「いつになったら宿題をやるの!」子どもはできないのが当たり前。そう意識を変えてみると…/子どもの長所を伸ばす5つの習慣④

出産・子育て

公開日:2021/6/18

石田勝紀著の書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』から厳選して全7回連載でお届けします。今回は第4回です。これからの時代、特に子どもに必要とされる「個性」を伸ばすために必要なこと、長所を伸ばす子育てとは何か? その意義と具体的な方法について、わかりやすく指南してくれる一冊です。

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子どもの長所を伸ばす5つの習慣
『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(石田勝紀/集英社)

子どもはできないのが当たり前

「うちの子は片づけができないんです。よいしつけ方はありますか?」

 ママからこんな相談を受けることがあります。あいさつができない。片づけができない。時間を守れない。学力以外にも多くのママさんが不満を持ち、イライラの誘因となるのが「あいさつ」「片づけ」「時間」の3点セットです。

 

 こんなとき、私は決まって聞き返します。

「そんなにきちんと片づけができる子どもっていますか? 子どもって、みんなできないものですよ」

 

 多くのママは「うちの子はできない」と嘆いて、できないことをすぐに問題視しがちです。しかし、そもそも子どもって、片づけができないものなんです。

 片づけが早い子どもをときどき見かけますが、その子は「片づけ上手」が長所なのでしょう。そんな子どものママは、しっかり長所を褒めてあげるのがよい。とはいえ、大半の子どもは、片づけができません。

 

 子どもは大人とは違って、発展途上の未熟な生物です。空気を読まず、よけいな忖度もせず、好きなことや楽しいことだけに向かってエネルギーを注ぎます。やりたいことだけをやり、イヤなことはやりたくない、正直だけで生きています。片づけやあいさつ、時間を守ることだって、できないのが子どもの当たり前=スタンダードなのです。

 

 そんな「できなくて当たり前の子ども」に向かって、今日もお小言をぶつけていませんか?

「どうしてあいさつができないの!」
「いつになったら宿題をやるの!」
「また、靴下が脱ぎっぱなし!」

 

 大人でもそうですが、自分の短所(できないこと)は、だれに言われなくたって自分でよくわかっています。

「あいさつってちょっと面倒」
「どうやって片づけたらいいのかわからない」
「時間を守るのってむずかしい」

 よく自覚しているからこそ、自分の「できないこと」を他人に指摘されると、腹が立つのです。

 

「そんなこと、言われなくたってわかってるよ、毎日うるさいな!」

 子どもは、心のなかでこんな言葉を反芻しています。

 ほら、短所是正をしたところで、子どもが自分の思うとおりにはならないことが、よくわかるでしょう。立腹しているとき、他人の言うことを素直に受け入れられないのは、大人だって同じです。

 子どもはできないのが当たり前なのだ、そう意識を変えて、今日から子どもを見直してみてください。イライラした風景が、ずいぶん変わって見えませんか?

子どもの長所を伸ばす5つの習慣

<第5回に続く>

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