虹は“空にかかる橋”じゃなかった!? 理由を知れば納得!/空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑

スポーツ・科学

公開日:2021/8/2

夏でも上空では雪が降っている、虹は半円形ではない、雨のにおいには名前がある…空には不思議でおもしろいことがいっぱい!

雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など、天気や気象にまつわる“おもしろくてためになる知識”を、映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎氏に教えてもらいました。やさしい解説で「天気・気象のなぜ?」が一気にわかります。

今回ご紹介するのは「虹の形」。よく“空にかかる虹の橋”などと言われますが、実は虹は半円じゃないってご存知でしたか?

※本作品は、荒木健太郎著の書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました。

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空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑
『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』(荒木健太郎/KADOKAWA)

虹は半円ではなく、本当は丸い

 雨上がりの空にかかる虹の架け橋――。まるで魔法のような美しい風景を見せてくれる虹ですが、「本当は丸い」ことを知っていますか?

 そもそもは、赤から紫までの色が並んだ円弧状の光の帯で、太陽と反対側の空で雨が降っているときに見られます。レインボー(雨の弓)とも呼ばれるように、雨のつぶのなかで光が曲げられて(屈折)、あの虹色が生まれます。出会いやすいのは、内側が紫で外側が赤い主虹です。光が強いと、その外側に色の並びが逆になった副虹も現れ、ダブルレインボーになることがあります。

 虹は、太陽とちょうど反対側で影のできる位置にあたる対日点を中心に円のかたちをしていて、じつは私たちは地上でその一部を見ているのです。このため、日の出・日の入くらいの虹は半円に近くなり、太陽が高いと低い空だけに虹色が見えることもあります。

 高層の建物や橋の上、飛行機などからは対日点が見えやすく、丸い虹と出会えるスポットです。

空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑

豆知識
虹色は7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)といわれますが、この本では理科年表にならって藍をのぞいた6色に分類しています。ドイツでは5色、台湾の一部では3色など、虹の色のわけ方は地域によって異なっています。

<第4回に続く>

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