クレーム対応は、お客様の心をつかむチャンス! クレーム客をファンにするテクニック/ヨイショする営業マンは全員アホ⑨

ビジネス

公開日:2020/12/18

きれい事一切なしの超実践型、現場営業論! 「最初の雑談はすっ飛ばしてもいい」「お客様の信頼を失う行為」など、著者が営業マンとして現場で気づいた“売れる”人間力を生み出す39の法則から、一部を抜粋してご紹介。

ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則
『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(宋 世羅/飛鳥新社)

クレームは100%受け止めろ

クレーム客をファンにする方法

 株というものは、上がるか下がるかの二択です。株を取り扱う証券マンであれば「あなたがいいと言った株で損したんだけど!」などのクレームは、誰でも受けたことがあると思います。

 そんな時にどう対応したらいいか。クレームをつけてくるお客様を自分のファンにする方法というものがあります。これは営業マンだけでなく、接客業の方や、彼女や奥さんと喧嘩した場合にも使えるテクニックなので、ぜひ参考にしてください。

 まず、クレームの結果には三つのパターンがあります。

①対応後、信頼を失い、関係が終わる
②対応後、誠意が伝わり、今まで通りの関係が続く
③対応後、信頼値が上がり、お客様がファンに変わる

 多くの営業マンは、クレーム対応をしたけれど、結局喧嘩別れして離脱されてしまうという、この①のパターンになっていると思います。

 もちろん、どうせクレーム処理をするのであれば、狙いたいところは③のパターン。そんな魔法使いのようなことができるのかと思われるかもしれないですが、できます。

 

お客様が怯むまで、自分を殴る

 クレームから転じてお客様をファンにするためには、五つの工程があります。

 まず一つ目は、クレームを100%受けること。たとえば「あなたから買ったパソコン、すぐ壊れたじゃないの!」「アホ!」「詐欺師!」といった具合に、はじめからお客様が怒り狂っているとします。

 この時やりがちなのが、「お気持ちは分かるんですが、その部分に関しては……」「おっしゃる通りなんですけど、事前に説明しましたよね?」という感じで、どこかで否定してしまうこと。容疑は認めるが、一部否認という形ですね。これをやってしまう人がとても多い。

 結論、これはセンスがない。

 これをやってしまうと、お客様をファンにすることはできないので、どれだけ理不尽なことがあっても、一番最初の段階では、

「本当に申し訳ございません、100%私の責任です」

 とすべてクレームを受け入れてください。これが第一工程です。

 

 次にするのは、自分で自分を殴ってください。もちろん、物理的に自分の顔にグーを入れろという話ではありません。

 どういうことかと言うと、100%クレームを受け入れた上で「〇〇様にこれだけ迷惑をかけて、私は人間のクズです」「ビジネスマンとして、生きる価値がないです」「つきましては、明日会社を辞めます」「地元に帰って、ゼロからやり直します」と、まあ、ここまでではないにせよ、仮にクレームのお客様にこのようなことを言うと、どうなると思いますか? 怯むんですよ。

「別に、そこまで言ってないのよ」

「あなた……ちょっとダメージ受けすぎじゃない?」

 という感じに隙ができる。

 これが狙いなんです。これが第二工程です。

 

 そして第三行程。お客様が怯んで、隙ができた段階で初めて営業マンが主導権を握ります。「大変恐縮ですが〇〇様、これだけは言わせてください」と、こちらが弁明する状況をつくりだします。

 

「お互いがマイナスになります」

 ここからが第四工程。この段階で初めて営業マンとして弁明をしていきます。弁明するのにもポイントがあります。

「そうは言ってもお客様、先週の火曜日にお会いした際に説明書の〇ページのこの部分を確認しましたよね?」

 といったふうに、事細かに正論を突きつけてしまうと、後々にファンになってもらえません。どう言えばいいかというと、超抽象的に弁明するのです。

 先ほどの、パソコンのクレームでたとえるとこうです。

 

「私は〇〇様のことを思って、本気で仕事をしました。本当にいいと思ったパソコンだからこそ、〇〇様にご提案したんです。騙そうというようなつもりは、さらさらございませんでした。〇〇様にとって本当にいいと思ったからこそご提案させていただいたんです」

 

 と、このように抽象的に説明するんです。具体的な話にしてしまうと、言った、言わないの水かけ論になり、こじれていってしまうので、ここでは「〇〇様のためを思ってオススメしたという気持ちにウソはないです」と、超抽象的に弁明してください。

 ただし、この弁明だけではお客様はファンにはならないので、この後の第五工程に移ります。

 次の例文はこうなります。

 

「今回は私のミスでこのような事態になり、本当にすみません。今、〇〇様と担当者である私は対立している状態で、この関係をつくったのは100%私の責任です。

 〇〇様は私の大事なお客様ですから、この件で〇〇様と私の関係が途切れてしまうと、大事なお客様を失うことになってしまいます。それは個人的にも、会社としてもとても悲しいことです。

 そして、〇〇様にとっても、私を失うということは、長い人生の中でマイナスになると思います。誰にとってもマイナスでしかありません。

 そこで、対立構造をつくった私が言うのは大変恐縮なんですが、この構図を、今から私と〇〇様が同じベクトルに向かっていくようにできないでしょうか」

 

 つまりどういうことかと言うと、「今、対立しています」という構図を、まずお客様に認識させる。

 その上で、「ここで離れてしまうと、全員がマイナスになります」「それはよろしくない」「一緒の方向に行けば、将来お互いにプラスなります」と断言しちゃうんです。

 半ばパワープレイでもあるので、センスが出るところでもあるのですが、クレームというマイナスから、がっちりとスクラムを組んで一緒にやっていきましょうとプラスに転じさせること。これがクレーム対応の秘訣です。

<第10回に続く>

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