好奇心が動いたもの/巴奎依の社会不適号⑱

アニメ

公開日:2021/2/5

巴奎依
撮影=山口宏之

昔から凝り性なのに飽きっぽい性格で、わーっとハマって熱を注いでは、次の日には別人のように興味を示さないことがよくありました。

一度ハマると、オタク気質ということも相まって、知り得るすべての知識を頭に叩き込みたくなるし、コレクター精神も発動してグッズだったり、書籍だったり、欲しいと思ったものはすべて揃えるくらいの情熱の持ち主でした。

なのに、突然ぱっと関心がなくなることをずっと繰り返してもいたので、
自分の中では「”好き”という感情は有限で、他の人がちょっとずつ消費する”好き”を、初めの方に消費し尽くしてしまう性格なんだ」と思っていました。

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この「”好き”は有限」については今も分からないことだらけで、有限かもしれないし、もしかしたら無限なのかもしれない。謎のままです。

すぐに飽きてしまうことを知りながら何かを好きになろうと思っても、なかなか興味が湧かず、気付けば無趣味の人間になっていました。

自分の人生がつまらないのは、趣味がないからだと思っていた私にとって、趣味があること・知りたいと思う対象があることって本当に羨ましくて、色々と趣味になりそうなことを試してみた時期もありました。

絵画、ギター、小説、お菓子作り、ダンス等……。

だけどそのどれもが趣味にまでは至らず。
好きだけど、好きで終わり。好奇心はなかなか動かされませんでした。

そんな私がまた、最近手をつけてみたものがあります。麻雀です。
年末年始に『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』と出会ったことをきっかけに、麻雀のルールを覚えて、今、ハマっています。

私もそうでしたが、麻雀って知らない人からすると本当に全てがちんぷんかんぷんで
例えば私が趣味候補に挙げたギターやお菓子作りのように、どのようなものか察することも出来ないんです。

なんかじゃらじゃらと、四角いものを動かしているだけ。そのくらいの認識です。

私にとってはそれが逆に良かったのか、何も知らないから知りたくてたまらないんです。

そして、めちゃくちゃ頭を使います。
考えることが好きというか、考えることが日課の私にはドンピシャな遊びです。

麻雀は役と呼ばれるものを覚えることが必須なのですが、これがまた勉強みたいで楽しいです。

結局は勝負事なので、「この強い技を覚えてあいつを倒すぞ」という子どもの頃のような気持ちを思い出させてくれます。

話題に出ないから話さないだけで、麻雀を打てる人、なおかつ強い人って意外と本当にたくさんその辺にいる、という事実が分かったので
そういう人たちにコツを聞いていくのも楽しかったりします。

今のこの麻雀への熱も、いずれ消費してしまうんじゃないかと思うと怖いですが、細々と趣味になることを願いながら、私は今日も麻雀を打ちます。

そのためには、今はまだ、麻雀をお仕事に繋げちゃわないことですね。

ともえ・けい
2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。現在、インターFMにて毎週土曜28:30〜「DJサブカルクソ女の音楽解体新書」にてDJ番組を担当、DJCD「A応P BEST DJCD PRODUCED by DJサブカルクソ女」をリリースするなど、「DJサブカルクソ女」としても活動中。社会不適合者(自称)。
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