察をしていて感じるのは、膣が冷えている人が多いということ。

 女性の場合、産後、セックスやパートナーに興味がわかず、セックスの頻度が減っていく傾向があります。頻度が減って膣が使われなくなると、柔軟性がなくなり、血流が減少し、どんどん冷えてしまいます。

 また、産後にかかわらず、近年はヒールを履く年齢が早くなり、体がきちんと形成される前に骨盤がゆがんでしまうことで、骨盤内の血流が悪くなり、若い女性でも膣が冷えている人がいます。

 

 あなたの膣も、知らず知らずのうちに冷えていませんか?

 

 あたしは、膣が温かいなら子宮も温かいし、膣が冷えているなら子宮も冷えていると思っています。なぜなら、子宮と膣はつながっているからです。

 実際、生理痛はもちろん、子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気をつくる大きな原因は、「子宮の冷え」と言われています。

 でも、きちんと検証しないと納得できないあたしは、本当にそうなのかを調べるため、勤務医を辞めてフリーランスの医者として「子宮がん検診」のアルバイトをしまくることで、疾患がある人の膣だけでなく、健康な人の膣も確かめました。

 こうして、子宮と膣の状態に密接な関係があるかどうか、1日30〜70人を週4〜5日のペースでいろいろな場所を転々として5年間、自分なりにデータを取り続けた数、およそ5万件!

 自分の指先の温度を一定に保つ努力をしたうえで、自分の指先よりも膣のほうが冷たく感じるのか、それとも温かく感じるのかをひたすら調べていきました。正確な温度を測ったわけではなく、あくまでも感覚ですが……。

 それと同時に、冷えていると感じる人と温かいと感じる人の妊娠・出産歴、おりものの状態、疾患、生理周期、過多月経や生理痛の有無もチェック。

 

 自分の興味のためにひたすらメモを取り続けた結果わかったことは、平均8割の人の膣が冷えているということ。

 また、冷えていると感じた人の妊娠・出産歴は少なく、なんらかの婦人科の既往症のある人が多かったのです。

 逆に、温かいを通り越して熱いと感じた人は多産傾向で、婦人科の明らかな既往症がある人は少ない印象でした。

 

「自分には既往症はないから大丈夫!」と思うかもしれませんが、ずっと膣が冷えている人の多くは、自分の膣が「冷えている」と感じていません。なぜなら、冷えているのが当たり前だから。

 そして、基本的には男性が女性の膣を触るときというのは、婦人科医の診察以外ではセックスのときですよね?

 その際はいろいろな刺激で、膣自体に血流が集まっている状態なので、平常時よりは当然、膣は温かくなっています。そのため、男性に指摘されることもあまりないはずですから、膣の冷えを自覚する機会はかなり少ないと思います。

 

 そこで、「平均8割の女性の膣が冷えているのであれば、自分の膣も冷えている」という前提でケアするのがいいでしょう。

 

 膣が冷えているかどうか知りたい人は、入浴時に手が温まっている状態で、膣に指を入れてみてください。指にヒヤッとする感覚があれば、膣が冷えている証拠です。

 本来、膣は閉じているのですが、膣がゆるんで外の空気が入ったり、筋肉が少なくなって血流が減ったりすることで、膣が冷えてしまうのです。

 あたしたちの体温は、流れる血液が温かいから保たれています。そのため、流れる血液量が減れば、その部分は当然、冷えてしまいます。

 これまで膣に意識を向けてこなかった人は、自分の膣の状態に不安を抱えているかもしれません。

 でも、大丈夫! 次章以降のアドバイスで、あなたの膣は生まれ変わります。

 ぜひ、楽しみに読み進めていってくださいね。

<第3回に続く>