HSPは真面目な優等生タイプになりやすい“気質”のこと。病気ではないんです!/まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本

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更新日:2021/8/5

仕事でもプライベートでも人間関係や言動に気をつかいすぎて、もう疲れちゃった…。私、社会に向いていないのかな。なんて1人で悩んでいませんか?

HSPは、「Highly Sensitive Person」の略で、生まれつき繊細で、刺激に敏感な人のことを表す言葉です。HSP気質はかんたんにいえば「気づきやすい人」。それはステキな「個性」です。HSPアドバイザーのRyotaさんは、自身も強度のHSP。仕事では、「自分は社会不適合者ではないか」と悩んだことも…。著者自身の体験談も交えながら、自分らしく生きる方法を一冊にまとめました。

個性をプラスに受け入れて、自分軸での生き方ができるようになりましょう!

※本作品はRyota著の『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本 HSP気質を生かして、幸せになる』から一部抜粋・編集しました。

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まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本 HSP気質を生かして、幸せになる
『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本 HSP気質を生かして、幸せになる』(Ryota/KADOKAWA)

HSPさんの性格傾向

 HSPは「気質」です。気質とは、性格の基となる「刺激などに対する動物の行動特性」のことで、先天的なものです。HSPを病気だと考えている方がいらっしゃいますが、病気ではないのです。刺激に対して、脳の一部が過敏に働いてしまう性質なのです。

 たとえば、背の高さや背の低さ、内気な性格は病気ではありませんよね。大きな音に驚きやすいのも病気とはいえません。HSPは、個性・性格の仲間だと考えてください。

 ここで少し、性格のことについてお話ししたいと思います。

 私たちはそれぞれ性格が違います。生まれつき刺激に敏感といっても、刺激をポジティブにとらえることもできます。たとえば、四季の変化や空の青さに気づいて感動できるのは、幸せなことです。しかし同時に、HSPさんは生きづらさを感じている方がとても多いんです。

 その理由は、HSP気質と成長過程にあります。性格を考える上で重要なのが、家庭環境と教育課程です。親が威圧的、支配的だと、親を怒らせたくないので従順になります。環境的に悪影響といえるでしょう。

 成長過程では、日本の教育環境が大きく影響します。日本の教育は主に、競争社会で点数による優劣を判断しますので、HSPさんは真面目に勉強して上を目指そうとします。その結果、HSPさんは「いい子ちゃん」「真面目な性格」になります。

 これが、HSPさんたちの性格傾向が似てくる理由です。

良心的で真面目な優等生タイプ

 こうしたHSPさんの多くは、決められたレールの上で生きようとします。社会に溶け込もうと努力し、人の見ていないところでも努力をします。人に優しく良心的で、道徳観があります。典型的な優等生タイプの性格になりやすいのです。

 一方で、柔軟性に欠ける部分があります。手を抜くことができない。結果だけを求めてしまい、過程に目を向けられない。そして、人には優しいのに自分には厳しくしすぎて疲れてしまう傾向があります。

 その背景には、人の機嫌を過度に気にする気持ちがあります。人から好かれたい、人から優しくしてもらいたいための熱心さというわけです。自分のために努力するのではなく、人の機嫌を損なわないようにしようという気持ちで努力します。

 それが、アルバイトや仕事にも影響を与えてしまうのです。

<第3回に続く>

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