江戸時代から使われている「やばい」。その語源は牢屋? 射的場?/毎日雑学

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公開日:2021/1/8

江戸時代から使われている「やばい」。その語源は牢屋? 射的場?/毎日雑学

「やばいの語源と由来」など、日本語にまつわる雑学を紹介します。

 現代では若者だけでなく「やばい」という日本語が広く使われており、年長者の方にとっては「言葉の乱れ」が気になるかもしれません。しかし、やばいという言葉は最近の若者によって使われだした日本語ではなく、実は江戸時代から既に存在していたのです。

 今回は「やばい」がどのようにして誕生した言葉なのか、その語源と由来について解説していきます。

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やばいが登場したのは江戸時代?

 それではさっそく「やばい」という日本語について解説していきましょう。

 冒頭でも軽く触れましたが、「やばい」という言葉が登場したのは近代ではなく、江戸時代には既に存在していました。「やばい」に似た表現として、実際に十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも「やばなこと」という表現が用いられています。そして、当時も現代と同じように「悪い状況」「不都合な状況」といった意味で使われていたのです。

 しかし、1990年代を迎えたころから「やばい」は肯定的なニュアンスの言葉としても使われるようになりました。現在では「やばい」といえば、「凄い」などの意味で使われることも多く、感嘆詞のような用いられ方をしていますよね。

やばいの語源と由来

「やばい」という言葉の語源や由来は諸説ありますが、はっきりとわかっていないのが現状です。いくつか存在する説の中でも、有力だと考えられている説を紹介していきましょう。

牢屋を語源とする説

江戸時代から使われている「やばい」。その語源は牢屋? 射的場?/毎日雑学

 まず「牢屋を語源とする説」について紹介しましょう。

 昔は牢屋を守る看守のことを「厄場(やば)」と呼んでいました。そして、泥棒などの犯罪者にとって、厄場(やば)は当然ながら関わり合いたくない存在でした。そのため、状況が悪くなって厄場(やば)の世話になりそうな悪い状況のことを「やばい」と呼ぶようになったという説です。また、掴まって囚人となった後、よからぬことをしようとして厄場(やば)に見つかりそうになった時に囚人同士で「やば」と教え合っていたという説もあります。このように、元々は犯罪者たちの間で使われていた隠語だったと考えられています。

射的場を語源とする説

 他には「射的場を語源とする説」も存在します。

 昔は射的場のことを「矢場」と呼んでおり、江戸時代の矢場は一部で悪事の巣窟ともなっていたそうです。そのため、下手に矢場に近づいてしまうと、悪事に関与しているのではないかと、役人に目を付けられる危険もありました。そのような場所だったことから「やばい」と呼ばれるようになったという説です。

「やば」という形容詞を語源とする説

 また、「やばい」という言葉が登場する以前から「やば」という言葉が存在していたという説もあります。この場合の「やば」は、「不都合」や「状況が悪い」ということを意味する形容動詞として使われていました。そして、「い」を付けることで形容詞として用いられるようになったという説です。語源ははっきりしませんが、この形容詞の「やばい」についても、犯罪者などの間で隠語として用いられていたと考えられています。

 以上が「やばいの語源と由来」についてでした。

 

まとめ

「やばい」という言葉は江戸時代から既に存在しており、文献にも「やばなこと」という表現が登場している。

 意味については江戸時代からほとんど変わっておらず、悪いことが起こりそうな状況を指す言葉である。

 語源は諸説あり、一つは牢屋の看守が「厄場(やば)」と呼ばれており、泥棒などが捕まりそうになる隠語として「やばい」と表現したという説がある。

 また、昔は射的場を「矢場」と呼んでおり、矢場で悪事が行われていたことに関連する語源の説もある。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

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