目指せ彼女とのイチャイチャ交際!彼氏が己の理性と戦う高校生カップルラブコメ!『溺愛くんは手を出せない』/マンガPOP横丁(57)

マンガ

公開日:2021/4/30

溺愛くんは手を出せない
『溺愛くんは手を出せない』(杜若わか/講談社)

 たまたま共通と感じた作品が揃ったことで、結構強引ではあるが、4月は“春にピッタリなマンガ作品”というくくりで紹介してきたマンガPOP横丁(前回はかすりもしてなかったけど)。だが今年に限りこのご時世を察したのか、全国各地の桜が「誰も外に出られないからもう咲いちゃえ!」とサッと開花し、パッと散ったため、ほとんどの方がいつも通りの春を感じられなかったことでしょう。という感じはありますが、4月最後となる今回はそんな春というテーマにふさわしい、初々しくて華々しくてキュンとしちゃう高校生カップルの青春ラブコメマンガ、杜若わか先生の『溺愛くんは手を出せない』(講談社)をご紹介。

 見た目はチャラいイケメン男子高校生の三浦くんに彼女ができた。違う学校に通う、清楚な黒髪女子高校生のかれんちゃんだ。三浦くんは彼女の初めての彼氏。「男はキケンな狼」と家族から言われて育てられてきたかれんちゃんにとって、とてもジェントルな三浦くんの振る舞いは心から信頼することができ、安定したお付き合いをしていた。

 ある日、下校途中にジェラート屋へ寄ったときのこと。それぞれ味の違うジェラートを食べていると、三浦くんは衝撃の場面に遭遇。自分のジェラートを分けてあげようとかれんちゃんへ差し出すと、かれんちゃんはスプーンでジェラートをすくう……と思っていたら、まさかの“あーん顔”で大接近! ドキッとする三浦くん! 思わず自分のスプーンでジェラートをすくい、彼女の口へ。そうこうしているうちに彼女の門限が近づき下校デートは終了した。一人になった三浦くんは思わず「ちゅーしそうだった……!」と大悶絶! 実はデート中、三浦くんは感情を徹底的に抑えながら接していたのだ。かれんちゃんにとって初めての彼氏だし、超がつくほどのお嬢様学校に通う箱入り娘だからだ。

advertisement

 とはいえ恋人としての距離を近づけたい三浦くんは、イチャイチャすることを目指して一大決心をする。まずは、次のデートで手をつなぐミッションから始めようとするが、果たして達成することができるのか。三浦くんは己の理性と戦いながら一歩ずつ恋人としての距離を縮めていく。

 恋人とイチャイチャするのは憧れだ。特に学生時代にしたかった! そんなイチャイチャが実現できるようにミッションをクリアしていく作品なのだが、はりま的には、むしろこの過程がラブコメの醍醐味のひとつであると思っている。手をつなぎたい、抱きしめたい、そしてキスをしたい……。かれんちゃんを不安にさせないようゆっくり一歩ずつ段階を踏みながら挑む三浦くんの姿を自分に置き換えて読み進めていけば、悶絶すること間違いなしだ。

 もうとにかくデートのシーンが毎回尊く、可愛い! そして、かれんちゃんのピュアさが足されたら、そりゃもうギュッとしたくなりますよ。1巻で三浦くんがどこまで進められるか、ぜひみなさんの目で確認していただきたい。

 最後に、“非常に愛らしい”という意味を込めて“最嬌(さいきょう)”という造語でPOPに反映。2人の付き合い始めのドキドキ感に身悶えながら、心に“最嬌”の花を咲かせてみませんか?

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

あわせて読みたい