やる気/富田美憂の「私が私を見つけるまで」⑱

アニメ

公開日:2021/5/30

富田美憂の「私が私を見つけるまで」
イラスト:富田美憂

自分は「しんどいな」という言葉が頭を過ぎった時、「やるべきことに対して死ぬ気でやるという気持ちになれているか」という事をよく考えます。

“ちゃんとやってます。”

と口で言うのは簡単ですが、

その「ちゃんとやる」という言葉の真相を、自分なりに考えました。「また正解のない難しいこと考えてるな〜」と思われてしまうかもしれませんが……。

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今から綴るのは、私なりに辿り着いた私なりの「ちゃんとやる」についての話です。あくまで私なりの、ですよ。

たぶん伝わりやすくてわかりやすいと思うので、ダンスとテープオーディションを例に挙げますね。

ダンス、つまりパフォーマンス。
これは「覚える」ことだけが我々の仕事ではありません。覚えるだけじゃ情熱とか気持ちって伝わらない、と私は思っていて。

私はよく「パッション」という言葉を口にしますが、”パッションを込めてパフォーマンスをする”というのは、「覚える」という行為だけでは成り立たないと思っています。私なりの解析ですが。

歌詞も振り付けも、覚えるのは当たり前。だからプロンプターとかもあくまで「万が一歌詞が飛んでしまった時の保険」であって、最初から見る前提のものではないんですよ。プロンプがあるからうろ覚えでもいいや、は きっと甘えでしかなくて。

「覚える」という当たり前を体に染み込ませることは前提で、そこから本番までに何処まで自分なりに曲を理解して煮詰められるか、が大事だと思っています。だから私はいつも「私が1番練習したって言いきれるくらい練習してやるぞ」って気持ちで、日々レッスンと自主練をしているし、そうでありたい。

テープオーディションもそう。オーディションを受けさせて頂けてありがたいな、じゃないんです。死ぬ気で役を取りに行く気持ちでやらないと受かりっこない、と私は思っている。
だから、マネージャーさんから資料を頂いてからテープを録るまでの間に、私がどれだけ煮詰められるか。テープオーディションも、言ってしまえば「本番」です。

きっと私が尊敬している方々は、これに気付いている方達。

こういう気持ちで、文字通り「死ぬ気でがんばる」をしないと、生き残っていけないと感じています。

なんて偉そうなことを言ってますが、それに気付かせてくれたのは日々お世話になっている方々なので、最終的に何が言いたいかというと、

感謝

なんですよね。