【第10回】ゲームをやり始めたら止まらないので、『「やめられない心」依存症の正体』を読んでみた

更新日:2013/8/8

さて。
まずアディクションとは何か、ということからスタートします。
人間は人生の中でたまーに幸福感を得ることができて、
他には平凡な毎日、そしてたまーにやなことがある。
それが人間としての自然なサイクルなんだけど、
アディクションとは
「人間の力では本来コントロールできないこの自然のサイクルを、
無理やりコントロールしようとする企てである」とのこと。

ちょっと難しい?
やわらかく説明もしてくれてます。ほんといい本。
アディクションに冒されてた人が、
対象となる行動をしたときに
“気分の変化”を得ることができる、とのこと。
例えば、ドラッグのアディクションの人は
ドラッグを使用したらハイになって“気分の変化”、
アルコールアディクション、セックスアディクション、
過食アディクションも“気分の変化”。
要するに、自分の意志による行動によって
簡単に「自然のサイクル」をコントロールできるのが
アディクションということですね。

自分に置き換えて考えよう!
俺の場合はゲームアディクションだから、
ゲームのスイッチを入れた途端に
ゲーム世界に没入して幸福感で満たされる。
一瞬で“気分の変化”を味わうことができます。
うん。
PS3を起動させると僕はヒャダインでも前山田健一でもなくて、
「雑賀孫市」になりますからね。
ショットガンをバンバンぷっぱなすんです。
「カ・イ・カ・ン」(今回、歌謡曲ネタが古いですね。)

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で、今書いた「幸福感」。
これを作者は「高揚感」とも言い、その内容を2つに分けています。
まず自分が力強い存在であるかのような強烈な感覚、
その名も「覚醒感」。
日々の不安や自信のなさをアディクションによってぶちのめす!
わかるわかる。
僕はゲームやりこみ派で、
クリアしたあともガンガンレベルを上げて
敵をオーバーキルするのが大好きなんですよね。
きっと現実世界でヒョロヒョロへなちょこな自分に対するストレスを
覚醒感によって解消しているんでしょうね。
そして2つ目は満たされた気分になってリラックスする飽満感。
ドラッグやアルコールアディクションが代表的で、
日々の不安などをぶちのめすのではなく、忘れさせる。
麻痺させる。「なんくるないさ~」とさせるのが飽満感。
ゲームでは僕はそういう感覚にはならないけど、
深酒するとこうなるなあ。うんうん。

さてさて。ここまで書いたら、
アディクションは日々のストレスを
解消してくれるいいものじゃないか!
と思えるかもしれないのですが、
この本ではアディクションの恐ろしさを
進行度を3つに分けて説明してくれてますよ。

まず第一段階。
「内面に変化が起きる」。
アディクションとなる対象を始めることで
前述の“気持ちの変化”の大きさに驚き、
心の安定を自分でコントロールできる方法を得たことに喜びを感じます。
そこから、ハマっていき、辛いことがあったらすぐ行為にうつる。
苦痛が和らぐ。また辛くなる。行為にうつる。
こういう「アディクション体質」になっていき、
そして自分がコントロールしにくいものを否定していく人格
「アディクティブ人格」が形成されていくらしいです。
具体的には「自分は人間関係など必要ない」
「自分が望まないことに向き合う必要がない」などなど。
要するに現実逃避が始まるってことですね。
だけど、まだ残っている理性が「お前、アディクションだぞ、やばいぞ」
と自分に対して警告を出すのですが
そこから「自己正当化」が始まるわけです。
そう。いいわけ。
英語で言えばエクスキューズ。