戦車に次ぐ新兵器は“砲台のついた三輪車”! でも、ある致命的な欠点が…/ざんねんな兵器図鑑・極③

社会

公開日:2021/5/20

ざんねんな兵器図鑑・極

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:

ざんねんな兵器図鑑・極』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第3回です。開発者が大真面目に考えて作った結果、出来上がった“見た目も性能もざんねん”な兵器たちをご紹介。陸・海・空のユニークすぎるざんねん兵器の世界へようこそ!

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ざんねんな兵器図鑑・極
『ざんねんな兵器図鑑・極』(世界兵器史研究会/KADOKAWA)

ざんねんな兵器図鑑・極

所属:フランス 年代:1915年

 第一次世界大戦の終盤、イギリスは新兵器として戦車を開発しました。そこに至るまで、イギリス以外の各国でも、戦車に似たような兵器を製作していました。

 これはフランスのオーブリオ・ガベーが開発した「フォルタン・オーブリオ・ガベー」です*。37mm砲を搭載した2人乗りの移動要塞で、戦車というより砲台がついた三輪車といったほうがいいかもしれません。小柄な車体のためエンジンを積むスペースがなく、外部に設置した発電機のケーブルから電力を得て動きます。しかし、戦場でケーブルをずるずる引っ張って動くのは何かと邪魔で、ケーブルが切れたら動けなくなってしまうので不採用となりました。

*日本語で「オーブリオ・ガベーの要塞」という意味。

ざんねんな兵器図鑑・極

所属:ロシア帝国 年代:1915年

 一方、こちらはロシア帝国が完成させた「戦車」です。これも今日の戦車とは程遠い見た目をしていて、やはり「三輪車」と呼ぶほうが適切でした。直径9mもある巨大な前輪を使ってあらゆる障害物を乗り越えようとしたのですが、実際に不整地を走らせてみると、車輪はガタガタと揺れて使い物になりませんでした。また、片方の車輪が少しでも歪むと走ることができなくなり、あげくの果てには後輪が塹壕を越えられないといった欠陥が分かり、不採用となりました。

ざんねんな兵器図鑑・極

所属:イギリス 年代:1943年

 敵の拠点を制圧するため、大空からパラシュート降下を行い、奇襲攻撃を実施する空挺部隊。そんな空挺部隊の弱点は、空から降下するという関係上、戦車などの重たい兵器は持っていけず、軽装備になりがちという点です。イギリスはこの問題を解決するため、ヘリコプターとジープを合体させた「ロータバギー」という新兵器を作りました。戦場に向かって自力で飛行し、着陸後に地上で用いられる予定でしたが、戦車も搭載可能な大型軍用グライダーが開発されたため、残念ながら本車は不採用となりました

ざんねんな兵器図鑑・極

所属:イギリス 年代:1957年

 ロータバギーが不採用に終わったあとも、空挺部隊にジープを与える実験は何度か続きました。これは1957年にハンティングパーシヴァル社が開発した「ハリアー」という車です。特徴的なのは車体をコンテナ形に折り畳める機能で、パラシュートをつけて空挺部隊と一緒に降下できるようになっていました。

 しかし、折り畳み機能が複雑すぎて車体の強度が弱く、不整地での使用が難しかったことや、乗員を守る装甲板がなかったため、あえなく不採用となりました。

<第4回に続く>

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