巴奎依という人/巴奎依の社会不適号⑬

アニメ

公開日:2020/12/25

巴奎依
撮影=山口宏之

「私生活が想像できない」とよく言われるタイプの人間でした。

周りからどんなふうに見られているのかあまりわからないので、私としては「こんなに分かりやすいのに?」と思うのですが、
周りからの評価や自身をどう見られているかに全く興味がなく、もしかしたらその感覚が、私を想像しにくい人間にしているのかもしれません。

私の価値観が確立されるまで、それこそ中高生の頃までは、周りが気になって、評価が気になって、考え込むことが多かったですが、
たとえ同じ日本人同士であっても、話が通じないことがあることを知ってからは、何も気にしなくなりました。

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本当に心から、あいつは最低な人間だと思われていても、別にいいと思うんです。

何か良くない噂話をされたとき。
それが事実無根であることを証明したくなるし、誤解を解くために時間を使いたくなります。

そうしている時期もありましたが、人間はひとりひとりが確立している別の生命体ですから、
どんなに力説しても、説得したつもりでも、それぞれが「こう思いたい」というそれぞれの理想の考え方からは、動かないように思っていて。

例えばファンがアイドルを純粋だと思いたいと願ったら、アイドルは純粋なんです。

そのアイドルが自身の悪さを語ったとしても、「自身の悪さを自分の口から語れるなんて、なんて真っ直ぐな人なんだ」と評価される。

ポジティブな話もネガティブな話も、人の評価ってこの仕組みな気がしています。

だから、人からの評価に興味を持てないのですが、私は良い人間でも悪い人間でもないので、私生活は至って普通です。

スマホ内に搭載されている歩数計が100歩未満のこともザラにあるし、お菓子を食べてドラマを観て1日が終わることもあります。

かと思えば、めちゃくちゃお酒を飲む日もあります。本当に普通です。

では、何が普通ではないかと言うと、モンゴルのクォーターというキャラクター性な気がします。

私自身も嘘みたいなキャラクターだと常々思っているのですが、おじいちゃんは確かにモンゴル人でした。

アニメのキャラだとしても、バグり過ぎな設定です。

とはいえ、モンゴルに行ったこともないし、現地の言葉をしゃべれもしないし、おじいちゃんに会ったことも数えるほどしかないので、あまり実感はありません。

しいて言うなら、肌の色やモンゴルの真上に位置するロシアっぽさ、寒い国の雰囲気を、少しだけ見た目に受け継いだことです。
モンゴルの中でも、生まれた位置が関係しているのかなと、思います。

実はクォーターであることをカミングアウトしたのはつい1年くらい前で、特に語るほどのことでもないと思い、「本当にハーフじゃないの?」と聞かれても、ずっと流してきていました。

ちょっとずつ、本当にちょっとずつ、
自分のことを話してみよう、という気持ちになれているのかもしれません。

ともえ・けい
2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。現在、インターFMにて毎週土曜28:30〜「DJサブカルクソ女の音楽解体新書」にてDJ番組を担当、2021年1月13日(水)にDJCD「A応P BEST DJCD PRODUCED by DJサブカルクソ女」をリリースするなど、「DJサブカルクソ女」としても活動中。自身の誕生日の2021年1月5日に「巴奎依25th生誕祭 To♡my FANATIC」を開催することが決定している。社会不適合者(自称)。
公式Twitter:@kei_tomoe
公式Instagram:kei_tomoe_official