煉獄が炭治郎にかけた言葉。あと一歩を踏みだし、さらなる成長へ…!/「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉⑩

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公開日:2021/1/2

「鬼滅の刃」がヒットした理由は、自分の弱さと向き合い、葛藤し、それでも立ち上がろうとするキャラクターたちの“折れない心”にあるのではないでしょうか。そんなキャラクターたちが放った“言葉の力”に注目した1冊から、『鬼滅の刃』で生まれた名言をご紹介します。

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉
『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉

 鬼の上弦の参・猗窩座との戦いで深い傷を負った煉獄。体力の限界を察して逃げる猗窩座に向かって大声を上げる炭治郎に、「もうそんなに叫ぶんじゃない 腹の傷が開く 君も軽傷じゃないんだ 竈門少年が死んでしまったら俺の負けになってしまうぞ」と優しく語りかけます。

 そして、「話をしよう」と自分の傍へと呼び寄せ、炭治郎に生家の煉獄家へ行くことを促します。この言葉は、「俺は君の妹を信じる 鬼殺隊の一員として認める」「命をかけて鬼と戦い人を守る者は 誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」と言ったあと、炭治郎に鬼殺隊の未来を託したときの言葉です。

 

 あなたはいま、胸を張って生きていますか。

 悩みや不安、劣等感がなく、つねに自分に自信があり堂々とできる人は、数少ないのではないかと思います。

 

「胸を張って生きること」は、才能や能力とは比例していません。才能や能力がある人が胸を張って生きているかといえば、必ずしもそうではないのです。

 才能や能力があるゆえの悩みもあります。たとえば、失敗ができないプレッシャーに押しつぶされそうになっていたり、追随する人が少ないゆえに孤独感を抱いてしまったりということがあります。はたからは理解しづらいかもしれませんが、それによって胸を張って生きられない人も少なくないのです。

 

 では、「胸を張って生きる」ために必要なものはなんでしょうか。それは、「自己肯定感」です。

「自己肯定感」とは、自分のあり方を評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情です。

 すなわち、自らの行動や考え方、在り方や存在意義を肯定して生きることこそが、「胸を張って生きる」ということなのです。

 

 では、どのようにして自己肯定感を高めればいいのでしょうか。それは、ありのままの自分を認めることです。

 家族や先生、友だち、恋人など、あなたにとってかけがえのない誰かが、あなたを誉め、存在を認めてくれることが、自己肯定感を高めるには1番です。

 しかし、誰かから褒められても、必ずしもすべての人の自己肯定感が上がるわけではありません。むしろプレッシャーによって自己肯定感が下がることさえあります。

 だからこそ、自分でも自分を認め、自分自身に「生きている価値を自ら与える」ことが必要なのです。

 

 煉獄は戦いのあと、炭治郎たちに「もっともっと成長しろ」「君たちを信じる」と伝えます。胸を張って生きる煉獄の姿は、後輩の炭治郎や善逸たちが再び修行に向かうきっかけになったのです。

 あなたも胸を張った姿で生きてください。そしていずれ、あなたのその胸を張って生きる姿に気がついた人が、あなたの味方になってくれるでしょう。

<第11回に続く>

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