面倒なことは習慣化が大事! 習慣化されるまでの期間と、苦痛な待ち時間をゼロにするコツ/面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本①
公開日:2021/2/8
「面倒くさい」ことに取り組むとき、どのように取り組んでいますか? 面倒くさいと思わないようさまざまな工夫をしてみても、ふと気づくと後回しにしてしまっていたなんてことも…。本書では、面倒なことを減らす仕組みと、ラクに取り組むためのコツをご紹介します。
とりあえず最初の3週間は、苦しくてもやめないのがコツ
私たちは、習慣化されたことなら、面倒くさがらずにすることができます。
なぜなら、習慣だからです。習慣というのは、もうやるのが当たり前というか、やらないと逆に落ち着かないような行動のことをいいます。
面倒くさいことを、面倒くさがらずにやるコツは、とにかく習慣にしてしまうこと。
いったん習慣にしてしまえば、もう後は自動的にやることができます。苦しいとか、辛いとか、そういうこともほとんど感じません。
毎日、髪の毛を洗うことを習慣にしている人は、髪を洗うたびに面倒くさいと感じるかというと、絶対にそんなことはありません。
いちいち、やる気など引っ張り出してこなくとも、人間はそれをできるようになります。どんなに辛いことでも、自動的にできるのなら、こんなにラクなことはないですよね。
みなさんは、「毎日30キロ走れ」と言われたら、どうですか。とてもではありませんが、絶対にムリだと思うのではないでしょうか。そんなことは面倒くさくて、とてもやる気にはなれません。
けれども、シドニー・オリンピック女子マラソンの金メダリスト、高橋尚子さんは現役時代には毎日30キロを走ることを日課にしていたそうです。
本人にとっては、それは習慣であって、まったく苦痛など感じなかったでしょう。「やるべきことをやっているだけ」という意識しかなかったと思います。
ある行動を習慣化するには、早い人で3週間かかります。ですから、最初の3週間は、どれほど辛かろうが、苦しかろうが、音を上げてはいけません。歯を食いしばってでも、毎日必ずやりましょう。「3週間経てば、ラクになる」と思って、この時期は休まずにつづけるのです。
ロンドン大学のフィリップ・ラリーは、大学生に「新しい習慣を形成させる」という実験をしてみました。
ランチのときに果物も一緒に食べるとか、朝食後に1杯の水を飲むとか、それまで自分でやっていなかった新しい習慣を形成させたのです。
参加者たちは毎日記録をとって、それをすることがまったく苦にならないレベル、すなわち習慣化されるまでの日数を測りました。
その結果、習慣が自動化されるまでには、かなりの幅があったのですが、だいたい18日から254日までの日数で習慣ができることがわかったのです。早い人では約3週間と言えます。
ただし、ここに重要な点があります。
習慣を形成するには、休まずにやらないとダメなのです。やったり、やらなかったり、ということでは習慣が形成されるまでに、どんどん時間がかかります。
200日も、300日もかかるのではイヤですよね。
なるべく早く習慣化したいのであれば、最初の3週間を乗り切って、さっさと習慣を身につけてしまうのがポイントですよ。
「待ち時間」は、他の何かを「する時間」に変えてみる
日常生活の中には、「この時間って、まったくムダだよな」と思われるものが少なくありません。
そういうものに気づいたら、できればその時間を他の何かに当てる時間に変えてください。
そうすれば、いちいち待たされて面倒くさいと感じることがなくなります。イライラもせずにすみます。
たとえば、パソコンが起動するまでの待ち時間。
パソコンの電源を入れても、しばらくは作業ができません。パッと起動するわけではないからです。
起動するまでの時間は、せいぜい1分くらいなものだと思うのですが、それでも「待たされるのが面倒くさい」と思いませんか。
私は、面倒くさいと感じるタイプですから、いつでも机の上には、読みかけの本を置いておきます。そして、「起動するのに待たされる時間」を、「読書の時間」に変えています。
読書でもしていないと、面倒くさいんですよ。
じっとパソコンが立ち上がるのを待っているだけというのは。
同じことを、東京大学大学院の西成活裕さんも実践しているそうです。
西成さんは、電源を入れてもしばらく作業に取り掛かれない時間がムダなので、その間にトイレに行くとか、書類に目を通すとか、何か別のことをやるようにしているそうです(西成活裕著、『無駄学』新潮選書)。
「面倒くさいな」と感じるのは、いちいち待たされることが原因かもしれません。
なのであれば、待たされる時間をゼロにすること、つまりは、「他のことをする時間」にするのが一番いいアイデア。そうすれば、面倒くさいとも感じなくなりますよ。
現代人は、やることをたくさん抱えています。ですから、昔の人に比べると、待つ時間が面倒くさいと感じることも多いと思います。
米国ネブラスカ大学のフィオナ・ナーは、ウェブのユーザーが情報をダウンロードするのに、どれだけ待てるのかを調べてみたことがあります。
いったい、どれくらい待てると思いますか。
正解を言うと、「わずか2秒」ですよ。たった2秒でもダウンロードが終了しないと、ユーザーはイラッとするらしいのです。
面倒くさくてイライラしたくないのであれば、「他に何かすること」を決めておきましょう。そうすれば、面倒くさいと感じなくてすみます。
電車やバスを待つ時間ですとか、信号機が青に切り替わるのを待つ時間ですとか、日常生活の中には、いろいろと待たされる時間があります。
そういう「面倒くさい時間」は、何か他のことをするといいでしょう。
受験生なら、英語の単語帳を持ち歩いて、ちょっと勉強するのもいいですね。「スマホでの情報検索の時間」にしてもかまいません。
たいしたことはできないかもしれませんが、他に何かすることがあれば、いちいち面倒くさいと感じずにすみ、精神的な健康にもいいだろうと思うのです。
この記事で紹介した書籍ほか

面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本 (アスカビジネス)
- 著:
- 内藤 誼人
- 出版社:
- 明日香出版社
- 発売日:
- 2020/11/19
- ISBN:
- 9784756921178
面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本カテゴリーの最新記事
今月のダ・ヴィンチ
ダ・ヴィンチ 2021年3月号 BATTLE OF TOKYO/男と男のマンガの話
特集1 「超東京」で新たな物語が幕を開ける BATTLE OF TOKYO/特集2 空気を読むな! 本音で語れッ!! 男と男のマンガの話 他...
2021年2月5日発売 定価 700円
人気記事
-
1
人生で初めて女の子扱いをされたうめこ。先輩のことが気になり少しでもキレイに見せようと頑張るが…/いじられキャラから抜けだしたい⑤
-
2
-
3
-
4
「つらい、なんで私ばっかり」でも命令からは逃れられない。ついに体重35kgになった私は…/高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで⑭
-
5
「どうしてこんなことに…」自分のなかの“神様”との出会いによって、私の高校生活は…/高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで①
人気記事をもっとみる
出版社・ストアのオススメ
双葉社
フジロックには行かない。生活を選びサラリーマンに…/敗者復活のうた。①
主婦の友社
肩こり・頭痛・生理痛…アラサーになってからの「なんとなくの不調」をそのまま放置していませんか? 趣味に仕事に忙しくても実践可能な「ゆる健康法」
ポプラ社
千葉ロッテを黒字化させた立役者が実践した3つの「ベーシックな行動」とは?
文藝春秋
どこから読んでも面白い!「まんまこと」シリーズ、2年ぶりの新刊! お気楽な町名主の跡取り・麻之助がついに後妻を!?
白泉社
終戦後も“戦場”は続く──『ペリリュー』10巻の壮絶な展開に「ああ、ついに…」「やっぱり泣けた」と反響続出
楽天Kobo
楽天Kobo年間総合ランキングが発表! 1位は社会現象にもなっているアノ作品
新着記事
-
連載
無料で成績は上がる! 吸収する力を高め将来にもつながる自宅学習力を今身につけよう/塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書①
-
レビュー
つい話しかけたくなっちゃう人が持つ「特別なモノ」とは!? これを知っているだけで、知り合いがいない初めての場所でも怖くない!
-
ニュース
「エモすぎて思いっきり泣かされた」マエルを救いたいゴウセルの姿に視聴者も感動/アニメ『七つの大罪 憤怒の審判』第7話
-
ニュース
「五条先生より呪力量が上ってマジ?」化け物すぎる“乙骨憂太のスペック”が話題/ジャンプ13号『呪術廻戦』
-
連載
「そのままの私ってなんだろう…」友人のN美に自分の気持ちを話してみると意外な答えが…/いじられキャラから抜けだしたい⑥
今日のオススメ
-
連載
「『小説ってこんなところまでいけるのか』と打ちひしがれた、一生ものの一冊」/『待ち合わせは本屋さんで。気になるあの書店員さんの読書案内』ジュンク堂書店 池袋本店 市川真意さん
-
レビュー
女友だちに賞味期限はある?「壊れた友情」の実話集から、捨てたい人間関係を考える
-
インタビュー・対談
前代未聞の総合エンタテインメント「BATTLE OF TOKYO」とはーーEXILE HIROインタビュー
-
インタビュー・対談
ヒトよりも、ヒトらしい存在として。チェインバーを演じて感じたこと――杉田智和『翠星のガルガンティア』インタビュー
-
インタビュー・対談
こじれる原因は2つ! お義母さん、モラハラ夫… 『イヤな人間関係から抜け出す本』の著者で臨床心理士の先生に解決策を聞いた!