「オバサン」になっても「オジサン」にはなるべからず/高岡早紀『魔性ですか?』④

小説・エッセイ

公開日:2021/5/25

 女性同士で集まって飲んだり、食べたりしながらのおしゃべりは、なんて楽しいのでしょう! 男性の友人・知人を集めるより、女友達を集めてワイワイやるほうがよほど楽しい!と、最近とみに思うようになりました。

 同年代か、ちょっと上の女性ばかりが集まって、ああだ、こうだとたわいもない話をする。たとえば、加齢臭の話(笑)。ずっと前に次男が「テレビでやってたけど、オジサンの加齢臭は一定の年齢に達したら消えるけど、オバサンの加齢臭はずーっと出続けるんだって。ママも気を付けたほうがいいよ」と教えてくれたことがありますが、そういう話をみんなの前で披露して、「お互い、気を付けようね」と言い合ってみたり。「お互いに、もし臭っていたら、注意し合おう」とかね。

「気を付けよう」と言えば、女性同士の集まりで、しょっちゅう話題になるのが、「オジサンにならないように気を付けようね」ということ。

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 女性が年齢を重ねていけば、否が応でも「オバサン」にはなっちゃう。これはもう抗えない現象だから、小さい子どもに向かって、「私のこと、“オバサン”て呼んじゃダメ。“おねえさん”よ」などと言うつもりは、毛頭ありません。オバサンで結構です(笑)。

 だけど、加齢とともに女性ホルモンがどんどん減ってくるし、いろいろなことが面倒になったり、だんだんと何事に対しても太々しくなることもあって、所作がガサツになったりして、下手すると、女性も女らしさを忘れて「オジサン」になってしまう危険性があるのです。

 口を押さえもせずに「ヘックショーンっ!!」と大きなくしゃみをしたり(コロナ禍以前の話です)、お茶しながらお菓子を食べて、その包みをクシャクシャっとやって、その辺にポイっと置いたり。ヤバイ、ヤバイ。そういうことをやっていると、「オジサン」への道まっしぐら……。気を付けなくてはなりませんね。

<第5回に続く>