これをやると、お客様の信頼を失う! 絶対に営業マンがやってはいけない3つの言動/ヨイショする営業マンは全員アホ③

ビジネス

公開日:2020/12/12

きれい事一切なしの超実践型、現場営業論! 「最初の雑談はすっ飛ばしてもいい」「お客様の信頼を失う行為」など、著者が営業マンとして現場で気づいた“売れる”人間力を生み出す39の法則から、一部を抜粋してご紹介。

ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則
『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(宋 世羅/飛鳥新社)

お客様の信頼を失う行為

「営業マンは信頼が一番大事」とよく言われますが、これに関しては本当にその通り。金融商品という目に見えない商品や、高額商品を扱う営業マンは、信頼がほぼすべてなんです。そんな中で、これを言ってしまう、やってしまうとお客様からの信頼をなくしてしまう言動が三つあります。

 

ポジションを取らなければ信頼を失う

 たとえば、自分がガンになったとします。抗ガン剤治療を受けるべきか、あるいは放射線治療を受けるべきか、どちらがよいか医者に聞いた時に「いやぁ、どっちもどっちで……私の口からはなんとも……」と歯切れの悪い返答をされたら、その医者に対する信頼は一瞬でなくなると思うんです。

 こちらだって、どっちもどっちだなんてことは分かっている。その上で一人の医者として、あるいは一人の人間として、プロのあなたが本音ではどう思ってるんだ? ということが聞きたいわけです。

 それについて、ポジションを取らない、言い切らない人は信用されません。

 なぜ言い切らないのかを紐解くと、結局は責任を負いたくない、自己防衛に走っているからなんですね。言ってしまえば全く優しくない。優しいふりをした悪魔だということです。

 特に、商談相手が経営者の方だったりすると、こういった責任逃れやはぐらかししか考えていない奴は一瞬で切られます。歯切れの悪さが信頼を失わせるのです。

 

 とは言っても、コンプライアンスの問題などで、言い切れないことも多々あります。そんな時に使えるテクニックがあるのでお教えします。

 それは、「言い切れないことを言い切る」という方法です。

 たとえば、お客様から、AとBのどっちがいいですかと聞かれた時に、まだ言い切ってしまうとまずいという状況があったとします。前述したように、もちろん返事をはぐらかすわけにはいきません。なので、

「結論を言ってしまうと、どちらとも言い切れないんですよ」

 という言い方になるわけです。

 私はいつも自分の考えたことをズバッと言い切る人間です、しっかりポジションを取る人間です、と。ただ、その私が、今回は「どちらとも言い切れない」というポジションを取っています、ということを伝えるわけです。

 ポイントは、最初に「結論を言ってしまうと」という文言をつけること。確固たる自信を持って「ポジションを取らないというポジション」を取ったというニュアンスを相手に伝えるようにしてください。

 

レスポンスが遅いと信頼を失う

 次に信頼を失う行為が、レスポンスの遅さです。これはイメージがつきやすいと思うのですが、お客様からの電話やメールの返事は早ければ早いほどいい。レスポンスが遅い営業マンは、なかなか信頼値が積み上がっていきません。

 

 信頼値を上げるためには、大きなことをしたり、すごくトリッキーな工夫をするよりも、対応を早くするといった、当たり前のことをいかに当たり前にこなしていけるかが大事です。小さなことの積み重ねが信頼値として積み上がっていくわけです。

「レスポンスが早い」「安心感がある」「信頼できる」「仕事ができる」「年収が高い」。これらはすべて「=」で繫がっていると思ってください。

 

 とはいえ、レスポンスが遅れてしまうことも当然あります。数時間前に社長から電話がかかってきたけど取れなかったとか、時間が経ってから着信に気づいたという場合は、当然こちらから連絡することになるわけですが、この時に一言目に話すといい文言があります。

 電話先に相手が出た瞬間、開口一番に「すみません、今、面談が終わりました」と言うのです。

 つまり、「私はいつもレスポンスに関してすごく意識している営業マンですが、面談があったので社長からの電話に出ることができませんでした。面談が終わってすぐに折り返していて、あなたへの優先順位は高いです」というニュアンスを伝えるのです。

 こういったフォローのニュアンスをしっかり伝えるのも一つのテクニック。ともかく、レスポンスが遅れれば、信頼はどんどん失われていってしまうのです。

 

結論から言わなければ信頼を失う

 私は今、保険の営業をしているのですが、たとえば「学資保険って、入ったほうがいいですか?」とお客様に聞かれたとします。これになんと答えたらいいかというと「学資保険には入ったほうがいいです」か「学資保険には入らないほうがいいです」の二択。このどちらかです。

 

 センスのない営業マンは、「いや、学資保険というのは……」と、保険の仕組みを説明したり、「あなたのご家庭の場合……」などと、状況を説明してしまうのですが、「学資保険に入ったほうがいいですか?」と聞いているということは、お客様が求めている答えは、イエスかノーかの二択なんです。

 

 相手が求めていることに答えられるかどうかは、本質的なものです。結論から言えない人間は、相手が求めていることに答えられない人間ということ。言ってしまえば、空気が読めていません。

 お客様の立場で考えれば、求めていない事柄をだらだらと話されるのはイライラするし、面倒くさい。こういう営業マンは信頼を失います。

 聞かれたことに対しては、まず結論から。デメリットや不確定要素などを伝える場合は、相手が求めているイエスかノーかを先に出して、その理由や説明でぼかしていくといいでしょう。

<第4回に続く>

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