仲間を救いたい! 最後まで必死に喰らいつく炭治郎の言葉。過去の後悔が勝利の原動力になる/「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉⑫

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公開日:2021/1/4

「鬼滅の刃」がヒットした理由は、自分の弱さと向き合い、葛藤し、それでも立ち上がろうとするキャラクターたちの“折れない心”にあるのではないでしょうか。そんなキャラクターたちが放った“言葉の力”に注目した1冊から、『鬼滅の刃』で生まれた名言をご紹介します。

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉
『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉

 全身に重傷を負いながらも、鬼の上弦の陸・堕姫と妓夫太郎を倒す寸前のところまで追いつめた炭治郎たち。長引く戦いで体力を奪われていくなかで、早く2人を倒して仲間を救いたい想いで誰もが必死に戦います。しかし、炭治郎は妓夫太郎の首を斬る絶好の機会を得たものの、寸前のところで撥ね返され反撃にあってしまいます。これは「もう少し…もう少し…」と、なんとかして踏ん張り、鬼の首を狙い続けているときの炭治郎の心の声です。

 

 あなたは何かずっと胸につかえていて取れないような大きな後悔がありますか。それはどんなときのどんな出来事でしょうか。

 

「戦いに勝って勝負に敗れる」という言葉があるように、炭治郎たちは下弦・上弦の鬼と戦って勝利をおさめたものの、たくさんの仲間を失ってしまいます。

 下弦・上弦の鬼を倒すことは、鬼を滅するという面では喜ばしいことです。しかし、それによって多くの仲間が犠牲になってしまうと、喜びよりも大きな後悔がのこってしまいますね。

 

 後悔とは文字の通り、何かがおこる前ではなく、必ず何かの後におこるものです。後悔の多くは、自分に対する悔しさからくる思いではないでしょうか。

 苦しくてもつらくても、最後まで喰らいついて戦っていたのに負けてしまう。あるいは、最後まで戦い、勝利したにもかかわらず、大きな代償を払ってしまった。あきらめず戦ったからこそ、悔いがのこることもたくさんあると思います。

 

 何かを得ることは何かを失う、何かを犠牲にすることでもあります。つまり、勝っても後悔することはあるのです。

 だからといって、いえ、だからこそ、あきらめてはいけないのです。何度も何度も、最後の最後まで完全に勝利するまで喰らいつかなければ勝てませんし、失いたくないものを失ってしまいます。

 

 一方で、人は過去には戻ることができません。

 人生を振り返ったときに、「もし、あのとき◯◯していたら」などと後悔がいくつも浮かぶ人もいるでしょう。でも、その後悔していることをなかったことにはできないのです。

 もし、何か後悔していることがあるとしたら、二度としたくないその思いを原動力に、自分を鍛え、物事を成し遂げましょう。何かを成し遂げた達成感は、自分に自信をもたらしてくれます。そしてこの自信は、あきらめなければなんとかなる、という強い確信にもつながるはずです。過去の後悔は、これからの自分の力に変えることができるのです。

<第13回に続く>

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