できる子には○○力がある!? 自分に合う勉強法はできる友だちを“まねぶ”ことから始める/塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書⑤

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公開日:2021/3/8

多くの子どもが自宅学習で志望校に合格! 人気教育YouTuberの著者が、さまざまな角度から自宅学習で成績を上げる方法を解説。自分の頭で考えて未来を切り開く力や、超アップする成績が得られます。保護者の方も必見です!

塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書
『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』(葉一/フォレスト出版)

勉強法の見つけ方01 なんで自宅学習を強化する必要があるの?

▶主体的に学ぶ力がついて、それが将来にも役立つから

■ ただ家で勉強をすればいいのではない

 自分1人で計画を立てて家で勉強ができる「自宅学習力」を身につけることが、なぜ大切なのでしょう?

 それは次のテストの点数が上がるか下がるかという目先のことだけではなく、もっと先の将来にも関わる大事な力だからです。

「自宅学習ができる子」というのは、自宅学習で成果が出せる子のことです。

 もちろん、ただ自宅で勉強をしたからといって、それが「自宅学習ができる子」というわけではありません。勉強の成果がちゃんとテストの結果として表れたり、高校受験に役立ったりすることで、初めて「できる」と言えるんです。

 

■ 将来の自分にもつながるアレンジ力

 自宅学習で成果が出せる子と、成果が出せない子では、何が違うと思いますか?

 細かなことはこのあとでも詳しく解説していきますが、私がその違いで一番大きいと思っているのは、勉強のやり方にしても計画の立て方にしても、「自分でアレンジする力を持っているかどうか」だと思っています。

 それは、誰かに指示された勉強内容をそのまま忠実にこなしていくだけでは得られない力です。

 自宅学習で成績を上げていくには、まず勉強をする目的を自分の中で明確にし、その目的のために自分に合った勉強法を手にし、さらにそれを自分のライフスタイルや自分自身の長所や短所に応じてアレンジすることが重要なんです。

 言われた仕事を淡々と、何も考えずにただこなすのではなく、言われなくても最善の方法を自ら探し、その仕事でプラスアルファを生み出せる人―。

 そんな大人になるためにも、この自宅学習力を身につける一つひとつの過程はとても大事です。

 

勉強法の見つけ方02 勉強しているのにテストで点がとれないのはどうして?

▶自分に合う勉強法がわかっていない。「できる」という過信も

■ 暗記法にも合う・合わないがある

「勉強しているのにテストで点がとれない!」という人は、今やっている勉強のやり方が自分に合っていない場合が多いです。

 そのまま続けて「勉強してもどうせムダだ」と思ってしまうと、ますますできなくなる悪循環におちいってしまいます。

 たとえば、「暗記」の仕方。これもいろいろな方法がありますが、それぞれ人によって合う・合わないがある。私も昔、苦労した経験があります。

 私はわりと暗記するのが早いほうでした。「なんだ、それなら苦労しないだろう」と思うかもしれませんが、実は暗記は早いのに、その暗記したことをすぐに忘れるという弱点があったんです。これではテストの得点は上がりません。

 私が塾で教えていたときの生徒たちの中でも、その傾向がある子はいました。

 つまり、短期記憶が得意なのに、長期記憶が苦手。このことに自分でも気づけないでいると、一度覚えただけでやった気になってしまいます。

 

■ 人間はみんなすぐに忘れる生きもの

 私たちはコンピュータではないので、当然「保存する」ボタンのようなものは頭の中にありませんよね。

 一度暗記をして「できたつもり」になっただけで、記憶として保存されていないケースはたくさんあります。テストのときにその記憶を引き出せなければ、まったく意味がありません。

 そうならないためには、「覚えたら終わり!」ではなく、「覚えたことを忘れないようにしよう」という考え方に切りかえていく必要があります。

 たとえば、「自分はどれくらいのタイミングで、何回くり返して覚えれば記憶が抜けなくなるかな」という特徴を、自分で把握していく作業です。

 

■ 「知っている」と「できる」はまったく違う

「成果が出ない」人は、基本的に勉強して「知ったつもり」になっている人です。

「知っている」ことと「理解している」「できる」ことは、まったく別ものなんです。

 先生の授業を聞いているだけで、確かに学んだ気になります。しかし正確にいえば、それは「知ったつもり」になっているだけかもしれません。その1時間後に同じ問題をやってもできなかったりします。

 そういう子には、大きく2つの特徴があります。

 

特徴①:問題演習をどんどん先に進めたがる

 せっかく一生懸命勉強に取り組んでいるのに、「進めるのが正義」とばかりに先へ先へと急ぎがちです。しかし、いくら早くても、一つひとつしっかり定着させなければ、ざるの中に水を入れているようなもの。どんどんこぼれ落ちて、「あれだけたくさんドリルをやったのに、テストが全然できない!」ということになります。

 そうならないためにも、解いた問題が本当に「できる」に至ったのかを確認しなければなりません。

 

特徴②:答え合わせをしたら、それで終わり

 答え合わせで「理解した」「できるようになった」のならいいのですが、ただ○╳をつけただけで、「知ったつもり」になっている人も少なくありません。

 その問題が「できる」ようになるまでくり返さなければなりません。

 

 成果を出すには「知ること」ではなく、「理解する」「できる」ことがより大切です。その違いを意識するようになると、勉強のやり方も結果も変わってきます。

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勉強法の見つけ方03 勉強のやり方がいまいちわからない場合は?

▶「できないこと」ではなく、「できること」に目を向けてみよう

■ 自己肯定感が低い日本の中学生たち

 勉強に苦手意識がある子たちで、私が特に問題だと思っているのが、自分自身を認めてあげる「自己肯定感(自分のことが好き、自分の存在価値を認められる感情)」がとても低いことです。

 したがって、いざ自宅学習をしようとしても、「このやり方でいいのかな?」と自分の決定に自信が持てない。

 私が塾講師だったとき、生徒たちに「5分あげるから、自分の長所と短所を書いてごらん」と言うと、短所の欄ばかりが埋まるんですね。長所は1個出てくるかどうか。

 中には、「それって本当に悪いことなの?」と思うような「短所」までたくさん書き込まれていました。この本を読んでくれているみんなは、どうですか?

 

■ 長所を生かして勉強することが大事

 短所として「記憶力が悪い」「集中力がない」ことをあげる子は多いのですが、好きなこと、たとえばゲームをやっているときはどうですか? 武器の名前やコマンド入力、攻略法なんかをすぐに覚えて、時間を忘れて夢中になった経験があるはず。そう、そもそも記憶力や集中力がない子なんていません。

 自分に合う勉強法を見極めるためには、「短所を短所と決めつけない」「自分の長所をちゃんと見る」ということがとても大事です。

 たとえば、私のように長期記憶が苦手で短期記憶が得意だと思っているのであれば、悪く言えば「忘れっぽい」になりますが、地道にくり返すことで、それが簡単には忘れることができない記憶として定着します(具体的な方法は94ページ参照)。ゲームをやりこんだ子なら、経験上理解できるでしょう。

 できないことではなく、できることに目を向けて勉強法を決めるほうが、実際の成績アップにはつながります。

 

勉強法の見つけ方04 自分に合う勉強法は、みんなどうやって見つけるの?

▶できる友だちの方法にまねぶ

■ 自己流の勉強法をゼロからつくるのは難しい

 なかなか成績が上がらない子は、今やっている自分の勉強の方法を一度見直す必要があります。

 ただし、勉強法にベストアンサーはありません。もしベストアンサーがあるなら、みんなそれをすれば成績が上がることになりますが、そんなものはないですよね。

 それに、一口に勉強法といっても、種類も目的も左ページに記したカテゴリのようにバラバラです。要するに無数にあるわけで、これらを網羅的(関連するあらゆるものを集めた様子)に試すのは時間のムダです。

 では、どうすればいいのでしょうか?

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■ まずは友だちを「まねぶ」ことから

 そこでまずオススメなのが、「まねぶ」です。

「まねぶ」とは誰かを真似して学ぶこと。さらに、それを自分に合うようにアレンジしていくこと。勉強法に限らず、何かを身につけるときには大切な考え方です。

 一番早いのは、「勉強ができる友だち」の勉強法をまねぶことです。わからないことが出てきても直接聞けて、すごく取り入れやすいはずです。

 もちろん、友だちに限らず、学校の先生や親、きょうだい、親せきの人に聞いてもいいですよ。

「いつもここでつまずくんだけど、どうやって勉強してる?」と、率直に聞いてみてください。

「教えてほしい」といわれた子にとっても自信になるし、嫌な気はしません。誰かに教えることで、改めてその勉強が頭に入るので、聞かれた子もしっかり勉強の内容を定着させられる利点があるくらいです(→113ページ)。

 こちらも教えてもらったら、そこで満足せずにすぐ実践を。体験して学べることはすごく多いので、まずは行動に移してください。

 自分のための勉強法をゼロからつくるのはなかなか大変です。

 でも、すでに誰かが成果を出した勉強法から、自分に合いそうなものを真似て、アレンジしていけば、ずっと簡単に効果が出せる勉強法が組み立てられます。

 たとえば、計画の立て方や、各教科の勉強法、各試験用の勉強法を上乗せしていくのです。

 本書ではそうした総合的な勉強法を手に入れられるように章立てしているので、意識して読み進めてください。

 この「自分なりにアレンジする」というクリエイティブな作業が、自宅学習の一番おもしろいところなのです。

塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書

<第3回に続く>

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