【第9回】なりそうな予感ビシバシだから、『サブカル・スーパースター鬱伝』を読んでみた

更新日:2013/8/8

まず、リリー・フランキー氏。
「鬱は大人の嗜み」と言い、
「鬱になるくらいの感受性がなければいけない」と、
解決策などないということを
しょっぱなからドーーーンと。
まるでサラサラと他人事のように聞こえるけど
彼の鬱症状はかなりきつかったらしく、
そこから来る「中年の思春期」
という言葉は重みがあります。
でも、僕はいやなんです。
感受性は持ち続けたいけど、
鬱で苦しむのはいやだなと思っているのです。

次、大槻ケンヂさん。
彼は若い頃に鬱病を発症したらしく、
「体力のある若いころに経験していてよかった」
と言っています。
大槻さんは、のほほんと過ごすこと、
そして選択肢を狭めることを
鬱予防として提案してくれています。
確かに、今の自分と反対語は「のほほん」。
馬車馬のように働いています。
1分1秒が惜しい。
大槻さんいわく
「自分が脱力しても世の中は回っていく」。
頭ではわかっているんだけどなあ。
あと警鐘として、中年になると体力がなくなるから、
精神力も弱くなっていくことも触れています。
やっぱ今のうちなんとかしなければ!!

そして、川勝正幸さん。
惜しくも事故で先日お亡くなりになられた
川勝さんも鬱だったらしいのですが、
彼も「鬱を厭世観って言い換えれば、
文化系男子の嗜みになる」と
リリーさんと同じ事をおっしゃられています。
うん。
よくわかるんだけどなあ。
すると、川勝さんは引用で
「ストレスを日々溶かしていくことが
できる人が、長く創作活動をできる」
とあげてくれています。
その為に運動したりスポーツしたり、
ヨガしたり半身浴するだけでもいいと。
そっかー。やっぱり体力か。
最近運動してないもんなあ、僕。

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で、杉作J太郎さん。
彼の場合、環境の変化、仕事関係から
軽症鬱になったらしいです。
すごく共感できる箇所があって、
「気持ちがすごく落ち込むのは周りが楽しそうなとき。
特に土曜日や日曜日」。
これすごくわかるんですよね。
晴れた日曜日に公園に行くと
家族連れが楽しそうに遊んでいたりするんですよね。
それを見ると孤独の闇が全身を覆う感覚になります。
そんな彼が復活したのは、アイドルとアニメ。
熱中できる何かを持つことが大切、
それがどんなくだらないことでも!
僕、音楽作ること以外熱中できること、なんだろう。
ゲームくらいかな。
それも惰性でやってるしなあ。

菊地成孔さん。
いろんなメディアで活躍する成功者のイメージでしたが、
39歳で不安神経症になったそうです。
演奏中とセクロス中以外は症状に苛まれたらしいです。
彼は専門医による精神分析によって快方に向かったのですが、
ドクターにすべてをさらけ出すのって
どうなんだろう、て思いました。
すると、菊地成孔さんも
「クリエティビティの片腕をもぎ取られるイメージがあった」
とおっしゃっていますが、
実際精神分析の治療をしてもそういうことはなく、
むしろクリエティビティが上がったということです。
僕が結婚したくなかったり、
そういうトラウマを完全に克服しようとしないのは、
実は菊地さんの危惧してたことそのもので、
クリエティビティを失う怖さなんですよね。
しかし、経験者が語ってらっしゃるので、
ちょっと考えなおしてみようかな。

そしてサブカルキング、みうらじゅんさん。
彼の鬱は完全に離婚が原因ということです。
全てがなくなるというのは想像以上にキツイようです。
彼の解決策はやはり、セクロス。
しかし40代になると体力の減少に伴い、
精力も減退していく。
そういった意味でもやはり体力はつけなければいけない!
結局スポーツすることかなあ。
だんだん見えてきたなあ。

次はラッパーのECDさん。
アル中になって
そしてレコード会社との契約解除、
精神病院の閉鎖病棟。
なかなかのヘビーさなのですが、
抜けだしたきっかけが食玩集めと、
女子○○との情事と、猫の世話。
猫の世話っていうのが興味深くて、
どんなどん底でも
猫の餌やりを忘れたら猫が死んでしまう。
守らなきゃいけないものがあったから
なんとか生きていたということですが。
なるほどー。
ペットかー。
女子○○とのアレはアレとして、ペットはいいなあ。
確かに自分がいなきゃ死んじゃうんだもんな。

続いては松尾スズキさん。
体力の衰え、病気、離婚などから
鬱状態になったそうです。
自分の辛い状態をコラムなどでネタにしたいけど、
相手があることだから書けなくて、
書いたら楽になることはわかっているけど
書いたら倍の勢いで後悔する、
とおっしゃっています。
嗚呼。わかる。
すごくよくわかるなあ、これ。
僕もどうしようもない気分の時、
誰かに知ってほしくて、
少しやさしい言葉が欲しくて
ブログやTwitterに書こうとするのですが、
書いたら後悔する、とわかっているので、書けない。
閉じ込められた気分になるんですよね。

歌人の枡野浩一さん。
鬱の原因は親の問題と仕事の問題ということです。
離婚して子供に会えないこと、
お金が稼げないことが原因とも本人がおっしゃっていて、
お金を持っているのに鬱の人はどうするんだろうと
疑問を持たれています。
ふーむ。
やっぱり人によって鬱の発症原因はそれぞれで、
それが必ずしも金銭的なものとは
限らないってことだなあ。
でも金銭の困窮は起爆剤にはなるってことだ。
僕はこの仕事を続けたいし、
それで生計を立てていきたいと思っています。
ということは、やはり病気で休めない!