「八つ刻」に食べるから「おやつ」! 3時のおやつは江戸時代からあった/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

「八つ刻」に食べるから「おやつ」! 3時のおやつは江戸時代からあった/毎日雑学

 今回は「3時のおやつが誕生した理由と由来」など、お菓子にまつわる雑学を紹介します。

 現代では当たり前のように「3時のおやつ」という言葉が定着していますが、なぜ3時におやつが食べられるようになったのかご存じでしょうか? 「おやつ」という言葉が誕生したのは江戸時代のことで、当時からこの時間帯におやつが食べられていたそうです。実は「3時のおやつ」はかなり理にかなっており、おやつを食べる時間として最適だとされています。

3時のおやつが誕生した理由とは?

 それではさっそく「3時のおやつが誕生した理由と由来」について解説していきましょう。

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「おやつ」という言葉が誕生したの冒頭でも解説したように江戸時代のことでしたが、当時は2~4時の間に取る食事を意味していました。

おやつは食事のことだった

 かつては2時~4時の時間帯のことを「八つ刻(やつどき)」と呼んでいました。そのため、「八つ刻(やつどき)」の時間帯に取られる食事のことを「おやつ」と呼ぶようになったのです。現代では1日3食が定着していますが、意外にも昔の日本人は1日2食が当たり前だったとされています。1日3食となったのは江戸時代中期に差し掛かってからで、それまでは朝食と夕食の2食しかなかったのです。

 農作業や仕事の休憩中に間食を取ることもあったそうですが、江戸時代を迎えるまでは「おやつ」という概念はありませんでした。江戸時代中期を迎えると人々の生活もだんだん豊かになったこともあり、「八つ刻(やつどき)」である2~4時に間食を取る生活が根付き始めました。そして、「朝食」「おやつ(間食)」「夕食」という1日3食が取られるようになったのです。

 また、この時代には白砂糖の製法が確立したことから、和菓子を扱った店も多くみられるようになりました。「おやつ」は朝食と夕食の間に食べる軽い食事のことでしたが、おやつにはこうした和菓子が食べられることも多かったそうです。そのため、その頃からおやつの時間に甘い物を食べるという風習が存在していたのです。

いつから3時のおやつが定着した?

「おやつ」の時間帯は元々は「八つ刻(やつどき)」である2~4時でした。

 それでは、いつから「3時のおやつ」が定着するようになったのかというと、1960年代だったとされています。3時のおやつというフレーズが定着するようになったきっかけは、1960年代前半から放送が始まった「文明堂のカステラ」のテレビCMだと考えられています。「文明堂のカステラ」のテレビCMはかなり長い期間にわたって放送されていたことから、現在30歳以上の方は一度はこんなCMソングを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

♪カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂

「八つ刻」に食べるから「おやつ」! 3時のおやつは江戸時代からあった/毎日雑学

 それまでにも、昼食と夕食の間の小腹の空く時間帯におやつを食べる食文化はありました。しかし、「3時のおやつ」というフレーズを広く浸透させたのはこのCMソングだったとされています。

3時のおやつは健康的

 実は午後3時におやつを食べるのは、他の時間帯におやつを食べるよりも健康的だとされています。

 人間の身体には「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれるタンパク質が備わっており、これは別名「肥満遺伝子」とも呼ばれています。「BMAL1(ビーマルワン)」は脂肪を貯め込もうとする性質を持っていますが、この活動が低下するのが10~16時だとされています。そのため、10~16時は、他の時間帯に比べておやつなどの高カロリーで甘いものを食べても太りにくい時間帯であるというのです。

「八つ刻(やつどき)」に食べられていたことから、たまたま3時の風習として定着したおやつですが、意外にもこの時間にたべるおやつは理に適っていたんですね。

(しかし、いくら食べても太らないということではないので、くれぐれも食べすぎには注意してくださいね…。)

逆におやつを食べてはいけない時間

 逆におやつを食べてはいけないとされる時間帯は22時以降から深夜にかけてです。この時間帯は最も「BMAL1(ビーマルワン)」が活発に活動するため、脂肪が最も増えやすい時間帯でもあります。ダイエットにおいては「朝食をたくさん食べて夕食を控えるようにする」ということをよく耳にしますが、実はこのような根拠もあったのです。

 しかし、寝る前になると口寂しくなって、どうしても小腹が空いてしまうことってありますよね? そんな時はおやつなどの甘い物を食べることは避けるようにして、なるべく低カロリーのものを食べるようにしましょう。どうせおやつを食べるなら、体重を気にしないで食べられる午後3時に食べた方が、より美味しく味わうことができますよね。

 以上が「3時のおやつが誕生した理由と由来」についてでした。

 

まとめ

 3時のおやつの風習が始まったのは江戸時代中期のことで、元々は朝食と夕食の間の食事のことだった。

 日本人は元々1日2食だったが、「八つ刻(やつどき)」である2~4時の時間帯にも軽食がとられるようになり、それを「おやつ」と呼ぶようになった。

3時のおやつというフレーズを広く浸透させたのは1960年代に放送が始まった「文明堂のカステラ」のテレビCMだったとされている。

 10~16時の時間帯は比較的脂肪を貯め込みづらい時間帯であることから、おやつを食べるのに適しているとされる。

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※この記事は雑学.comから提供を受け作成しています。