人間の価値とお金/巴奎依の社会不適号⑲

アニメ

公開日:2021/2/12

巴奎依
撮影=山口宏之

私は、お金がすごく好きです。
「一番好きなものは?」と聞かれたときに、まずお金がよぎるくらいには、お金が好きです。

好きなものと言われると、それは25歳なりにコスメだとか、アフタヌーンティーだとか、旅行だとか、それなりにはあるんですが
そのどれもを満たすための第一歩がお金だから、お金が好きなんだと思います。

この世の中で、最も正確に、自分自身を満たしてくれる対象だと思っています。

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不確かなものとはっきりしないことが嫌いで
だから人間に対して興味がないし、期待させるような発言や、恋愛感情とか、曖昧でしかないものに何の信用も見出せない。

その点、曖昧ではないはっきりとした存在というのは、使い方さえ間違えなければとても輝いて見えるわけで。

お金が好きとひと口に言っても、貯金することが好きだとか、投資することが好きだとか、様々な好きの形があると思いますが
私は、「お金が私に使われている」と思うことが好きです。

自分への経験だったり、高級なサービスだったり。
自分が気持ちよくご機嫌に過ごすために使うんです。

良いサービスを受けるためにはそれなりにお金を使うわけですが、そういう良いサービスを体験していて最近よく思うのは、お金と愛はすごく似ているように見えてしまう、ということです。

個人的見解ですが、愛のそばには必ずお金の存在があると思っているので
そのせいで本当はまるで違うものなのに、なんだか同じもののように錯覚してきてしまう。

これが難しいなと思うんです。

もしかしたら、愛≒お金で、ほぼ近しいような気もします。

ただ、この「ほぼ」という言葉が非常に重要で
あくまで「ほぼ」であるから、そこを忘れちゃいけないし、それを軽んじた瞬間に心の歯車が壊れてしまうような感じ。

私は「お金が私に使われている」のが好きですが、その「ほぼ」を忘れたとき、お金に使われてしまうと思うんです。

私や人間には、確かな価値というものはなくて
価値を確かにしてくれるものも、確かな価値を示すものも、お金なんだと。

私のように芸能活動をしている場合は特に、自ずとそれが価値基準になってしまうわけです。

とはいえ、いつでもそればっかりを考えて
すべての価値を頭の中で金額にして換算しているわけではないですが
この意識を持つことで、いわゆる天狗になることもないし、メリットはそこそこあるんです。

お金はすべての答えであり、結果なんだと私は思っています。

ともえ・けい
2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。現在、インターFMにて毎週土曜28:30〜「DJサブカルクソ女の音楽解体新書」にてDJ番組を担当、DJCD「A応P BEST DJCD PRODUCED by DJサブカルクソ女」をリリースするなど、「DJサブカルクソ女」としても活動中。社会不適合者(自称)。
公式Twitter:@kei_tomoe
公式Instagram:kei_tomoe_official